リンゼイ・モーガンや監督が『スカイライン-逆襲-』を語り尽くす 「最高の時間を過ごして」
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2月26日公開の映画『スカイライン-逆襲-』より、リアム・オドネル監督、リンゼイ・モーガン、ローナ・ミトラらのインタビューが公開された。
本作は、謎の生命体によって征服された人類の地球奪還の戦いを最新のVFXで描いたSFアクションシリーズ『スカイライン』の最新作。地球人を“収穫”するため飛来したエイリアンの恐怖をスリリングに描いた『スカイライン-征服-』『スカイライン-奪還-』に続く本作では、前人未踏の宇宙を舞台に、人類VSエイリアンのラストステージが幕を開ける。
主人公ローズ役を『THE 100/ハンドレッド』でブレイクしたモーガンが務める。『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』のジョナサン・ハワード、『ジョン・ウィック』のダニエル・バーンハード、『GOTHAM/ゴッサム』のアレクサンダー・シディグ、『ザ・ラストシップ』のミトラ、『ゲーム・オブ・スローンズ』のジェームズ・コスモ、さらに『ザ・レイド』シリーズのヤヤン・ルヒアンらが、前作に続いて激しいアクションを見せつける。前2作の製作・脚本や監督も手がけたリアム・オドネルがメガホンを取った。
3部作それぞれが異なるカラーを見せる『スカイライン』シリーズ。本作の脚本執筆におけるインスピレーションについて、オドネル監督は「1作目は少し変わったエンディングだったから、2作目はそこからアプローチを変え、違うジャンルの作品に持っていこうと思ったんだ。シリーズを作る上では、1作目を観ていなくても理解できる作品を作ることを心がけている。そういった意味で前作の『スカイライン-奪還-』は、『ターミネーター2』『マッドマックス2』『エイリアン2』『ランボー/怒りの脱出』などのように、前作を知らなくても単体で楽しめる作品を目指した。ジェームズ・キャメロンは『エイリアン2』(監督・脚本)、『ランボー/怒りの脱出』(脚本)などを2作目から手がけているから、僕は彼を“続編を作る達人”だと思っているよ。今回の『スカイライン-逆襲-』に関しては、冒頭で2作目を観ていない人や忘れている人のため、振り返りのシーンを作ったんだ」と語り、シリーズ未見の観客への配慮も明かした。
事実、『スカイライン-逆襲-』はローズが戦いで傷つき抵抗軍を離れるまでを冒頭で振り返るかたちで描き、その5年後から本題が始まるという構成に。「実は元々の脚本では『スター・ウォーズ』の様な、エイリアンと抵抗軍の大掛かりなバトルシーンも書いていた。しかし(製作の)ストラウス兄弟に予算や時間の関係上、実現は難しいという指摘を受け、ボイスオーバーで前作のストーリーと繋げる形に仕上げた。また、この映画では、ローズが過去の闘いによる失敗で苦悩しているというシーンを描きたかったという意図もある。彼女がただの特殊能力を持った完璧すぎるキャラクターになってしまわないように、克服すべきトラウマが必要だと思ったんだ。彼女の特殊能力もその精神状態にリンクしたものにしたり、ストーリーに深みを与えるための工夫をしているよ」とローズというキャラクターを描くための工夫を語るオドネル監督。
そんなローズを演じたモーガンは、「続編の製作が決まり、その主人公がローズだと聞いた時は、驚いたと同時に大興奮しちゃったわ。ローズは、とにかく特別な人なの。彼女はすごく複雑な性格をしているわ。心の中に様々な葛藤を抱えている。特殊な環境下にある世界で多くを学び、成長してきた人よ。エイリアンとの戦争の最中に生まれ、誕生の直後に両親を失った。それと同時に、人類を救い、世界に平和をもたらすことができる特殊な力を持つことも判明したの。彼女は傷を抱えたスーパーヒーローよ。本作では彼女の進化する様子が描かれているわ。人間とエイリアンのそれぞれの部分が見事に表現されている」とローズの魅力を熱く語った。
実はローズ中心の構成となった理由の一つには、モーガンの影響もあったとオドネル監督は言う。
「前作でモーガンと素晴らしい撮影ができた記憶があり、それが今作の構想に結び付いたんだ。モーガンは身体能力に優れており、自分を追い込むことを恐れない人間なんだ。そういう側面もローズの強さに組み込み、パワーを持つがゆえの苦しみも描いた。冒頭のローズは満身創痍で、自分の力に蝕まれている。力を使うたびに、彼女は弱ってしまうんだ。それだけ代償の大きな力というわけだ。『奪還』に彼女が参加したのは撮影の最終日の1日だけ。何も言わず一人でたたずんだり、船長として仲間に指示を出したり、身長が2メートル半もあるエイリアンの兄にジョークを言ったりするようなシーンだ。その撮影を見て、これはいけると思ったんだ。私は、俳優を想定したうえで脚本を書く際は、その俳優が力を最大限に発揮できるような土台を与えようと心がけているよ」
