香取慎吾が持つ「誰かを喜ばせたい」という思いに触れてーー渡辺直美との初MC特番で見せた、2人のポジティブな姿勢
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香取慎吾が2月14日、渡辺直美と共にスペシャル番組『ニッポンのレジェンド発掘SP さいしょの人はスゴかった!!』(日本テレビ系)に出演し、2人では初のMCを務めた。
この番組は、今ではすっかり“当たり前”となっているものを「はじめて◯◯したレジェンド」として注目。その偉業を讃えながら、彼らが見せた生き様から学びを得ていく知的エンターテインメントだ。
オンエア前に、香取はInstagramに渡辺との2ショット写真を投稿。そこには「久々のMCだし、知ってるスタッフの人ゼロだし、ドキドキ、ドッキリかも?!とか思いながら、直美がいてくれて良かったぁ~って楽しみました!」とのコメントも。
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香取本人が「ドッキリかも!?」と思うほど、久しぶりになっていた地上波テレビでのMC。知っているスタッフが誰もいないというのは、それだけ離れていたことを実感する言葉だ。「はじめまして」のスタッフたちを前に「久々に香取慎吾をテレビでMCさせた人たち」と笑って場を温める姿に、さすが“みんなの慎吾ちゃん”と言いたくなる出だしとなった。
香取と渡辺は、2008年から2014年の最終回まで『笑っていいとも!』(フジテレビ系)で共演した仲。以前、渡辺が『7.2 新しい別の窓』(ABEMA)にゲスト出演した際、香取の計らいに感謝していたのを思い出す。曜日レギュラー陣となる前、渡辺には“いいとも少女隊”としてのアシスタント期間があった。
“いいとも少女隊”は、企画で使用するアイテムなどを運び、番組がスムーズに進行するのをサポートするのが仕事で、あまりスポットライトが当たらない役回り。そんな渡辺に、香取は罰ゲームを説明するとき、いつも「飲むとこうなりまーす」とセンブリ茶をわたし、「うわー、ニガーい!」というリアクションを渡辺が取る流れがお約束に。そのやりとりで「ピンスポを当ててくれた」「すごく嬉しかった」と話していたのを思い出す。
今回、顔見知りゼロの現場である香取に対して、渡辺は知り合いのスタッフがいるという状況だった。かつての恩返しと言わんばかりに、香取を盛り上げたいという気持ちが強かったのではないだろうか。
そんなお互いに手を差し伸べ合う仲の2人がMCを務めた番組は、日曜の午後にぴったりなハートウォーミングな空気となった。はじめて日本にキリンを迎え入れた際に、港から上野動物園まで大八車で運ばなければならなかったというエピソードのVTRを見ながら、2人は「えー!」「バレバレだよ!」と騒ぎながらツッコミを入れていく。
さらに、「プリクラ」こと「プリント倶楽部」の生みの親がリモートで登場すると、まさかの香取がブームの火付け役だったことが判明。1991年から1996年まで放送していたバラエティ番組『愛ラブSMAP!』(テレビ東京系)で香取がプリクラを紹介すると、瞬く間に話題に。ゲームセンターの片隅に置いていただけのプリクラは、1000億円超の経済効果を生み出したというのだ。
“その売上は生みの親に入るのか?”という素朴な疑問を渡辺が問いかけると、「年4回のボーナス+ピンドン(ピンクのドンペリ)」という変化球の返答が。当時18歳の香取の頑張り、そして女子中高生を中心とした若者のお小遣いが、ピンドンになっていたという少々リアルなトークも、自然体な2人がいるからこそ清々しい笑いになる。
もちろん、「はじめて」の偉業を達成するには数々の苦労も伴う。番組でも、なかなか理解してくれる人が見つからなかったり、職を追われたり、私財を投げうって奮闘したり、とレジェンドたちが立ち向かった困難も紹介されていた。
しかし、そんな苦労をしてでも「珍しい動物が見られる豊かな国にしたい」「文章じゃなく写真で感動を共有できるようにしたい」「目の不自由な友人が自由に外を歩けるような社会にしたい」「命を助けてくれた恩人に感謝の気持ちを形にしたい」……と、それぞれの生みの親には叶えたい思いがあったのだ。強い信念が真っ直ぐに伝わる番組となったのは、香取と渡辺の2人に共通した、素直に「スゴい」と感動し、ポジティブな視点で物事を発信していく姿勢があったから。
番組中には披露されなかったが、収録後の囲み取材では「自分が「さいしょの人」だろうと思うことは?」という質問に、「アイドルが本格的にバラエティをやったのは、僕らが最初じゃないかな」(香取)、「私はアパレルブランド(『PUNYUS』)も立ち上げて、芸人として初めてファッション系の仕事をしたのは自分じゃないかなと」(渡辺)と話していた(香取慎吾と渡辺直美、互いをリスペクトする関係性 MC務める『ニッポンのレジェンド発掘SP』収録後、リモートで2人に直撃)。
香取と渡辺もレジェンドたちと同様に、どんなに苦労をしてでも「誰かを喜ばせたい」という思いを持つ人なのだろう。改めて、どんなものにも「はじめて」の人がいることを知った2人は、「もっと知りたい」と盛り上がった。知的好奇心が満たされ、自分もまた何かをはじめられるのではないかと背中を押してくれた同番組。「また機会があればぜひお会いしましょう」と締めくくった香取の言葉が、近い将来実現することを願っている。