『ゴルゴ13』『鬼平犯科帳』『美味しんぼ』……「町中華」で読みたいシブい漫画は?
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人々に愛され続ける町の中華料理店。最近は「町中華」を巡るテレビ番組も放送され、その魅力が再認識されているようだ。そんな町中華での楽しみの1つに、店に置かれたシブい漫画がある。「料理が出るまで」と手にとって読んでいるうちに、食べるのを忘れるほど夢中になってしまったという方も少なくないのでは。本記事では町中華によく置かれている作品で、人々がついその魅力にハマってしまう作品に迫ってみたい。
ゴルゴ13
町中華漫画の定番作品とも称される作品が、さいとう・たかを原作の『ゴルゴ13』だ。1968年から『ビックコミック』に連載される長寿作品で、主人公のスナイパー・デューク東郷が依頼を受け、相手を狙撃するストーリーだ。
その内容は数多い漫画の中でもかなり刺激的で、読んでいるうちに時間を忘れて引き込まれていく。また、現実の世界情勢を反映しているため、「勉強にもなる」という声もある。
美味しい中華料理は、作る時間もそれだけ長くなるもの。時間を忘れて熱中できるうえに人生の学びにもなる『ゴルゴ13』が町中華で愛されているのは、当然なのかもしれない。
鬼平犯科帳
『ゴルゴ13』のさいとう・たかをが描く時代劇、『鬼平犯科帳』も町中華では定番の漫画である。原作は池波正太郎の小説で、久保田千太郎が脚色したこの作品は、主人公の火付盗賊改方長官・長谷川平蔵が悪党を悪戦苦闘しながら、捕まえる捕物帳。中村吉右衛門主演で、テレビドラマとして放送されていたことでも有名だ。
様々なタイプの罪人を長谷川平蔵が捕まえていくという単純明快なストーリーだが、罪人もあの手この手を尽くし悪行を重ね、それを追い詰めていく様子が作品の大きな醍醐味といわれる。『ゴルゴ13』と『鬼平犯科帳』は町中華に置かれていることがなぜか多いようで、町中華漫画の王道といえそうだ。
こちら葛飾区亀有公園前派出所
主人公の両津勘吉と、中川圭一や秋本麗子など個性的な登場人物が「笑い・感動・ハチャメチャ」な活動を繰り広げていくのが、秋本治の『こちら葛飾区亀有公園前派出所』だ。
『こちら葛飾区亀有公園前派出所』は1976年の『週刊少年ジャンプ』に初掲載されると、2016年まで休載なく連載された。人気作品が突然打ち切りになることも多い「ジャンプ」のなかで長期間連載された事実は、作品が多くの人に愛されていたことを裏付けている。
町中華でも『こちら葛飾区亀有公園前派出所』は人気で、置いている店は多い。単行本は1話完結方式で、「笑い・感動・ハチャメチャ」をテンポよく楽しむことができるため、料理が出てくる間の暇つぶしにピッタリ。また、長い期間連載されていたこともあり、時代ごとの日本社会の様子が反映されているため、町中華屋の哀愁とともに「当時の様子」を懐かしむこともできるのだ。
美味しんぼ
食事を美味しく食べる方法は色々あるが、最も単純かつ大きな要素に「腹を減らすこと」がある。腹が減れば減るほど、料理は美味しくなるもので、それは町中華も例外ではない。
『美味しんぼ』は、言わざると知れた料理漫画の草分け的存在で、見ているだけで腹が減る「飯テロ」漫画。注文を待つまで読むと、十分に腹を減らすことができるだろう。
また、高級料理だけではなく、庶民的な料理も登場するため、万人が楽しめる内容となっている。チャーハンなど、基本的な中華料理も登場し、その作り方や美味しく食べるコツなどが解説されているため、注文した料理をもっと美味しく食べるヒントになるかもしれない。
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」同様、『美味しんぼ』の単行本は1話完結形式で数本掲載され、テンポ良く作品を楽しむことができる。『美味しんぼ』で十分腹をすかせて、料理を楽しむのも悪くないだろう。ただし山岡士郎のように「これは出来損ないだ」と料理屋に申し出るのは、自重したほうがいいかもしれない。
町中華と漫画は黄金コンビ
町中華に置かれている漫画は、出てくる料理を待つ時間を潰すだけではなく、美味しく食べる効果も期待できる。黄金コンビといえるのではないだろうか。