前作以降、アジア系俳優の出演が多く、エンドロールのNG集はジャッキー・チェンの作品を彷彿とさせる本シリーズ。アジア圏の映画からの影響については、「1作目のすぐ後に『スリーピングドッグス 香港秘密警察』という香港のアクション映画にインスパイアされたビデオゲームの制作に携わったんだけど、『スカイライン-征服-』でエグゼクティブ・プロデューサーを務めていたブレット・ラトナーもその作品に関わっていた。彼はジャッキー・チェン主演の『ラッシュアワー』などを手がけていたから、映画の裏話を聞いたり、彼に『ポリス・ストーリー』シリーズなどジャッキー・チェン映画のDVDを10本以上も借りてゲームの参考にしたよ。それがきっかけでジャッキー・チェンの作品には影響を受けている。アジア系俳優の起用に関しては、僕はロサンゼルスに住んでいるので、常に多様性は意識しているよ。また、僕の妻はラオス系なのでその影響もあり、前作はアジアを舞台にストーリーを組み立てていた。1作目が都市を舞台にしていたので、2作目ではジャングルを出すことで、作品的に差別化したいという意図もあった。本作ではリンゼイ・モーガン、アレクサンダー・シディグ、チャー・リー・ユン、ヤヤン・ルヒアンなど、各国から多様性に富んだ素晴らしいキャストに恵まれたよ。またモーガン自身もラテン系とアイルランド系のミックスなので、本作のメッセージを体現してくれていると思っている」と語った。
モーガンも「本作では多様性に富んだ撮影を経験できた。現場にはどんな時も本当にびっくりするくらい様々な言語が飛び交っていたの。それに、様々な経歴や考え方、スタイルを持った人々が集まっていたわ。それでも、全員がそれぞれの専門分野で力を発揮することで、1つの作品を作り上げることができた。この映画を完成させるために皆が見せたチームワークは素晴らしかったし、大きな充実感を得られたわ」と本作の多様性を語る。
Dr.マルを演じたミトラも「どんな作品でも、素敵な人たちと仕事しているってことが何よりのやりがいになる。本作は、スタッフもキャストも、皆、最高の人たちばかりだった」と現場の結束力を語った。
そんなミトラとの共演はモーガンにとっても感慨深かったようで、「ローナ・ミトラと共演できて感動したわ。だって憧れの女優だもの。出会った瞬間に、その美しさとカッコよさに圧倒されて、彼女から可能な限り吸収しようと努力したわ。ある時、彼女からこう言われたの。『レンズを見つけたら、殺すつもりで見るのよ』とね」と、ミトラとの撮影秘話も明かした。
最後にモーガンは、「本作を通して観客に感じ取ってもらいたいメッセージがある。まず1つ目は、恐れと向き合うことで生まれる力について。長い間、恐れを抱き続けていたローズは、本作でそれと向き合うことで、解き放たれる。2つ目は、人が持つ本当の力というのは、その人の本来の姿にこそ秘められているということ。ローズを見ていれば、それが分かると思う。彼女が真のポテンシャルを開花させ、大いなる力を発揮できるようになるには、彼女自身が進化するしかなかった。そのためにも、本来の自分と、そのルーツを受け入れることが必要だったの。それを理解し、すべてを受け止めることで、彼女は能力を完全に開花させたのよ」と本作のメッセージを明かす。
オドネル監督は「これは私の希望的観測も入っているが、本作は観客の皆さんにとって面白い位置づけの映画になるんじゃないかと思う。まずは、ただただ楽しんでもらいたい。それが私の何よりの望みだ。みんなに最高の時間を過ごしてもらいたいんだ。それから、この作品に影響を与えた作品、例えば『エイリアン』や『スターシップ・トゥルーパーズ』、もしくは『ピッチブラック』も含めていいと思うんだが、これらを見たことがない若い世代に、そのテイストを感じてもらいたいと思ってる。その意味では、若者たちから大きな支持を得ているモーガンに主役を演じてもらえたことは大きいね。彼女を目当てに本作を観た若者たちが、SF映画の面白さに気づき、過去の名作を見てくれたら最高だよ。パンデミック禍において、この映画を作り上げることができたことには、本当に感謝しかない。映画作りにのめり込むことができたおかげで、この状況下でも正気を失わずに済んだのだと思う」と観客へのメッセージを送った。
■公開情報
『スカイライン-逆襲-』
2月26日(金)より、新宿バルト9ほか全国公開
監督・脚本:リアム・オドネル
製作:マシュー・ショーズ、グレッグ・ストラウス、コリン・ストラウス
出演:リンゼイ・モーガン、ジョナサン・ハワード、ダニエル・バーンハード、アレクサンダー・シディグ、ローナ・ミトラ、ジェームズ・コスモ、ヤヤン・ルヒアン
配給:REGENTS/ハピネット
2020年/イギリス・スペイン・リトアニア/110分/原題:Skylin3s
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公式サイト:skylin3s.jp
公式Twitter:@skylin3s_japan