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『坂道テレビ』第3弾放送直前におさらい 乃木坂46、櫻坂46、日向坂46……3グループの現在地

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リアルサウンド

 乃木坂46、櫻坂46、日向坂46が出演する『坂道テレビ~乃木と櫻と日向~Vol.3』(NHK総合)が、2月27日16時30分から放送される。

 2019年、2020年に続いて3回目の放送を迎える「坂道テレビ」。今回はコロナ禍に見舞われた激動の1年を、密着映像やメンバーのトークを通じて振り返るという。オンエアを前に2020年以降の坂道グループの出来事を振り返ると共に各グループの在り方を考察したい。

先輩たちが築いたものを「継承」していく乃木坂46

 乃木坂46の2020年以降の大きなトピックとしてはまず白石麻衣の卒業が挙げられるだろう。昨年1月に3月25日発売の25thシングル『しあわせの保護色』の活動をもってグループから卒業をすることを発表したが、新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、卒業は延期に。様々な状況を踏まえ、白石は10月28日の配信ライブ『NOGIZAKA46 Mai Shiraishi Graduation Concert~Always beside you~』をもって卒業した。

 2019年には西野七瀬が卒業し、白石もグループを巣立った。結成10年目、乃木坂46も本格的に世代交代に差しかかっている。しかし、先日行われた『9th YEAR BIRTHDAY LIVE』では先輩たちが築き上げてきた乃木坂46をしっかりと後輩たちが「継承」していく強い姿勢が感じられた。「インフルエンサー」では山下美月と与田祐希が、「シンクロニシティ」では梅澤美波が、「帰り道は遠回りしたくなる」では遠藤さくらが、「しあわせの保護色」では大園桃子がセンターを担当。かつて白石と西野がセンターを務めた楽曲を、次世代の乃木坂46を担う人材が表現したのだ。

 最新シングル曲「僕は僕を好きになる」では山下が初めてのセンターに選ばれ、梅澤と久保史緒里がフロント入りを果たした。アンダー楽曲「口ほどにもないKISS」では阪口珠美が初のセンターに選ばれ、3期生が注目される機会も増えてきている。

乃木坂46 『僕は僕を好きになる』

 4期生もグループに新たな風を吹かせている。賀喜遥香がセンターを務めた「I see…」はカップリング曲ながらMVのYouTube再生回数1700万回を突破。早川聖来は選抜未経験ながらコント番組『ノギザカスキッツ』(日本テレビ)で大きな存在感を放ち、4期生の最新曲「Out of the blue」で見事センターの座を射止めた。彼女たち16人の成長はそのまま乃木坂46の勢いに繋がっていくことはずだ。

乃木坂46 『I see…』

 現エースの齋藤飛鳥がどっしりと存在していることも大きい。ほかにもミュージカルなどで活躍する生田絵梨花、同期だけでなく後輩からもイジられる愛されキャラのキャプテン秋元真夏ら経験豊富なメンバーがいる。この先もベテランと若手が手を取り合い、乃木坂46は順調に世代交代を続けていくのではないだろうか。

欅坂46からの「リスタート」櫻坂46

 2020年、欅坂46から改名した櫻坂46。10月に2日間にわたって行われた『欅坂46 THE LAST LIVE』はメンバーからの気迫が画面越しに伝わってくる素晴らしい内容だった。その2日目の最後に鳴らされたのが、櫻坂46初のオリジナル楽曲「Nobody’s fault」だった。

櫻坂46 『Nobody’s fault』

 1stシングル『Nobody’s fault』は新グループの確かな可能性を示したように思う。森田ひかるセンター曲が3曲、藤吉夏鈴と山﨑天それぞれがセンターを務める楽曲が2曲収められ、初回の作品から表現の幅広さを世の中に提示した。

 表題曲MVでは森田を中心にメンバーたちが体を寄せ合い〈No! No! No! 他人(ひと)のせいにするな 鏡に映ったおまえは誰だ? 勝手に絶望してるのは 信念がないからだってもう気づけ!〉と力強い表情で歌う。それはこれから「リスタート」する自分たちを鼓舞する姿のようだった。

 藤吉が真ん中に立った「なぜ 恋をしてこなかったのだろう?」にはとにかく驚かされた。〈不協和音を僕は恐れたりしない 嫌われたって僕には僕の正義があるんだ〉とパフォーマンスしていた彼女たちが〈幸せは敵作らない〉〈幸せは 参加すること〉と歌ったからだ。この曲ではっきりと欅坂46との違いを示したように思う。

