松村北斗×趣里の“ながこま”コンビの絆も再認 『レッドアイズ』さらに増える物語の謎
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『レッドアイズ 監視捜査班』(日本テレビ系)に登場する凶悪犯は皆、行き場のない「復讐」という熱を燃やし、他者の命を奪うに至った。しかしその正体は、ごく普通に生き、幸せになるはずだった人々だ。蠣崎(忍成修吾)は、巻き添えにより恋人を亡くしたときから、長篠晋平(橋本淳)は、妹を守るべく咄嗟に犯人を殴ったときから、人生が大きく変わってしまった。
ほんの少し、何かが違っていれば。長篠(趣里)が、最期だと思って伝えた晋平への本当の気持ちを、もっと早く言葉にできていたら。長久手(川瀬陽太)が、もっと早く謝罪できていれば。そもそも、長篠が誘拐に巻き込まれることがなければ。あの日、喧嘩をしなければ。どこまで時間を巻き戻せば、悲しい事件は起こることなく、血も、涙も、流れることはなかったのだろう。『レッドアイズ 監視捜査班』を観るたびに、頭にいくつもの“if”がよぎる。
伏見(亀梨和也)もそうだ。もし、美保(小野ゆり子)を何者かに殺害されることがなければ。蠣崎の言うように、今ごろは3人家族として、幸せに暮らしていたはずだ。伏見の“if”、その先に、悲しい事件は起きてほしくないと願う。伏見はまだ、間に合う。そう信じながらも、蠣崎と対峙する伏見の、瞬きもしない鋭い眼が、頭を離れない。
第5話では、立て続けに爆発事案が発生。すぐさま周辺の監視カメラに繋ぎ、映像を確認する長篠だが、その表情はこわばっている。いつものテキパキとした様子がなく、返答もどこか、歯切れが悪い。隣で作業をしている小牧(松村北斗)は、すぐにその異変に気付く。同じく、長篠の様子がおかしいことに気付いた伏見。小牧に依頼し、彼女のパソコンから抜き取った履歴を確認する。そこで、長篠が監視カメラの数を偽って報告していたこと、監視カメラ映像の隠ぺいを行っていたことが発覚する。
湊川(シシド・カフカ)もまた、伏見の指示を受け長篠の更衣ロッカーを確認、バッグに不審物を発見した。その隙をつき、長篠は本案件の次の被害者になるかもしれない捜査一課・長久手に接触を図る。長篠が犯人かもしれない、それを否定できない状況証拠が次々と揃う。そのたびに、小牧の顔が不安そうに、悲しげに曇ってゆく。
しかし、真犯人は長篠の兄であり、たったひとりの家族・晋平であると判明する。長篠は咄嗟に晋平を庇い、一方で長久手に被害が及ぶことを食い止めようと、単独で行動に出たのだった。晋平が今回の事件を引き起こすに至った経緯、長久手も関わった過去は、あまりにも理不尽なものだった。長篠は、自身の辛く恐ろしい過去を乗り越え、兄のような被害者を出すまいと、高い志を持って警察官になった。しかし、皮肉にもそのことが、晋平との溝を決定的に深いものにしてしまった。
今回の捜査から外れることになった長篠のもとに、晋平から着信が入る。戸惑い、機敏に反応することのできない長篠を、そっとサポートする小牧の姿が印象的だった。KSBCに加入した当初は、悪気はないが遠慮もない小牧の態度や、地道な捜査を馬鹿にするような発言が、勤勉な長篠を苛立たせることもあった。けれど漆川(般若)の一件における長篠の活躍
そして湊川誘拐事件での捜査を機に、仕事に対する小牧の姿勢は変わった。我々が想像していた以上に天才は、隣り合う秀才に信頼を寄せ、大切な仲間だと感じていたようだ。終始そのことを、小牧の表情から感じた回だった。
「11年前の事件の復讐をなぜ今」。ずっと抱いていた違和感を、伏見と山崎(木村祐一)も口にした。また、蠣崎が「先生」と呼んでいたらしい存在と、晋平の間にも繋がりがあったようだ。冒頭で伏見が話していたように、やはり元伏見探偵事務所のメンバーがKSBCに来てからというもの、何かがおかしい。小牧がメールの発信元を特定し、伏見が向かった先には、晋平の逃走を助けるかのごとく伏見らの前に立ちはだかった屈強な男・真弓(TAK∴)がいた。
物語も中盤に差し掛かってきたが、まだ相関図の整理がつかないのが正直なところだ。右手に傷を持つ「青いコートの男」、すなわち美保を殺害した男が鳥羽(高嶋政伸)であることは、間違いないのだろうか? 『レッドアイズ 監視捜査班』公式ホームページの相関図でも、未だ「青いコートの男」が謎に包まれているのが気にかかる。次回のターゲットは小牧。相変わらず、気を抜けば振り落とされそうなスピード感で物語は進む。来週も、目が離せない。
※高橋ひかるの「高」はハシゴダカが正式表記
■新 亜希子
アラサー&未経験でライターに転身した元医療従事者。音楽・映画メディアを中心に、インタビュー記事・コラムを執筆。Twitter
■放送情報
『レッドアイズ 監視捜査班』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00〜22:54放送
出演:⻲梨和也、松下奈緒、趣里、シシド・カフカ、松村北斗(SixTONES)、高橋ひかる、木村祐一
脚本:酒井雅秋、福田哲平、まなべゆきこ
音楽:カワイヒデヒロ
チーフプロデューサー:池田健司
プロデューサー:尾上貴洋、茂山佳則(AX-ON)
演出:水野格、長沼誠ほか
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
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