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瀧本美織が主演ドラマを通じて見つけたもの。「“自分”をもっと強くしたいと思います」

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瀧本美織

長いタイトルが目を引くが、長さ以上に注目すべきはタイトルそのままのヒロインの行動である。WOWOWオンデマンドにて2月26日より配信が開始となるドラマ『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年のこと』。現役の書店員である花田菜々子氏の実録小説を原作に、離婚寸前のヒロインが、出会い系サイトで出会った人々に本をお薦めしつつ、自らの進むべき道を探し求めていくという大人の自分探しドラマである。ヒロインの菜々子を演じるのは瀧本美織。今年30歳を迎える瀧本自身、菜々子の言葉や行動に共感し、心を突き動かされたという。

――オファーが来て、物語についてどのような印象を持たれましたか?

瀧本 まず原作を読ませていただいて、こんな世界が実際にあるのかとびっくりしました。全部、花田さんが体験されてきたことだということで、勇気のある方なんだなと尊敬しましたし、私自身の人生にとっても発見、共感する部分がたくさんありました。花田さんの書かれるポップでカジュアルな文章がすごく好きになりましたね。

WOWOWオリジナルドラマ『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年のこと』

――菜々子というヒロインの魅力は? 演じるにあたって彼女のどういう部分を伝えたいと?

瀧本 花田さんは、人生の中でもいろんなことの真っ只中にいて、絶賛自分探し中で人生に迷っているんですよね。「この人はこういう人だ」と他人のことを断定できないように、菜々子さん自身もまだまだ未完成な状態であり、でもそれが素晴らしいんだと。未完成なままでいいんだということを演じながら思っていて、今向き合っているこの人に集中することを大事にしました。

WOWOWオリジナルドラマ『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年のこと』

――菜々子は、出会い系サイトで出会った人の目の前で、妄想を炸裂させたり、コミカルなセリフのやり取りや独り言も面白いですね。

瀧本 やっぱり言葉の力ってすごいなと思ったし、人と真正面から向き合うことがこんなにも素敵なことなんだとあらためて実感しました。人生に迷って、自分のやりたいことがなかなか思うようにできないという思いを抱えているところから物語が始まるんですけど、人と向き合うことによって自分自身とも向き合っていって、最終的には自分の幸せは自分で決めると思えるようになる、そこがすごくいいなと思いました。

花田さんが書かれた言葉に私自身、話しながらハッと気づかされることもあったので、みなさんも自分の人生と重ね合わせて観てほしいです。「自分の幸せは自分で決めろ」と自分に言い聞かせるセリフがあって、それは本当に「あぁ、そうだな、そうあるべきだよなぁ」と思えたセリフですごく好きです。

――菜々子が出会いを通じて変化していくように、瀧本さんも出会いによって気づきを得たり、成長したと思える経験はありますか?

瀧本 朝ドラ(NHK連続テレビ小説『てっぱん』)に出たとき、父親役が遠藤憲一さんだったんですが、遠藤さんや(祖母役の)富司純子さんから「美織はそのままでいきなよ。変わらないでいいから」ということを言っていただいたんですね。当時はよく分からないまま受け止めていたかもしれないんですけど、今になってその言葉をかみしめているというか。自分らしさとか、自分が何を良いと思うか? 何が好きか? 何に幸せを感じるか?とか……、今まで、自分主体で考えることを無視しがちだったんですけど、いただいたその言葉の深さに今気づいているというか、あらためて実感していますね。

今まで、自分が何を好きかということを認識してなかったかもしれないですね。認識しようとしてなかったのか……。自分よりも他人のことを考える時間が多かったり、自分もそういう性格で他人に合わせることが苦じゃないんですよ。でも、これからは自分主体でもっと考えていきたいし、自分というものを確立しているからこそ他人のことが見えてくるのかなと思うので、自分をもっと強くしたいなと思っています。

もし他人にお薦めするなら何を進めたい?

