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三浦涼介の美の秘密「リップクリーム1本で世界観が変わる」

映画

インタビュー

ぴあ

三浦涼介 撮影:須田卓馬

「毒キノコ」とあだ名されるほど地味で冴えない女子高生・木下まいるが、周囲の助けと美容アドバイスにより、驚くほどキレイになっていくーー2021年2月12日より配信されるHuluオリジナル『マイルノビッチ』は、同名の超人気少女漫画が原作。主人公・まいるの可愛くなりたい気持ち、恋愛道を驀進していくパワー、そして内面も強くポジティブに変わっていく姿に、笑いながらも気付くとジンと来てしまう、良質なラブコメドラマだ。

今日はまいるの良き理解者である、心と見た目は女性の“叔父”、ふわり役の三浦涼介さんにお話を伺った。

美女メイクは自ら行い、ふわりちゃんのリアリティを追求

――『マイルノビッチ』は2011年~2014年まで『マーガレット』(集英社)で連載された超人気少女漫画です。まずはお仕事が決まったときの感想を教えてください。

このお仕事が決まってから原作を読ませていただいたんですが、ワクワク感やドキドキ感がいっぱいの純粋なラブコメ作品に巡り合ったのが、初めてだったんですね。もしかしたら僕も高校生役ができるのかなと思ったんですが、そこは主人公である、女子高生ふわりちゃんを見守る大人の役で(笑) ただ、僕が演じたふわりという役は、キラキラ感があるキャラクターなので、撮影が楽しみだなと思いました。

――主人公・まいるの、心と見た目は女性の“叔父”(原作ではお隣さん)であるふわりちゃんは、とても重要である共に難しい役柄だったと思います。ただ、三浦さんが女装された姿があまりにも美しくて、まずは驚きました。

ありがとうございます。原作のふわりは、キャピキャピしていてすごくキャッチーなキャラクターなんですが、ドラマだからこそのふわりのビジュアルを、監督さんやスタッフさんの皆さんと作り上げました。撮影前に衣装合わせをして、ちょっとお姉さんチックでデキる女性を目指し、メイクもナチュラルでやり過ぎないようにしています。

――確かに、原作はもっとギャルっぽい見た目かもしれません。

僕はやはり原作ありきというか、原作ファンの方たちがどんな風に見て、どんな風に思うかということをいつも大切にしています。過去、いろんな原作付きの作品を演じてきましたが、そこは常に考えるところでした。ただ原作を大事にすることと、ドラマの色を出すことは、両立するのかなって。

――ふわりちゃんとして出来上がったご自分を見て、どう思いましたか?

ポスター撮影のときに初めて、メイクをして衣装を着て皆さんの前に立ったんですが、一番嬉しかったのは監督さんの「あの、キレイです」っていう一言で。第一段階はクリアできたのかな、と思いました。自分ではやはり最後まで「これでいいのだろうか」という迷いがあったんですけど、見てくださる周りの方たちの「よし、これでいこう!」という強い思いが、カメラの前に立つ自信を与えてくれました。

――ふわりちゃんを演じるうえで、悩んだ点はありますか?

ふわり自身のことがストーリー上、そこまで追われなかったんですね。なので、彼女のマイノリティな部分が描かれていない分、自分で補いたいと思いました。
キャラクターありきの役柄は、メイクをしていただいて衣装を着せていただいたスタート地点で、ある程度のところまで底上げしてもらっています。そこにセリフの言い方であったり、トーンだったりで内面をプラスしていくんですが、今回は「新しいふわり」を意識していたので、本当に純粋に役を作っていこうと思いながら、演じました。

――撮影が進む中で助けられたことや、役柄に入り込む工夫などがあったならば、教えてください。

桜井日奈子ちゃんが演じる、主人公のまいるちゃんの存在がすごく大きかったです。彼女がいてくれたおかげで、僕自身がふわりでいれたところがたくさんありました。
また、ちょっと我がままを言わせてもらって、メイクを自分でしていたんですね。ふわりの心を持つ準備や「どう見られるか」という考えのまとめを、自分の手でふわりになりながら、することができました。

――メイクはもともとご自身でする方だったんですか?

舞台をやっているときは、自分でメイクをすることが多いんです。もちろん、舞台向けメイクと女性向けメイクは違いますけど、今回はYouTubeをはじめ色んなものを資料として集め、トレンドをチェックして「今度はこんなことをやってみようかな」とか考えつつ、メイクをしていました。

――ご自身で似合うメイクとかわかってきましたか?

自分に似合うかどうかはあまりわからないんですが、純粋にトレンドっていうものは面白いなって思いました。また『マイルノビッチ』は、主人公がメイクをして変わっていきますが、リップクリーム1つで世界観を変えられ、キレイになった自分を楽しみながら外に繰り出せるっていうのは、素敵なことだと感じました。

撮影現場は和気あいあい、何気ないシーンこそ注目してください

――『マイルノビッチ』というのは、未熟な10代の女の子・まいるの、成長ストーリーです。自分に自信が持てなくて恋にも消極的な彼女が、じょじょに強くなっていくのを間近で見て、どう思いましたか?

