Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > King & Princeのリアルが浮き彫りに “無限の可能性”に目を向けるドキュメンタリー第1回を見て

King & Princeのリアルが浮き彫りに “無限の可能性”に目を向けるドキュメンタリー第1回を見て

音楽

ニュース

リアルサウンド

 今年5月に発売されたデビューシングル『シンデレラガール』が2010年代に発売されたデビューシングルの初週売上最高記録を叩き出し、一躍脚光を浴びたKing & Prince。今年1月のデビュー発表から現在に至るまで8カ月間の彼らの姿に密着したドキュメンタリーが、10月5日深夜からスタートしたフジテレビ系列『連続ドキュメンタリー RIDE ON TIME ~時が奏でるリアルストーリー~』ではじまった。

(関連:King & Prince「Memorial」は結婚式の定番ソングに? 「シンデレラガール」“続編”的楽曲を聞く

 エンターテインメントのバックステージを描くというテーマのもと、各月ごとに異なった題材を描いていくこの『RIDE ON TIME』。その記念すべき第1回を飾るKing & Princeは、ジャニーズWEST以来4年ぶりにメジャーデビューを果たしたジャニーズグループとして、2018年のエンタメシーンを牽引してきた6人組だ。

 平野紫耀は4月期のTBS系ドラマ『花のち晴れ~花男Next Season~』をはじめ『honey』や『ういらぶ。』など主演映画が相次ぎ、リーダーの岸優太は12月公開の『ニセコイ』に出演。永瀬廉と神宮寺勇太は2019年公開予定の映画『うちの執事が言うことには』に、また髙橋海人と岩橋玄樹、神宮寺の3人は日テレ系「シンドラ」枠のドラマ『部活、好きじゃなきゃダメですか?』が10月22日からスタートするなど、俳優としても急成長を続けている彼ら。10月10日にははやくも2ndシングル『Memorial』が発売されるなど、その勢いはとどまることを知らない。

 この番組では、そんな彼らの「アイドル」として、というより、ひとりの「人間」としての側面を描き出していく。これまでジャニーズグループのドキュメンタリー番組というのは、あるひとつの活動に向けた「~まで」というタイプの密着が主流だったが、今回は「~から」というベクトルで、無限に広がる可能性へと目を向ける。まだ答えのないKing & Princeというグループの内面にひそんでいるリアルをさらけ出す作品であるといえよう。

 5日に放送された「#1 知られざる想い」の中心となったのは、平野だ。初めての大仕事であった『花のち晴れ』の撮影に疲労困憊の様子を浮かべながら「5割寝ることで、もう5割は名古屋に行きたい」と本音を明かす平野。普段バラエティ番組などで見せる天然なキャラクターとは異なり、真摯な想いを真面目な表情で、きちんと頭の中で整理しながら語って行く彼の姿は非常に新鮮に映る。

 キンプリが“王道”のアイドルと言われることに「そんなことはございませんよ」と笑いながら、自分自身のことについては「歌ったり踊ったりは好きだけど、それだけじゃダメ」「アイドルに向いていない」と厳しい評価を下すストイックさ。そして一度はジャニーズを辞めようと思っていたことを告白しつつ、憧れの対象たる“アイドル”という存在を「仕事」として割り切り、「親に悲しい思いをさせないようにちゃんと仕事をしなきゃ」と、その責任の大きさを噛みしめる。まるで、どこにでもいる普通の21歳の青年の姿そのものだ。

 また一方で、メンバー最年少の髙橋が漫画家としての活動を歩み始めたことも描かれた。もともと「Mr.KING」と「Prince」のふたつのグループだった彼らが、6人でひとつのグループとして活動していくためには、全体のバランス感を超えた強力な結束と、その結束を強めるために「自分にしかできない何か」という強固な個性を持ち合わせていることが欠かせない。一人ひとりが持つ独立した個性を掛け合わせて、グループを最高レベルに運ぶ。その点では極めて現代的な集合体であるようにも感じるが、これまで成功してきたジャニーズのグループはみんなそうであったと、改めて気付かされる。その点では、やはり彼らは“王道”のジャニーズグループなのかもしれない。

 SMAPやタッキー&翼の解散など、ここ数年で大きな変化が相次ぐジャニーズ事務所。その中で大きな重圧を背負いながら次世代を担う彼らの姿からは「アイドル」というもの、そして何より「ジャニーズ」自体を再定義しようという気概さえも感じられる。これから1カ月続いていくこの番組で、彼らの人間としてのリアルな魅力が浮き彫りになっていくことは間違いないだろう。(久保田和馬)