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『レッドアイズ』亀梨和也らKSBCの結束高まる! “青いコートの男”の正体も明らかに?

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リアルサウンド

 「息子は大事にせえよ」「取り返しのつかんもんもある」。第2話で、山崎(木村祐一)が湊川(シシド・カフカ)に言った言葉だ。過去の真実が明らかになったところで、許し許されるのはそう簡単なことではない。けれど命は永遠ではないし、明日が来るのは当たり前のことではない。互いの命があるうちに、気持ちを言葉にして伝える、別れに後悔を残さない、それがいかに大切であるかを私たちは知っている。いずれも『レッドアイズ 監視捜査班』(日本テレビ系)が、悲しみとともに教えてくれたことだ。

 息子・克己(塩野瑛久)とその愛する者、新しい命を、山崎は守り抜いた。家族のためならどんなことでもする、それはまさに「父親にふさわしい」姿ではなかっただろうか。きっと、取り返しはつく。「行くぞ、じいちゃん」。そうハッパをかけた伏見(亀梨和也)はとことんついていきたくなる男だ。

 監視カメラの映像、優希(富手麻妙)に関する資料……何かに気付いた瞬間の伏見を、どんな言葉で表現するのが的確だろうか。目を見開く、顔をしかめるといった芝居らしい、分かりやすい動きをするわけではない。にも関わらず、観る者に“ひっかかり”を与えている。こうした台詞のないシーンの数々により、視聴者は物語へと没入する。本作を通し、亀梨和也の役者としての魅力に改めて気付かされる。

 第4話前半では、KSBC捜査官の働きが周囲に認められつつあることが感じられた。捜査一課の長久手(川瀬陽太)は、伏見らを「覗き屋」ではなく「KSBC」と呼び、蠣崎(忍成修吾)について「何かあったら教えてやる」という。また、防犯カメラに二度映った男に伏見が目を留め、クローズアップするシーンから、現場に向かい、確保に至るまで、情報分析官と特別捜査官が連携する。

 最新鋭の機器と頭脳、そして身体能力。これらがカチッとはまったとき、KSBCはその真価を発揮する。このメンバーが集められた意味を実感した数分間だった。確保した男の正体と、事件の背景に潜む半グレ集団の存在が明らかになるまでは。

 夫・信嗣(笠原秀幸)の葬儀も終えないまま、島原は早々に現場復帰。ショッキングな喪失体験のあとだからこそ、何かに打ち込まずにはいられないのかもしれない。そうして向き合う「仕事」が、義母の言う「刑事なんか」。辛いがそれが、島原の現実だ。

 神流川兄弟の兄・一馬(今井朋彦)と、許可なく交渉を行った山崎に対し「やっぱりあなたたちは」と、その先の言葉を口走りそうになる島原。山崎は見透かしていたかのように「そうや、元犯罪者や」と言う。自分に、あえてその烙印を押しているようにも感じられた。罪を償い、法が許しても、過去はなかったことにはならない。家族を巻き込み、傷つけ、苦しめ続けた自分を許せずにいるのは、他ならぬ山崎自身なのだろう。

 倒れた島原に代わり、この難しい局面で指揮をとるのは長篠(趣里)だ。伏見は、山崎の作戦を決行したいと申し出、山崎もそれを懇願する。そこにいたのは、ただのひとりの父親だった。息子と、その愛する人を助けるためならば、我が身をも差し出す覚悟の父親。長篠は伏見を、山崎を信じた。当初、特別捜査官らにもっとも警戒心を抱いていたといえる長篠がこの決断を下したこと、その意味のなんと大きいことか。長篠は情報分析官、そして小牧(松村北斗)に的確な指示を出し、二人をバックアップ。湊川も現場に駆け付ける。KSBCが、チームとして回り始めた。

 そう思った矢先の、神流川への奇襲。人質確保こそ無事に完遂したものの、やはり天才たちは一筋縄ではいかない。

「報告してください」「見たまんまや」「見えてません」

 事件解決後の、山崎と長篠のやりとりに思わず吹き出した。長篠の指示を聞き、優秀なはたらきを見せていた小牧も、こっそり伏見らの作戦に加担していた。華麗なる奇襲を、らんらんと目を輝かせて見守り「大成功~!」とはしゃぐ無邪気な小牧と、呆気にとられた長篠の冷たい目。この温度差にもまた、ふっと笑ってしまった。

 そしてなんといっても今回「青いコートの男」の正体が明らかになったわけだが……カウンセリングを義務付けられた島原は「青いコートの男」こと心理カウンセラー・鳥羽和樹(高嶋政伸)の元を訪ねることになる。これが図られた接触であろうことは、多くの視聴者が感じたはずだ。さらに留置場では、伏見と蠣崎が再び接触。果たして美保(小野ゆり子)の事件につながる糸口は見つかるのだろうか。次週は、長篠の過去が明らかに。不穏な気配が少しずつ、KSBCに近づいているのを感じる。

※高橋ひかるの「高」はハシゴダカが正式表記

■新 亜希子
アラサー&未経験でライターに転身した元医療従事者。音楽・映画メディアを中心に、インタビュー記事・コラムを執筆。Twitter

■放送情報
『レッドアイズ 監視捜査班』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00〜22:54放送
出演:⻲梨和也、松下奈緒、趣里、シシド・カフカ、松村北斗(SixTONES)、高橋ひかる、木村祐一
脚本:酒井雅秋、福田哲平、まなべゆきこ
音楽:カワイヒデヒロ
チーフプロデューサー:池田健司
プロデューサー:尾上貴洋、茂山佳則(AX-ON)
演出:水野格、長沼誠ほか
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/redeyes/
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