純粋に素敵だな、ですね。クラスメイトやふわりの言葉で変わっていくまいるの姿は、すごく魅力的。同時にまいるによってふわりを含む周囲が変わっていくのも、すごく興味深かったです。実はラブコメをあまり読んだことがなかったんですが、あまりの面白さに今後は読んでいこうと思いました。

――まいるちゃんは、本当に等身大の女の子ですよね。

でも日を追うごとにキレイになっていくんですよ、まいるちゃんが、というか桜井さんが、昨日。撮影がオールアップだったんですけど、メイク後に彼女に会ったとき、「キレイになったね」という言葉が自然と出てしまったくらい、美しかったです。なんかキュンとしてしまいました。 まいるちゃんは最初、分厚い眼鏡にボサボサ髪で、毒キノコと呼ばれるくらいやぼったかったんですが、メイクをする・色を乗せることでこんなに成長し、美しくなるんだと驚きました。

――現場の雰囲気ってどんな感じだったんですか?

僕はあまり、大勢の皆さんとお芝居をする機会がなかったんです。ほとんどまいるちゃん、つまりは桜井さんとのシーンで。なので数少ない皆さんで集まれるシーンは、嬉しかったです。休憩時間に「おにぎりの好きな具はなんですか?」なんていう話で盛り上がったり(笑) 若い役者さんの中に入れていただいて、お話させていただいて、とても楽しかったです。

ラブコメを経験して、いろんな形の恋愛があるんだと知りました

――ラブコメ少女漫画の世界とは、あまり縁のなかった三浦さんですが、こんなにも王道ど真ん中の映画に出て、何か発見はありましたか?

色んな形の恋愛があるんだな~と感じました。例えば阿久津仁愛さんが演じる未来くんはすごく純粋だし……幼馴染ゆえにこれは恋愛じゃなくて友情なんじゃないかっていう、緊張感がドキドキしました。そして伊藤あさひさんが演じる工藤さんは、なんか切ない。もうちょっと素直になればうまく行くことがたくさんあるのに、年齢と共に言い出せなくなったりとか、自分を殺してしまったりで、一歩進むことが難しい。それがすごくじれったい……けど皆さん、素敵なんですよね結局!

――お勧めのシーンがあれば、ぜひ教えてください。

まいるちゃんとふわりのお部屋のシーンで、2人ダラダラ話しながらケーキを食べたり、朝食を食べたりするんですけど、そういう何気ないシーンがナチュラルで面白いと思います。また、たまにふわりがメイクをしていない、パジャマ姿が出てくるんですが、普段からすごく可愛いパジャマを着ているんですよ。そういうチャーミングなところにも、注目していただければ嬉しいです。

――ところで、三浦さんはこうしてお会いしていてもすごくお美しいんですが、美容で気を遣っていることがあれば教えてください。

皆さんがされていることだと思いますけど、顔は泡多めの洗顔料で、なるべく摩擦をかけないように優しく洗うとか、その程度です。あとはパックをして、温かいスチームを充てるのが最近のブームかな。こう、より化粧水が入っていく感じがします。実は今までスキンケアをしなさ過ぎたので、30代になってちょっとずつ始めたという感じで(笑) たがが15分程度ですけど。

――体型維持はどのような方法を?

ストイックな方法を続けていくのはなかなか難しいので、撮影に入る数日前から野菜中心の食事を摂って節制したりと、それくらいです。実は食べることが好きで、お菓子も大好きなんですが、すぐ身体に出るタイプなので、撮影前は気を遣います。

――ふわりちゃんは内面も素敵な女性ですが、三浦さんの内面を磨く方法と言えば、何でしょう。

自分に関わりを持ってくださる方々と過ごす時間を、素直に大切にすることでしょうか。近しい人であればあるほど、おろそかになりがちな感謝を、言葉に出すよう心がけています。ふわりのセリフにも「やっぱり人はちゃんと言葉でね、相手に伝えないと、伝わらないです」ってありますし。時に傷つくことがあったとしても、周囲を大切に思う気持ちがあれば、最終的にはいい形になるのかなと信じて生活しています。

――忙しかったり余裕がなかったりすると、感謝を伝えることは忘れがちになりますよね。私も反省して、言葉に出すようにします! では最後に、この配信を読んでいる方々にメッセージをお願いいたします。

『マイルノビッチ』、とても素敵なドラマになっています。若い皆さんのキラキラ感とパワー、そしてそれに負けないくらい一生懸命なふわりがおりますので、ぜひキュンキュンしながら見てください。

――今日はありがとうございました!

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撮影/須田卓馬、取材/藤坂美樹 構成/中尾巴

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