竹内涼真×笠松将が見せる『きみセカ』と正反対の関係 「100%の気持ちでぶつかっていける」
映画
ニュース
「まるで少年マンガから飛び出してきたような2人」。現在放送中の日本テレビ×Hulu共同製作のドラマ『君と世界が終わる日に』に出演中の竹内涼真と笠松将を評して、こんな言葉がSNS上で上がっている。
“テレビドラマ”のスケールを飛び越えた異例のゾンビドラマとして日曜日の夜を盛り上げている本作。主人公・間宮響を演じる竹内と、響のかつての親友であり現在は対立関係にある等々力比呂を演じる笠松は、光と闇、月と太陽のように正反対の輝きを見せている。劇中では怒鳴り合うシーンが多い2人だが、カメラから離れた場所ではまったく別の素顔を見せてくれた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
笠松「竹内くんってめちゃくちゃ良いヤツ」
ーー毎話ごとにキャラクターが命を落とすなど、本編は辛い展開が続いています。かなりハードな現場かと思うのですが、皆さんのSNSを観ると本当にチームワークが良いですね。
竹内涼真(以下、竹内):どの現場でも同じ時間を過ごす中でチームワークの良さは出来上がるんですが、連ドラのほとんどは2~3カ月一緒に過ごして高まってきたぞ!というところで終わっちゃうことが多いんです。でも、本作はseason2(Huluで配信)があることもあり、撮影期間が長いこともありますが、一番最初からきついシーンの連続だったこともあって、みんなとの距離が縮まるのは早かったですね。笠松くんとも、撮影の前から一緒に弓道の練習をしたり、台本について話し合ったり、いつもより周到に準備ができたこともあってすぐに打ち解けました。最初からお互いのテンションもなんか合ったんですよね。常に意見交換もできるので、やっていて楽しいです。響と等々力は相容れない関係ですけど、演じる前にお互いを信頼していないとそれもできないと思ったので。
笠松将(以下、笠松):いきなりこんなこと言うと嘘っぽく聞こえるかもしれないんですけど、竹内くんってめちゃくちゃ良いヤツなんですよ。
竹内:いきなり(笑)。
笠松:これ本当に。僕、撮影現場では仲良くなる人はあまり多くないんです。でも、この現場で初めて竹内くんと一緒になって、最初から声をかけてくれて。細かい話になっちゃいますけど、連絡先も竹内くんから聞いてくれて、「インスタもフォローしていいですか?」とか、僕からは言いづらいことを全部彼からやってくれたんです。みなさん、僕が言っているんだから、“良いヤツ”と信じてもらって間違いないです。
竹内:(笑)。
ーー本作の等々力もそうですが、これまで笠松さんが演じてきた役柄の多くは、一匹狼的なキャラクターだったり、陰のある役柄が多かったです。そのせいもあってか、素の笠松さんにクールなイメージを持っている方がほとんどだと思うんです。だから、放送前からインスタライブなどで竹内さんとはしゃいでる姿にギャップがありました(笑)。
竹内:僕も笠松くんの出演作は観ていたのですが、役者はあくまで演じているので、そんなにクールな印象はなかったんです。だから最初からあまり近寄りがたいとかはなかったですね。もちろん、どんな人も「はじめまして」の挨拶から始まって、心を閉ざす人なのかな?と感じたら徐々に近づこうと思いますし、大丈夫な人だったら最初からいきますし。笠松くんは全然大丈夫な人だったので、距離が近くなるのも早かったですね。僕もどんな人でも仲良くなれるわけでは当然なくて、笠松くんが受け入れてくれたのが何より大きいです。何だか根本的なところで似ているんだよね。
笠松:そうだね。
竹内:演じることや作品について深く話していると、思う所が一緒で。だから話していて面白いし。でも、根本的な部分は全く別物でもあって。
笠松:わかるわ。
竹内:そこが面白いんです。
竹内「“目的を持つ”ことをテーマに」
ーー芝居の作り方も2人のアプローチは違いますか?
