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勘九郎・七之助「再出発の気持ちでめでたく舞えたら」 『三月大歌舞伎』来月4日より上演

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『猿若江戸の初櫓』ゆかりの地、「江戸歌舞伎発祥之地」記念碑前にて、中村七之助(左) 中村勘九郎(右)

3月4日(木)より上演される歌舞伎座『三月大歌舞伎』の第1部『猿若江戸の初櫓』に、『二月大歌舞伎』に引き続き中村勘九郎と中村七之助が出演する。

『猿若江戸の初櫓』は、新年を迎えた江戸の町を舞台に猿若の機転を利かせた働きが奉行に認められ、江戸で初めて官許の櫓をあげた芝居小屋の開場を許されるまでが描かれる、江戸歌舞伎の幕開けをモチーフにした作品。歌舞伎座では1987(昭和62)年1月に江戸歌舞伎360年を記念した「猿若祭」で初演された舞踊劇だ。上演中の『二月大歌舞伎』第3部で三十三回忌追善が行われている十七世中村勘三郎の“勘三郎”の名跡の始まり、初世勘三郎ゆかりの演目で、勘九郎が猿若、七之助が出雲の阿国を勤める。

平成29年2月歌舞伎座『猿若江戸の初櫓』より、猿若=中村勘九郎 (c)松竹
平成29年2月歌舞伎座『猿若江戸の初櫓』より、出雲の阿国=中村七之助 (c)松竹

上演に際し、作品ゆかりの地「江戸歌舞伎発祥之地」記念碑を訪れたふたり。「父が子供の頃に“ここに中村座があったんだよ”、と教えてくれたのを思い出します。」と在りし日に思いを馳せた勘九郎は、「(初世勘三郎は)江戸の真ん中に(中村座を)建てるというプロデュース能力、座元としての手腕に優れていた人、祖父も父もプロデュース能力に優れていた人でした。これは不思議な“中村勘三郎”という名前に宿った魂なのかな、と思います」と語り、七之助も「ここから始まったんだ、という思いです。本来なら父がここに立って写真を撮っているはずであろうと思いますが、改めて兄弟で中村屋を背負うこと、また今月立派に勤めている勘太郎と長三郎のふたりも背負っていくんだなというプレッシャーと楽しみと、半分半分な気持ちです」と語った。

中村勘九郎

『猿若江戸の初櫓』について勘九郎は、「私たちが初舞台の時(1987年1月)に初演した踊りで、父の襲名など区切り区切りで踊らせていただきました。(中略)397年歌舞伎が続けられているというのも先人たちや歌舞伎を愛する人々の思いが詰まったパワーがあってこそ。このコロナ禍に於いて、再出発というような気持でめでたく舞えたら」と意気込みを語り、七之助も「中村屋にとって所縁のあるものを兄弟で歌舞伎座の序幕からやらせていただけるのは本当に幸せ。」と感慨深げ。「(演じる出雲の阿国は)華やかさもありつつ、途中厳かに踊るところもあって、とても緩急があります。振付も面白くて、賑やかで綺麗ですので、まだまだいろいろある時期ですが、何も考えず明るく楽しんでいただけたら」と活気あふれる舞踊劇の見どころを語った。

『三月大歌舞伎』は3月4日(木)から29日(月)まで東京・歌舞伎座にて、3部制で上演。

中村七之助

歌舞伎座『三月大歌舞伎』

演目
【第一部】11:00開演
一、『猿若江戸の初櫓』
二、『戻駕色相肩』

【第二部】14:00開演
一、『熊谷陣屋』
二、『雪暮夜入谷畦道』

【第三部】18:30開演
一、『楼門五三桐』
二、『隅田川』(Aプロ)
二、上 『雪』(Bプロ)
  下 『鐘ヶ岬』(Bプロ)

2021年3月4日(木)~2021年3月29日(月)
会場:東京・歌舞伎座

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