長瀬智也×戸田恵梨香×永山絢斗の三角関係発生? 『俺の家の話』第5話は大きな転機に
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芸養子として育てられてきた寿限無(桐谷健太)が、実は寿三郎(西田敏行)の隠し子であったことが明らかになった前回の第4話。2月19日放送の『俺の家の話』(TBS系)第5話では、そんな寿限無の遅すぎる反抗期から、寿一(長瀬智也)とさくら(戸田恵梨香)と踊介(永山絢斗)の思いがけない三角関係の到来、そして寿三郎の過去の女性関係に至るまで、ドラマ全体に大きな転機を与えることになるであろうさまざまな波乱の要素が乱立するエピソードとなった。
朝食の席で寿一は、寿三郎がエンディングノートに書いて消していた「家族旅行」に行くことを提案する。子供の頃に一度だけ行ったハワイ旅行で撮った写真と同じメンバーで、再び笑顔の写真を撮りたいと考える寿一だったが、寿限無は例の一件以降稽古を除いては部屋に篭りきりに。なんとか説得を試みようとする寿一は、寿限無を無理矢理プロレスのジムへと連れて行き、リングの上で兄弟喧嘩を決行。すると寿限無は、自分が二十八世宗家を継ぐことを宣言するのだ。一方、スーパー世阿弥マシンの正体が寿一であることを確信したさくらは、寿限無を連れ出した寿一の後を追いジムにやってくる。そして寿一に「好き」と告げるのである。
能の要素が強かった前回のエピソードとは打って変わり、そしてまたプロレスの要素も少なめにまとめられた今回フォーカスが当てられていくのは、“家族旅行”というひとつの目標に向かう家族全員の群像。舞(江口のりこ)と大州(道枝駿佑)の親子関係もしかり、それぞれ見事にバラバラの思惑を抱えた家族たちが総出でひとつのバンに乗り込んで旅行に向かうさまは、さながら『リトル・ミス・サンシャイン』のよう。そこに“介護”という重厚なテーマが加わることで、古典的な家族ドラマのスタイルをより現代的にブラッシュアップしているとみえる。
それにしてもこの第5話というドラマのほぼ中間のタイミングで、複雑な家族関係の中に恋愛的な要素を挟み込んでくるというのはドラマのスパイスとして正解だろう。前回ごろから突発的にさくらのことを意識し始めるようになった踊介は、旅行でさくらに告白をすると寿一に宣言するのだが、直前でさくらが行かないことがわかると駄々をこねる。寿限無の反抗期につづいて、こちらも思春期男子みたいな行動に出るというシンクロが、この家族の“面倒臭さ”を助長させる。また踊介→さくら→寿一の構図が完成すると同時に、すでにこのトライアングルから事実上離脱している寿三郎は、過去の女性関係が次々と掘り起こされていくという、これもなかなか対比が効いている。
「行かねえで後悔するより、行って後悔するのが観山家ですから」という寿一の言葉によって、波乱だらけのまま始まった家族旅行。これはこのドラマの終盤戦に向かうひとつの架け橋となるに違いない。考えてみれば、さくらの正体や寿一のプロレス界への出戻り、寿限無が隠し子であると判明するくだりなど、終盤に訪れておかしくないような展開がぎゅうぎゅうに詰め込まれていた前半戦。後半戦ではこれ以上の捻りが効いた展開が待ち受けているのだろうか。
■久保田和馬
1989年生まれ。映画ライター/評論・研究。好きな映画監督はアラン・レネ、ロベール・ブレッソンなど。Twitter
■放送情報
金曜ドラマ『俺の家の話』
TBS系にて、毎週金曜22:00〜22:54放送
出演:長瀬智也、戸田恵梨香、永山絢斗、江口のりこ、井之脇海、道枝駿佑(なにわ男子/関西ジャニーズJr.)、羽村仁成(ジャニーズJr.)、荒川良々、三宅弘城、平岩紙、秋山竜次、桐谷健太、西田敏行
脚本:宮藤官九郎
演出:金子文紀、山室大輔、福田亮介
チーフプロデューサー:磯山晶
プロデューサー:勝野逸未、佐藤敦司
編成:松本友香、高市廉
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS