吉沢亮×草なぎ剛の“出会い”に注目! 『青天を衝け』は“朝ドラ的な爽快さ”がある作品に
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大河ドラマ『青天を衝け』(NHK総合)が、2月14日よりいよいよ放送を開始する。
本作の主人公は、新一万円札の顔であり、およそ500の企業、600もの社会公共事業に関わった“日本経済の父”渋沢栄一。民間外交にも力を注ぎ、ノーベル平和賞候補に2度選ばれている、激動の幕末から明治、大正、昭和まで信念を持って駆け抜けた男だ。
主演を務めるのは、大河ドラマ初出演となる吉沢亮。武蔵国榛沢郡血洗島村(現在の埼玉県深谷市)を舞台に、感情豊かでエネルギッシュな栄一を演じる。本作の大きな特徴は、栄一という一市民の視点の一方で幕末の政治模様も並行して描かれていくこと。そのメインを司るのが徳川家最後の将軍・徳川慶喜である。
慶喜を演じるのは『新選組!』に続き2度目の大河ドラマ出演となる草なぎ剛。父・斉昭(竹中直人)の厳しい教育を受けて育った慶喜は、将軍になることを頑なに拒む葛藤を抱えた男。違和感と品格を共存させた難しい佇まいを草なぎは演じている。
本放送を前にオンエアされている『カウントダウン大河「青天を衝け」』の中で草なぎは「幕府を終わらせないといけないという、それは徳川家のたくさんいらっしゃる将軍の中でも印象深い。難しい心境だったり役どころだったりするので、役者冥利に尽きるなと思って毎日ワクワクして過ごしております」と栄一と同じく時代に翻弄されていく慶喜を演じる上の心境を語っている。「ありがたき幸せに存じあげ奉りまする」は1月27日に開かれたリモート会見でも草なぎが記者陣に挨拶を込めて口にしていた、慶喜を代表するセリフの一つだ。
第1回は、そんな栄一と慶喜の運命的な出会いのシーンからスタートする。後に栄一が一橋家の家臣となり、生涯交流が続いていくきっかけとなる場面。会見時点では、まだ栄一と慶喜の共演は数回しか撮っていないということからも、貴重なワンシーンということが分かる。
脚本を担当するのは朝ドラ『風のハルカ』、『あさが来た』(NHK総合)、『不機嫌なジーン』(フジテレビ系)、『眩~北斎の娘~』(NHK総合)など多くの代表作と賞を受賞している大森美香。幕末という時代設定は『あさが来た』とも重なる部分が多くある。公式サイトのインタビューで「怖いシーンは少し苦手」だと答える大森の「多くの方に楽しんでいただけるドラマにしたいと思っています」という言葉は、栄一の人物像が表すような、オーバーに言えば“朝ドラ的な爽快さ”が感じられる大河になっていく予感だ。そして、『青天を衝け』には、ナレーションとは別にストーリーテラー的な立ち位置として徳川家康(北大路欣也)が第1回からほぼ毎回登場する。大森はこの家康の存在に、「江戸時代から昭和の現代までを一緒になって俯瞰して見られる役」として置いていると会見で明かしていた。また、大森はインタビューの中でこのようにも答えている。
幕末を調べながら書いていると、コレラがきたり、大地震がきたり、日本人にとって困難なことがたくさん起きているわけです。その中で「日本が」「幕府が」「他国が」と、どの環境にいる人もそれぞれ悩みながらぐるぐるして、うまく突破口を見つけられない混沌としたところが今の時代と重なる気がします。そんななか、意志を持って貫いていく若い人たちを描いていくことになるので、期せずして、今の時代に合うドラマになるのではないかと感じます。(『青天を衝け』公式サイトより)
令和の時代、新型コロナウイルスの猛威によって私たちの生活様式も一変している。つまり、暮らしぶりが大きく変わった幕末を見るということは今の時代に通ずる生き方のヒントが見えてくるとも言えるのではないだろうか。
近代日本のあるべき姿を追い続けた男・栄一と、徳川家最後の将軍・慶喜の不思議な運命の物語が今夜幕を開ける。
■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter
■放送情報
大河ドラマ『青天を衝け』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアムにて、毎週日曜18:00~放送
BS4Kにて、毎週日曜9:00~放送
出演:吉沢亮、小林薫、和久井映見、村川絵梨、藤野涼子、高良健吾、成海璃子、田辺誠一、満島真之介、岡田健史、橋本愛、平泉成、朝加真由美、竹中直人、渡辺いっけい、津田寛治、草なぎ剛、堤真一、木村佳乃、平田満、玉木宏ほか
作:大森美香
制作統括:菓子浩、福岡利武
演出:黒崎博、村橋直樹、渡辺哲也、田中健二
音楽:佐藤直紀
プロデューサー:板垣麻衣子
広報プロデューサー:藤原敬久
写真提供=NHK