笠松:全然違いますね。だから話をしていていつも勉強になります。竹内くんの芝居を一言で表すならとにかく“全力”なんです。ネットの記事とかで、「体当たり演技!」とか表現されますけど、本当に嘘偽りなく彼は身体を張ってるんです。傍から観ていて、「脳揺れちゃってるだろ」と思うぐらいで。全部のシーンで彼が全力でぶつかっていって、この作品の温度はこれぐらいと示してくれるんです。だから、そこに反発するなら反発すればいいし、乗っかるなら乗っかればいい。『きみセカ』のようなアクションだったり、パニックになるシーンが多い作品だと、芝居の温度を決めるのがすごく難しいんです。その温度を竹内くんが現場でしっかりと示してくれるので、そこがすごいな。
ーーやり過ぎでも大人しすぎても、一歩踏み外してしまうと途端にリアリティがなくなってしまいますよね。
笠松:そうなんです。特に僕は響と対立する役柄なので、ある種竹内くんのテンションと真逆でいればいいというか。そこはめちゃくちゃやりやすいですね。あと、僕はテストでは抜いて本番で一気にやればいいかと思うタイプなんですが、竹内くんは本番もテストもとにかく全力。抜いているのが恥ずかしいみたいな空気になるから、すごい今回の現場は疲れます(笑)。でも、それが僕も含めて現場のみんなに緊張感を生み出していると思うし、作品のトーンにもハマっているんじゃないかなって。
竹内:今回の作品では、“目的を持つ”というのをテーマにしました。僕が演じる間宮響は、善人かもしれないのですが、ものすごく自分勝手でもあるんです。だから、正解ではなくて間違いもかなりおかしてしまう。演じる上で、響の中で恋人の来美(中条あやみ)がどれだけ大切な存在なのかというのを最初に決めました。彼の目的は“生きること”ではなくて、“来美を見つけること”なんです。だから、周りがなんと言おうがその目的のために行動するから間違いも選択してしまうんです。『テセウスの船』(TBS系)で演じた田村心も必死に頑張るという点では共通している部分があるんですが、心の場合は自分がどんな状況に置かれているのか俯瞰した視点があった。でも、響にはそんな俯瞰した視点はまったくなくて、とにかく自分の目的のためだけに動いている。それは演じる上でも特に意識した点です。だから、笠松くんをはじめとした共演者の皆とも、100%の気持ちでぶつかっていけるんです。響としてこう動いたら仲間のみんなは困るなとか、そういった俯瞰するような視点は演じる上でもあえて持たないようにしました。余計なことは考えず、バランスに関しては監督さんにおまかせして、僕はとにかく全力でやるしかないなと。
ーー響は間違いなく善人ですが、あの異常事態の中では必ずしも正しい行動ではないですよね。等々力の台詞にもありましたが、「響さえいなければ皆無事だったのでは?」という視聴者の声もあります。
竹内:まさに視聴者の方にもそう思ってほしかったんです。一見ヒーローに見える主人公ですが、決してそうじゃないんです。
ーー客観的に見れば響より等々力の方が正しいことを言っているのにヒール役に見えてしまうという。
竹内:本来なら逆なんですよね。
笠松:でも、現実でも正しい意見がいつも支持されるわけではないんですよね。例えば、現在のコロナ禍において、感染拡大を防ぐことだけを目的とすれば「全員家から出ないでください」が正しい意見かもしれない。でも、仕事などで外出せざるを得ない人だっているし。いくら正しい意見でも何の事情も配慮されずに命令されたら従うことはできない。だから、大事なのは「正しい意見」とそれを「正しく伝えること」なんです。
竹内:等々力は「正しく伝えること」ができなかったんだよね。
笠松:そう。でも、彼もいっぱいいっぱいなんだよね。別に等々力も意地悪したくて言っているわけではないのに、あんな世界に置かれて、しかも忌々しい響の存在もあって、あんなことになってしまう。この物語の登場人物はみんな“失敗”ばかり。だけど主人公の響だけはひとつのものを信じてまっすぐ進んで大きな失敗を繰り返しながらも最後に1番欲しいものを手に入れようとする。これは現実世界でもそうだと思うんだけど、それっぽい正解を用意しても結局そこには何も残らない。響みたいに周囲から理解されなくても、信じた道を突き進んだ人にだけ得られる答えがあると思うんです。そんな響の姿に影響されて等々力や周囲の人物もどんどん変わっていく。僕たちの日常とはまったく違うドラマですけど、そんな姿に共感してもらえるものがあるんじゃないかなと思っています。
日本のテレビドラマはもっと面白くなる
ーーそれにしても地上波で、しかもゴールデンタイムに、ここまでの“ゾンビもの”作品を作ることができるのがすごいなと感じます。