――菜々子は、“本が好き”という確たるものを持ちつつも、それでも進むべき道に悩みますね。瀧本さんも、10代の頃からこの仕事をされていて、はたから見たら迷いなく、きちんと好きなことを仕事にしているように思えますが……。

瀧本 でも私の場合も、(芸能界に)自分から望んで入ったというわけではなく、他人に薦められてオーディションを受けたのが最初のきっかけなんです。ただ、歌うことは好きでしたし、表現することは好きだったのかな……? 今でも覚えているのは、小さい頃、トイレにマンガ雑誌を持ち込んで、ひとりで全部の役を声を出して演じていたんです(笑)。自分の気づいていない部分で、演じるのは好きだったのかもしれないですね。

――そんな瀧本さんでも、菜々子と同じように自分の進むべき道に迷ったり、葛藤を覚えることは……。

瀧本 もちろんありましたよ。やっぱり、自分よりも他人を中心に考えるクセが小さい頃からあって、自分がどうしたいってことじゃなく、他人に薦められたものに乗っかって、他人を中心に過ごしてきた部分があるんですよね。自分を無視して……とまではいかなくとも、他人の期待に応えるってことの方が今まで大きくて、“自分”というものが分からなかったりして、それは今回の菜々子さんに通じるものがあると思います。

――今は楽しいですか?

瀧本 楽しんでますね。女優の仕事が好きだと思います。このお仕事は、自分でも意図していない、知らない自分を役を通して知ることができたり、自分を見つけていくことなのかなと思いますね。

――この秋で30歳を迎えますが、この先のビジョン、理想像は?

瀧本 自分というものをぶれずに持ちつつ、それでいて柔軟に日々を楽しんでいる人に憧れます。そうなりたいですね。

――多くの俳優さん、女優さんが「30代は楽しい」とおっしゃいますね。

瀧本 そういう話、聞きますね。楽しみです(笑)! もっと柔軟にいろんなこと楽しめるのかなと。やっぱり難しく考えすぎていたところが今まであったと思うし、でも20代ってそういうものなのかなと。それがあったからこそ、先が楽しみですね。

――実際に出会い系サイトに登録して……というのはなかなかハードルが高いかもしれませんが、瀧本さん自身、菜々子を演じて、そういうことをやってみたいという願望は芽生えましたか? もし他人にお薦めするなら何を薦めたいですか?

瀧本 この作品に出会って、より一層、他人ともっと関わってみたいなと、その面白さに目覚めている感じはありますし、やってみたいって思いましたね。こんなに面白い、人生にこんなに影響を与えてくれる人に出会えるなんて……やってみたいです(笑)!

自分が好きなことについて、他人と一緒に共感するのがすごく好きなので、薦めるとしたら……私はB'zさんがすごく好きなんです。父が聴いていたので、小さい頃からすごく聴いていて、体になじんでいるんですけど、B'zさんの曲を一緒に聴いてもらいたいですね。

――出会った人に合わせて、「あなたにはこの曲を」とお薦めしたり?

瀧本 それいいですね。「あなたに合うのはこの曲!」みたいな(笑)。それやりたいです!

――作品を通じて、いろんな本や漫画が紹介されますが、瀧本さんはこれまでの人生で忘れられない1冊や思い出に残っている大切な本はありますか? 普段はどんなジャンルや作家さんの本を読まれますか?

瀧本 小さい頃に両親が、主人公の名前を私の名前にして作ってくれた絵本がありまして、それはすごく大切にしています。

普段は、湊かなえさんのゾクゾクするようなミステリーも好きですし、原田マハさんや小川糸さんの優しい世界観も好きです。男性の作家も読みますよ。伊坂幸太郎さんの作品もすごく好きです。

――音楽、本ときましたが、映画や映像作品で大好きな作品は?

瀧本 難しいなぁ……(苦笑)、何だろう? すごくカジュアルに好きな作品なんですけど、『ハムナプトラ』シリーズは大好きです。エジプトに行って……という世界観も好きですし、アクションあり、アドベンチャーありで主演のブレンダン・フレイザーもすごく好きです。主人公のああいう家族の姿って理想ですね。「家族で強い!」という感じが(笑)。

取材・文:黒豆直樹
ヘアメイク:SHIGE、スタイリスト:石川美久、衣装:ワンピース/furuta

WOWOWオリジナルドラマ『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年のこと』
2月26日(金)23:30 WOWOWオンデマンドにて 第1話~第4話配信
3月26日(金)23:30 WOWOWオンデマンドにて 第5話~第10話配信
3月26日(金)23:30 WOWOWプライムにて放送
毎週金曜23:30放送(全10話)【第1話無料放送】
番組特設サイト:https://www.wowow.co.jp/drama/original/deasusu/

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