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『半妖の夜叉姫』とわに宿る母・りんの“人を愛する心” 虹色真珠のルーツも明らかに

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リアルサウンド

 高橋留美子原作のアニメ『犬夜叉』シリーズのスタッフが再集結し、次世代の物語を紡ぐ『半妖の夜叉姫』(読売テレビ・日本テレビ系)の第21話「虹色真珠の秘密」が2月27日に放送された。

 生まれた直後に父・殺生丸と母・りんと別れ、森の中で暮らしていたが火事に巻き込まれ離れ離れになった半妖の双子、とわ(松本沙羅)とせつな(小松未可子)。前回、とわが現代にタイムスリップした後、せつなが百鬼蝙蝠と呼ばれる妖怪と人間の間に生まれた半妖・紫織が結界を張った隠れ里で暮らしていたこと、そして幼い頃のせつなは殺生丸ゆずりの強さ故に冷酷な一面があり、弥勒によってその妖力は封印されたことが明らかとなった。

 打って変わり、第21話は彼女の双子の姉であるとわ回。朔の夜に妖力を失ったとわの髪色は黒に変化し、それを見た楓(京田尚子)は彼女にりんの姿を重ね、とわとせつなを産んだ後のりんについて話し始める。りんは生まれたばかりの子どもを無言で森の中に連れていった殺生丸のことを信じそのまま楓と暮らしていたが、ある夜、突然姿を消したという。誰かに連れ去られたのかもしれない、自ら娘たちや殺生丸を探すために家を抜け出したのかもしれない……。いずれにせよ、世は戦国。楓はもしかしたら、すでにりんがどこかで命を落としているかもしれないと諦めているようだった。

 しかし、とわは夢の中で時代樹の中に眠る少女の姿を見る。娘の勘なのか、その少女が母であるりんだと分かった。眼を覚ますと、そこにはせつなから眠りを奪った夢の胡蝶が。追いかけた先で、とわは理玖(福山潤)と再会する。

 理玖は本作の中で最も謎めいたキャラクターだ。“陸に上がった海賊”である彼はとわに近づき、なぜか虹色真珠を狙っている。とわとせつな、そして犬夜叉とかごめの娘・もろは(田所あずさ)が持っている虹色真珠についてはこれまで、四魂の玉と同じように所有者に力を与えることや、全てを集めてはならず、麒麟丸の姉・是露(坂本真綾)がばらまいたことが分かっていた。

 今回は新たに、刹那猛丸との死闘の末に亡くなった殺生丸と犬夜叉の父・犬の大将の死を悲しんだ是露が「心も涙も妖力も捨てる」と四魂の玉に願いをかけ、流した涙が強い妖力を秘めた虹色真珠になったことが明らかに。是露を「姉さん」と慕う理玖は、真珠をすべて集め彼女の元に返そうとしていたのだ。しかも、その事実をあっけらかんととわに告げる理玖。とわの虹色真珠を取り出そうとしたその瞬間、朔のとわを狙って饕餮(白熊寛嗣)が襲撃する。

 理玖はかつて麒麟丸の部下だったが、打ち捨てられた後は四凶から必要以上に敵視されている。味方なのか、敵なのか分からない存在ではあるが、身を粉にして饕餮からとわを守る彼はどうやら完全な悪人ではなさそうだ。“愛”については色々と持論があるようで、「愛するものしか殺さない」という自分の中の決まりがあるらしい。けれど、理玖はなぜかとわだけは何の利点もないのに殺せず、守ってしまうと語る。以前妖怪である焔が人間に恋をし、拒絶されたことで自らの身体を燃やし尽くした時、理玖は「人間を愛するとろくなことにならない」と軽蔑していたが、もしかしたらとわへの愛情が芽生えているのかもしれない。

 そして、饕餮から身を守ってくれた理玖に、とわは「愛とか恋とかよく分からないけど、好きって気持ちならわかる! 私、理玖のことが好きだ」と告げ、自身が持つ銀色真珠を渡す。天真爛漫でまっすぐな心根が、どんな人の心も溶かしていくーーそんなとわは見た目だけではなく、殺生丸に“人を愛する心”を教えたりんの性格によく似ている。しかし、疑うことを知らないため、稀に危険に晒されることも。実際、理玖が真珠を返そうとしている是露は半妖であるとわたちを憎んでいる。第22話「奪われた封印」では是露がとわを操り、せつなの封印が解かれてしまうようだ。

■苫とり子
フリーライター/1995年、岡山県出身。中学・高校と芸能事務所で演劇・歌のレッスンを受けていた。現在はエンタメ全般のコラムやイベントのレポートやインタビュー記事を執筆している。Twitter

■放送情報
『半妖の夜叉姫』
読売テレビ・日本テレビ系にて、毎週土曜17:30~放送
※一部地域を除く
監督:佐藤照雄
シリーズ構成:隅沢克之
メインキャラクターデザイン:高橋留美子
アニメーションキャラクターデザイン:菱沼義仁
音楽:和田薫
アニメーション制作:サンライズ
製作:サンライズ、小学館、読売テレビ
(c)高橋留美子/小学館・読売テレビ・サンライズ 2020
公式サイト:hanyo-yashahime.com
公式Twitter:@hanyo_yashahime