竹内:「なんでこれまでなかったんだろう?」っていう気持ちがあります。もちろん、「怖くて観られない」という方もいると思うのですが、観たかった人は絶対にいるはず。かけられる予算の問題だったり、撮影できる場所だったり、いろんな制約はありますが、皆で工夫して向かっていけばここまでのものも作ることができるんだなって。これまでのテレビドラマと映画の中間のようなスケール感になっていると思いますし、もっともっとこんな作品が生まれていけば日本のテレビドラマは面白くなると思います。コロナ禍でこれまでと同じような距離感でいられなかったり、できないことも増えましたが、それでもこんなに挑戦的なドラマを信頼できるキャスト、スタッフさんたちとみんなで作ることができて今はとても充実感があります。リアルタイムで盛り上がってくれたらもちろんうれしいし、放送後に「あの作品画期的だったよね」と評価される場合もある。今は視聴者の皆さんの反応がダイレクトに届きますが、いい反応も悪い反応もいろんな意見に左右されずに最後までやり抜きたいなと思っています。
笠松:今はコロナ禍で本当に大変な思いをしている方がたくさんいます。コロナに罹ってしまった方、コロナ禍によって働けなくなってしまった方、コロナ禍によって楽しみにしていたことがなくなってしまった方……想像もできないほどの思いをしている方がたくさんいる中で、僕らはこうしてお芝居をさせてもらっている。こんな状況だからこそ、少しでもポップに生きてほしいし、僕たちの作品を観て、少しでも楽しんでもらうきっかけになってもらえればと思っています。あれができない、これができない、いろんな制限がある中で、それでもできることを皆さんには見つけてほしいし、自分たちもできることをやっていきたい。重くならずにこんなときだからこそ、いい意味で気楽に本作を楽しんでもらえたら。
ーー最後に今後の見どころについて教えていただけますか。
笠松:じゃあ僕から。等々力はここから全力で小笠原来美を落としにいくので、ここから鬼の三角関係始まります。キスシーンがあるとかないとか(!?)乞うご期待です。
竹内:三角関係じゃないんじゃない? “四角関係”じゃない?
笠松:それを言っちゃう?
竹内:(笑)。ラブストーリーというよりは極限状態の中で彼らがどんな心理状況になっているのかを観ていただければと思います。それぞれのキャラクターが生きるための目的をひとりひとり見つけていきます。そこに恋愛という要素も出てくると。あとは、ここまでずっと響が一直線に突き進んでいた目的が最後までぶれずに保たれるのかっていうところがすごく面白くて。やっぱり、あんな極限状態の毎日を過ごしていると普通の精神状態ではなくなるじゃないですか。その迷いや、戸惑いは視聴者の皆さんにも伝わるんじゃないかと思います。是非、いろんなキャラクターに感情移入しながら楽しんでいただけたらうれしいです。
■放送情報
『君と世界が終わる日に』
Season1(全10話):日本テレビ系にて毎週日曜22:30〜放送
Season2(全6話):Huluにて、3月配信開始
出演:竹内涼真、中条あやみ、笠松将、飯豊まりえ、大谷亮平、笹野高史、マキタスポーツ、安藤玉恵、横溝菜帆、鈴之助、キム・ジェヒョン、滝藤賢一
脚本:池田奈津子
音楽:Slavomir Kowalewski A-bee
主題歌:菅田将暉「星を仰ぐ」(Sony Music Labels Inc.)
制作:福士睦、長澤一史
チーフプロデューサー:加藤正俊、茶ノ前香
プロデューサー:鈴木亜希乃、鬼頭直孝、伊藤裕史
協力プロデューサー:白石香織
演出:菅原伸太郎、中茎強、久保田充
制作協力:日テレアックスオン
製作著作:日本テレビ、HJ Holdings,Inc.
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/kimiseka/
公式Twitter:@kimiseka_ntv
公式Instagram:@kimiseka_ntv
▼竹内涼真×笠松将 チェキプレゼント▼
竹内涼真×笠松将のサイン入りチェキを2名様にプレゼント。応募要項は以下のとおり。
【応募方法】
リアルサウンド映画部の公式Twitterをフォロー&該当ツイートをRT、もしくはリアルサウンドの公式Instagramをフォロー&該当投稿をいいねしていただいた方の中からプレゼントいたします。当選者の方には、リアルサウンド映画部の公式Twitterアカウント、もしくは公式InstagramアカウントよりDMをお送りさせていただきます。
※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※複数のお申し込みが発覚した場合、ご応募は無効とさせていただく場合がございます。
<リアルサウンド映画部 公式Twitter>
https://twitter.com/realsound_m
<リアルサウンド 公式Instagram>
https://www.instagram.com/realsoundjp/
<応募締切>
2月28日(日)