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竹内涼真演じる響が母と衝撃の再会 『君と世界が終わる日に』の謎を一挙考察

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 暗闇に声が反響する。伸ばした手が触れたのは記憶にあるのと同じ感触だった。『君と世界が終わる日に』(日本テレビ系)第6話で、暗闇の先にあったのは目を背けたくなるような真実だった(以下、ネタバレを含む)。

 横浜を目指して封鎖ゲートにたどり着いた響(竹内涼真)たち。そこで目にしたのはゴーレムの大群だった。ウイルスはすでに封鎖区域の外に広がっており、一行はこれ以上進むことを断念。結月(横溝菜帆)に飲ませる喘息の薬を探して、響は猿ノ島で再会した刀集団の坪井(小久保寿人)たちと横須賀駐屯地の地下に潜入する。

 『君と世界が終わる日に』には、いくつかの明かされていない「謎」がある。ウイルスはどこから来たのか? 響がトンネル事故から脱出するまでの数日間に何があったのか? なぜ響たちは自衛隊から攻撃されたのか? 響の父・拓郎(小市慢太郎)はどこで何をしているのか? それらの謎を解く鍵を握っているのが、日韓新興感染症対策機構を率いる首藤(滝藤賢一)だ。

 ゴーレムウイルスの脅威から人類を救おうとする首藤に、裏の顔があることは折に触れて示唆されてきた。Season1の折り返しに当たる第6話では、いよいよその魂胆が明かされる。謎の男・御前崎(宇野祥平)が「あの男は狂気に取りつかれている」と言うように、首藤はゴーレム化した牛込(神保悟志)に響を襲わせる。首藤は意図的にゴーレムを生み出しているようで、その方法は、直接ゴーレムに噛みつかせるか、ゴーレムウイルスを注射するかのいずれかであると思われる。

 ワクチン開発に心血を注ぐ首藤は、特別な遺伝子を持つ来美(中条あやみ)を被検体として利用する。響たちが自衛隊から発砲されたのは、来美に近づかせないためだと思っていたが、それだけでなく「近しい別の女性」から遠ざけるという目的もあった。その女性は、16年前に病死した響の母・琴子(臼田あさ美)で、機構の地下でゴーレムになって捕えられていた。

 死んだはずの母親がゴーレムになっていたという事実は、本作の時間軸を一気に過去へと伸ばす。「三浦半島で原因不明のウイルスが発生し、人々がゴーレム化した」という筋書きをそのまま信じると、16年前に逝った琴子はすでに埋葬されているだろうから、ゴーレムになることは不可能だ(本作で死体が甦るという設定は登場していないため)。死亡していたというのはフェイクで、実はウイルスに感染しており、親族には「死亡した」と偽った可能性が出てくる。

 琴子の存在は首藤の言い分に疑問を投げかける。ウイルスは16年前にすでに発生していたが、その存在は公にされず、極秘裏に研究が続けられていたのではないか? すぐに移動できない冷凍保存装置が設置されていることや、かたくなに横須賀駐屯地にこだわる様子も考慮すると、首藤は何年も前からこの地でゴーレムウイルスによる人体実験を行っており、琴子はその犠牲者だったと推測できる。ゴーレム発生の原因は、研究所からのウイルス流出という線が濃厚になってきた。

 拓郎が消えたのは、首藤の目的を知っていたためではないか? 拓郎も首藤も響には真実を知らせず、そこには何か理由があるように思われる。琴子の死には本作の核心部分が秘められており、「必ず帰ってくる」と話した拓郎の再登場でその謎が明らかになることを期待したい。

 消耗の激しいシーンが続く中で、響と佳奈恵(飯豊まりえ)のやり取りは、切ないながらもほっとする場面だった。来美を探しに戻ろうとする響を、佳奈恵は引き留める。佳奈恵の思いを察して「ごめん、行かなきゃ」と返す響。それとなく示されてきた佳奈恵の本心があらわになった。来美と佳奈恵。存在感のある2人のヒロインがドラマ後半を盛り上げてくれるはずだ。

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログTwitter

■放送情報
『君と世界が終わる日に』
Season1(全10話):日本テレビ系にて毎週日曜22:30〜放送
Season2(全6話):Huluにて、3月配信開始
出演:竹内涼真、中条あやみ、笠松将、飯豊まりえ、大谷亮平、笹野高史、マキタスポーツ、安藤玉恵、横溝菜帆、鈴之助、キム・ジェヒョン、滝藤賢一
脚本:池田奈津子
音楽:Slavomir Kowalewski A-bee
主題歌:菅田将暉「星を仰ぐ」(Sony Music Labels Inc.)
制作:福士睦、長澤一史
チーフプロデューサー:加藤正俊、茶ノ前香
プロデューサー:鈴木亜希乃、鬼頭直孝、伊藤裕史
協力プロデューサー:白石香織
演出:菅原伸太郎、中茎強、久保田充
制作協力:日テレアックスオン
製作著作:日本テレビ、HJ Holdings,Inc.
(c)日本テレビ
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