Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > 新しい地図は人生という名の冒険を楽しむ共同体だ 稲垣&草なぎ&香取から語られた“ホンネ”

新しい地図は人生という名の冒険を楽しむ共同体だ 稲垣&草なぎ&香取から語られた“ホンネ”

音楽

ニュース

リアルサウンド

 稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾が、新しい地図をスタートして1年。ここまでホンネが語られるようになったのは、きっとそれだけ“今”が充実している証拠なのだろう。10月7日放送の『7.2 新しい別の窓(通称:ななにー)』(AbemaTV)は、永久保存版。彼らが自由に遊ぶ姿をじっくり見たい、リアルタイムの心境を知りたい、そんなファンの想いをまっすぐ叶えてくれるような内容だった。

(関連:新しい地図の原動力とは? 『NSTまつり2018』で語った1周年への思いとNAKAMAへの感謝

 この日はオープニングから、いつも以上にゆったりモード。都内の公園で子どもたちに囲まれながら、「気持ちいいねー」と3人のリラックスした表情からスタートした。SNS未経験の長嶋一茂をゲストに招き、アイコンを設定したり、投稿の仕方をレクチャーしたりと、 Instagramデビューをサポート。「#ななにーって、つけてください。ハッシュダグ、な、な、にー!」と、一緒に楽しみながら丁寧に説明していく3人。思い返せば、昨年11月に『72時間ホンネテレビ』(AbemaTV)でSNSデビューした彼らも、今回の長嶋と同じような様子だった。あのときはスマホをいじりながらカメラの前に立っていることさえ 新鮮で、ちょっぴりハラハラしながら眺めていたのが思い出される。あれから1年、誰が想像していただろう。SNSで、こんなにもNAKAMAたちと繋がる今の姿を。

 「ゼロになる覚悟だった」香取が個展を開いたフランス・パリで1周年を迎えていた3人は、今だから話せるホンネトークを1時間に渡って披露。「全然違うみんな顔が!」1周年を記念して作られたムービーに収められた、新しい地図スタート時の自分たちを見て、香取がそうつぶやく。きっと見ていたすべての人が同じ感想を持ったことだろう。「新しい地に降り立って周りを伺ってるみたいな」と稲垣が例えたように、どこか不安げで、それでも前を向こうと心を奮い立たせる表情は、今の生き生きとした彼らの顔と全く違う。当時いろんな憶測が飛び交い、ホンネは誰にも聞かれないようにこっそりと静かに話し合っていた3人。昔から彼らを知るスタッフが集まって、新しい地図を始めるというタイミングでさえ、「いいんだよね? この人たち」と、彼らの中にはそんな憂心を抱いていた、と語られた。

 新しい地図の始動を告げるムービーを見返し、「久々に見たけど鳥肌立った」という香取。そして草なぎも「 定期的に見返したほうがいい」と続ける。“武器はアイデアと愛嬌”、 新しい地図の象徴とも言えるこの言葉の背景には、なんとルーブル美術館。まるで導かれるようにパリで、この思い出の動画を見返しているという奇跡。それは、彼らが30年近くアイドルの最前線として走り続け、多くの人の愛情に応えてきた軌跡があってこそ。

 “ゼロになる”そう思っていたが、新たな扉を開けてみると、そこには変わらず応援してくれるファンがいた。その前に、彼らを支えるスタッフがいた。さらに、かつて一緒に活動していた森且行や、彼らと共演してきた多くの芸能人、そして彼らと一緒に新しい道を切り開きたいという企業が手を振って待っていてくれた。「本当に恵まれている」この1年を振り返る3人の口から語られるホンネは周囲への感謝ばかり。そんな彼らだからこそ、きっと多くの人が新しい地図に集まってきたのだろう。

 「小学生から芸能界にいます」と話す香取の言葉に、思わずハッとする。彼らにとって、ステージで歌い、踊り、カメラの前に立つことは、私たちが想像するよりもずっと「身体に染み付いている」ことなのだ。彼らにとって“アイドル”は、仕事である前に、生きるスタンスそのもの。創り上げられたシナリオを超える、鳥肌が立つような展開が待っているのは、 彼らが生粋のアイドルであるからに違いない。

 だからこそ、彼らには“フリー”でいいのだ。長嶋のリクエストで挑んだ極真空手では、香取が思わぬ才能を開花させて驚かせた。「やればできる子、 でもやらない!」という香取の才能あふれるコメントも清々しい。また、「押忍!」と挨拶していた中で、有段者の蹴りを受けることになると、思わず稲垣が「パス!」と口をつき、「パスはない、押忍しかない(笑)」と長嶋にツッコまれる流れも秀逸だった。

 草なぎと稲垣のパリ2人旅に至っては、まさに神回とも呼べる珍道中。自由奔放な草なぎが異国の地にも関わらず日本語でどんどん話しかけ、最終的には言葉の通じない子どもたちと「ななにー、 ななにー」と謎の意気投合。その様子を、日傘男子の稲垣が静かに笑っている、という姿に頬が緩まずにはいられない。

 ゆるい雰囲気にも関わらず、最終的には狙っても撮れないような笑える展開になるのも、 きっと30年近く彼らが培ってきたアイドルスキルの賜物だ。フォトジェニックなパリの広場で「せっかくだから撮ろうよ」の一言で、3人が1つの台に乗ってギュッと寄り添う。そのあまりにも自然な動きに、こうしたアイドルスナップを何千回、何万回と撮ってきたことを思い起こさせる。3人の、そして彼らと共に生きてきたすべての人の約30年は、しっかりと“今”に繋がっているのだ。

 そして改めて語られた、“新しい地図” は3人のグループ名ではなく、そこに集まる人達すべてを表す、ということ。彼らも、ファンも、スタッフも、一人ひとりが自立しながら“進む方角が同じならば一緒に歩いていきましょう”と集まった、人生という名の冒険を楽しむ共同体だ。筋書きのない人生だからこそ、演出なしでドラマチックな展開を起こす彼らが、私たちの日常には必要なのだ。「俺たちまだまだ本気出してないよね」「これからまだまだ行きましょうよ。楽しみましょう」という香取の言葉が心強い。2019年には『ななにー』元日放送も決定し、またひとつワクワクが増えた。2周年は一体どこで、どんなふうに迎えるのか。わからないからこそ、面白い。これからも彼らの生きるエンターテインメントを一緒に楽しんでいきたい。(佐藤結衣)