小芝風花×加藤清史郎に恋の予感も? 『モコミ』明らかになった清水家が抱える“闇”
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土曜ナイトドラマ『モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~』(テレビ朝日系)第4話では、主人公の清水萌子美(小芝風花)のほのかな初恋が動き始める心温まるシーンと、その反面清水家が抱える“闇”が次々に露呈した。
まずは前者のお話から。お相手は、まだ作中では名前も明かされていない岸田佑矢(加藤清史郎)で、どうやら俳優を目指しながらフードデリバリーのバイトをしているようだ。彼のイヤホンを萌子美が拾い、ようやく手渡せたのをきっかけに親しくなる。
「イヤホンが(持ち主の元に)戻りたがっていた」と口をついて出た萌子美の言葉にも「そうだよね。寂しがってたもんね」と自然なことのように受け入れる。公園で萌子美が「水仙と話していた」と告げてもすんなり受け止めてくれる彼に、萌子美の顔に穏やかな笑顔が広がった。この2人が育んでいく恋模様に次週以降も注目だ。
一方、清水家の状況は穏やかでない。母親の千華子(富田靖子)と祖父の須田観(橋爪功)が不仲な理由が観の過去の不倫にあることがわかり、さらに父親の伸寛(田辺誠一)の中で千華子への溜まりに溜まった鬱憤が遂に大爆発。「出会った頃は素直に俺の言うこと聞いてたのに」「バカにするのもいい加減にしろよ。ずっと言う通りにしてやってきたじゃないか」と、何とも言えない夫婦内、家庭内の“主従関係”のようなものが浮き彫りになった。田辺誠一の魅力である優しげな笑顔が、本作では本音を隠した悲しげな哀愁漂うものになっているが、今後この熟年夫婦の歩み寄りの中であの優しい笑顔や眼差しが向けられることを願うばかりだ。
田辺に関してはNHK大河ドラマ『青天を衝け』で、大河常連組らしく主人公・渋沢栄一の従兄弟の尾高惇忠役を好演し、そこでの生き生きとした若々しい姿と、本作で「枯れていくしかない」と話す父親役とのギャップも見事である。
また、もしかすると清水家内で最も根深いかもしれない“闇”が心に巣食っているのはなんと兄の俊祐(工藤阿須加)であることも明かされる。家庭内にある見えない“主従関係”のしあわ寄せ、歪みを一番に受けているのが彼なのかもしれない。SNSの裏垢で日々の愚痴を書き連ね、なんとか自分を保っている様子。仕事面でも、フラワーアレンジメントの定期購入を希望のドーナツ屋に自分のアレンジメントを持って行くと店長に「前のようなものにしてほしい」と、あくまで萌子美のアレンジを気に入り定期購入をお願いしたのだという薄々気づいてはいた事実をまざまざと突きつけられる。
涼音ら花屋のスタッフに「萌子美ちゃんの世界観が詰まってるから手直しするところはない」とどんどん認められていく妹の様子に、内心素直には喜べていないようだ。これまでは“自分がいないと、自分が守ってあげないといけない”存在だった妹が、自分一人で外部の世界と交流していく姿は、自分にしか担えないと思っていた役割を奪われたかのようで、自身が不要だと言われたようで拠り所をひとつ失ってしまい寂しいのかもしれない。
次週も、萌子美と佑矢が距離を縮め彼女がどんどん新しい世界に羽ばたいていく一方、清水家の問題や呪縛がどう解かれていくのか、予告で流れた萌子美の涙も相まって気になるところだ。
■佳香(かこ)
元出版社勤務。現在都内OL時々ライター業。三度の飯より映画・ドラマが好きで劇場鑑賞映画本数は年間約100本。Twitter
■放送情報
『モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:00~23:30放送
出演:小芝風花、加藤清史郎、工藤阿須加、田辺誠一、富田靖子、橋爪功、水沢エレナ、内藤理沙ほか
脚本:橋部敦子
演出:竹園元(テレビ朝日)、常廣丈太(テレビ朝日)、鎌田敏明
音楽プロデュース:S.E.N.S. Company
音楽:森英治
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
プロデューサー:竹園元、中込卓也(テレビ朝日)、布施等(MMJ)
制作著作:テレビ朝日
制作協力:メディアミックス・ジャパン(MMJ)
企画協力:オスカープロモーション
(c)テレビ朝日