櫻坂46 『なぜ 恋をして来なかったんだろう?』

 最年少の山﨑がセンターの「Buddies」は、輝かしい未来へと再スタートを切った清々しさが存分に表現された人生賛歌だ。長いコロナからのトンネルを抜けて、ライブで〈Yo! 元気かい? 君に会いたかったよ〉というリリックが響いた時は、大きな感動が会場を包むことだろう。現時点で櫻坂46のグループカラー“ピンク”が持つ温かな印象が最もハマる楽曲ではないだろうか。

櫻坂46 『Buddies』

 冠番組も『そこ曲がったら、櫻坂?』(テレビ東京)にリニューアルし、カラーとともに、雰囲気も明るくなった。バラエティ番組に積極的な姿勢を見せるムードメーカー松田里奈の副キャプテン就任、個性の強い新2期生が加入したことも影響しているように思う。そんな彼女たちが、2ndシングルではどんな表現を見せてくれるのか。今から期待に胸が膨らむ。

歌にバラエティに「躍進」続ける日向坂46

 日向坂46の2020年を言い表すなら「躍進」という言葉がピタリとハマるのではないだろうか。2019年に初の『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)の舞台を踏み、トップアイドルの仲間入りを果たした彼女たち。翌年の1月からはドラマ『DASADA』(日本テレビ系)にメンバー全員が出演し、注目度はさらに増していった。

 昨年は2月の4thシングル『ソンナコトナイヨ』リリースを経て、9月には満を辞して1stアルバム『ひなたざか』を発売した。復帰した影山優佳、新3期生の髙橋未来虹、森本茉莉、山口陽世も参加した、22人にとっての初めての作品だ。

 アルバムのリード曲「アザトカワイイ」でセンターを務めた佐々木美玲は人一倍成長を遂げたメンバーではないだろうか。元々ライブでは表現力の高かった彼女だが、バラエティ番組ではなかなか大きな爪痕を残せずにいた。しかし、持ち前の明るさを生かし、冠番組『日向坂で会いましょう(以下:ひなあい)』(テレビ東京)の「第2回ぶりっ子選手権」では見事殻を破り爆笑をかっさらった。その後も安定した活躍を見せ、数多くの外番組で視聴者にハッピーオーラを届けている。『紅白歌合戦』のステージでもセンターポジションを経験した。今後もグループをけん引する中心メンバーとして活躍してくれることだろう。

日向坂46 『アザトカワイイ』

 シングル表題曲の全てでセンターを務めている2期生の小坂菜緒も素晴らしい活躍を見せた。『DASADA』で演じた佐田ゆりあは小坂とはかけ離れた超ポジティブ志向で一見、世間に流されるお馬鹿さんというキャラクター。しかし小坂はこの役を見事に演じ切って見せた。公開延期となっていた出演映画『ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜』も5月7日の封切りを予定している。今後演技で学んだ表現力は必ず小坂の大きな武器となるはずだ。

 そして触れないわけにいかないのが日向坂46の圧倒的なバラエティスキル。ここ最近の外番組での需要増も納得の流れだ。キャプテン佐々木久美と加藤史帆の『ひなあい』を率先して盛り上げる姿は見ていて感動すら覚え、2期生渡邉美穂と富田鈴花もそれに続く存在として期待が出来る。

 2020年にはバラエティの面をけん引した井口眞緒が卒業した。メンバー一丸となって坂を登る日向坂46からの2人目の卒業生。“やはりいつかはアイドル人生にも終わりが来る”ということを痛感させられた一件だった。

 ただここ最近では9月から療養のため活動を休止していた松田好花が復帰を果たすというハッピーなニュースもあった。『ひなくり2020』では“22人でライブを作る”ことにこだわり、活動休止中の宮田愛萌が開演前の影ナレを担当した。どんな状況になっても、全員で前に進もうとする、それこそが日向坂46の魅力なのだ。

 2020年は夢だった東京ドーム単独公演が残念ながら延期となった。しかし今年こそ“約束の卵”でハイタッチして喜び合う22人を見せてくれるはず。そして今後も彼女たちの躍進は続いていくはずだ。

■中山洋平
1983年生まれ。フリーランスの編集・ライター。ボウリング、洋服、ギター、サウナ好き。Twitter