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GENERATIONS 数原龍友、力強さと美しさ兼ね備えたボーカル 明るい性格で後輩からも慕われる“Jr.EXILEの兄貴”

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リアルサウンド

 ボーカルの片寄涼太、数原龍友、パフォーマーの白濱亜嵐、関口メンディー、小森隼、佐野玲於、中務裕太からなる7人組ダンス&ボーカルグループ、GENERATIONS from EXILE TRIBE。王道J-POPから最先端のダンスミュージックまで、幅広い音楽性で多くのファンを魅了している彼らは、俳優やバラエティタレントとしても精力的に活動しており、Jr.EXILEの中で特にお茶の間に浸透しているグループと言えるだろう。2月10日にリリースした最新シングル『雨のち晴れ』も、土曜ナイトドラマ『モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~』(テレビ朝日系)の主題歌として放送中。始動から10周年を迎える2021年も、7人のさらなる活躍が期待される。そこで本連載では、個性豊かなGENERATIONSのメンバーを1人ずつフィーチャー。第2回はボーカルの数原龍友について紹介していく。

 数原龍友は、12月28日生まれで兵庫県出身。子どもの頃の夢は、プロ野球選手。小学2年生から野球を始め、中学生までは、読売ジャイアンツのキャッチャー・阿部慎之助のような選手になりたいと思っていたという(1)。その一方、EXILEが大好きな親の影響で、幼い頃からEXILEの曲を聴いて育ったそうで、小学5年生の時にEXILEのライブに連れて行ってもらったのを機に、少しずつアーティスト業にも興味を持つように。「この人たちみたいにたくさんの人を笑顔にしたいし、歌って踊るグループの真ん中で歌いたいなっていう夢が芽生えたのが中学生にあがる頃くらいでした」(2)と語る。当時は野球に夢中だったため、歌手は漠然とした憧れでしかなかったそうだが、後にハイレベルな選手と出会い、自分の野球の実力を実感すると、もう一つの夢である“歌手”への道を歩み始めた。

 地元の仲間に歌が上手いと言われていたこともあり、数原には“絶対EXILEになる”という根拠のない自信と覚悟があった。しかし、独学で歌の練習を重ねても、それには限界がある。カラオケBOXが開催するシンガーコンテストに何度も挑戦する中で、ライバル達の歌唱力に圧倒されて焦りを感じた彼は、本格的に歌を学びたいと高校を中退。学費や交通費を稼ぐためにアルバイトをして、EXPG大阪校に入校した。最初は初級クラスで歌を学んでいたが、ある時、歌もダンスもできる生徒が集まる特待生クラスに入れられることに。周りの生徒との差や慣れないレッスンに苦しみながらも、必死に食らいついた日々が“ボーカリスト数原龍友”の基盤を作り上げた(3)。

 そして2010年、約3万人の応募者の中から現・三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEの今市隆二と登坂広臣を選出した『EXILE Presents VOCAL BATTLE AUDITION 2 ~夢を持った若者達へ~』に挑戦。GENERATIONSの片寄涼太と共にファイナリストまで勝ち残ったものの、惜しくも最終審査でチャンスを逃し、目の前で夢が崩れ落ちたショックから、しばらくは大好きだったはずの音楽を聴くのも嫌になったという。だが、母親の「何か歌ってよ。寂しいわ、こんな静かな家」(4)という言葉に勇気をもらい、“誰かに必要とされる存在でありたい”と、再びEXPGで歌とダンスのレッスンに励むようになった。すると、数原の一生懸命な姿がEXPGスタッフの目に留まり、2011年に上京が決まり、同年7月にはGENERATIONSの候補メンバーに抜擢される。デビューまでは『夢者修行』と題した全国行脚やメンバーチェンジといった試練もあったが、2012年11月21日、GENERATIONSはシングル『BRAVE IT OUT』でメジャーデビューを果たした。

GENERATIONS from EXILE TRIBE / BRAVE IT OUT

 2019年に初のソロ楽曲「Nostalgie」をリリースして以降、ソロアーティストとしても活動している数原は、EXILE TRIBEの中でもトップクラスの歌唱力を持つボーカリスト。初期のEXILEを連想させるワイルドなビジュアル、鍛え上げられた肉体から放たれるその歌声は、パワフルながらも、程よく肩の力を抜いた軽やかな響きが魅力だ。特にバラードでは、地声から滑らかに繋がる美しいファルセットや、豊かな表現力といった彼の強みを存分に感じられる。声優経験もあるほど、地声もイケボだと評判である。また、デビュー曲「BRAVE IT OUT」のように7人全員で踊るダンスチューンもGENERATIONSの武器の一つで、BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBEとのコラボ曲「BREAK DOWN YA WALLS」のMVでは、ハウスダンスやブレイクダンスのフロア技“ドルフィン(シャチ)”を披露する場面も。ライブではドラムを演奏しながら歌唱することもあり、かつて憧れた“パフォーマーの中心で歌うボーカリスト”の枠を越えたステージングでファンを魅了している。2015年にGENERATIONSとして発表した「I Remember」(アルバム『GENERATION EX』収録)を皮切りに作詞にも挑戦するようになり、ソロとして発表した「Nostalgie」「もう一度君と踊りたい」「タイムカプセル」は全曲とも数原が作詞を担当。GENERATIONSが届けるエンタテインメント性の高い楽曲と比べると、現在発表されているソロ曲たちは、数原の人情味あふれる人柄を投影した楽曲と言えるだろう。

GENERATIONS from EXILE TRIBE vs BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE / BREAK DOWN YA WALLS

 そんな数原のキャラクターは、本人曰く「不器用でシャイな男の中のオトコ」(5)。礼儀を重んずる「ちょっと頑固おやじっぽい」(6)部分もありながら、チャーミングな性格で、後輩達からも“Jr.EXILEの兄貴”として慕われている。さらに、ラジオ『GENETALK』( JFN系)でリスナーからのアダルトな質問に答えるなど、GENERATIONSのセクシー担当(?)としても人気沸騰中。かつては爽やか路線だったはずのGENERATIONSだが、今となっては、数原の不意打ちの下ネタ発言をメンバーがフォローする姿も“見慣れた光景”。数原のどこまでも自然体な振る舞いに導かれるように、年々、メンバーたちのキャラクターが開花している。歌への想いをまっすぐ貫きながら、GENERATIONSという7人の居場所を明るく照らし続ける数原龍友。彼の周りには、いつも最高の笑顔が輝いている。

1:https://www.tokyoheadline.com/407444/
2:https://mdpr.jp/interview/detail/1793786
3、4:https://hochi.news/articles/20200227-OHT1T50232.html
5:https://www.vivi.tv/post6860/
6:https://ananweb.jp/news/105863/

■斉藤碧
エンタメ系ライター。
ダンス&ヴォーカルグループ、アイドル、ロック、ヴィジュアル系、俳優などジャンルレスで執筆中。V系雑誌「Stuppy」では編集も担当。
Twitter(@stmdr38)