「こち亀」本田速人の恐るべしギャップ 超強気なバイク乗り・本田の心優しい一面を検証
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『こちら葛飾区亀有公園前派出所』に登場する交通機動隊の警察官、本田速人。普段は気の弱い青年だが、バイクに乗ると突然性格が攻撃的になってしまう予想外のギャップが最大の特徴。そんな本田の魅力の1つに「優しさ」がある。今回はそんな本田の優しさについて検証していきたい。
両津をバイクで長崎まで送り届ける
大原部長の命令で長崎に行くことになった両津。貰った旅費を全て飲み代に使ってしまったため、有給休暇を取り自転車で長崎へ向かう。
中華街で米兵と喧嘩をしているところを、通りがかった麗子が目撃し、麗子の車で大阪へと向かう。大阪で捜査課の梅田と再会し遊んでいると、今度は反社会的勢力風の人物と喧嘩になる。
ここで白バイに乗った本田が登場。両津の頼みで、東京からやってきたのだ。本田はこの後、両津の強引な頼みで一緒に長崎へ行くことに。全く知らない民家に立ち寄り、対応した老人を騙し宿泊するなどして、長崎に到着した。
長崎でも両津とともに観光を楽しみ、最終日は地元の婦人警官とともに寺を巡る。すると婦警がスリに遭ってしまう。激怒した両津は路面電車に乗り込んだ犯人を追いかけ、電車の屋根に飛び乗り、強引に手でパンダグラフを下げ電車を止め、犯人の首を絞めて逮捕した。
この活躍に婦警は感謝し、飛行機のチケットを贈る。「バイクは飛行機に乗れない」と話す本田に両津は「バイクで帰れ」と冷たく言い放つ。嫌そうな本田だったが、そこは生粋のバイク乗り、渋々1人で東京に帰った。
しかし、両津は空港で飛行機のチケットを無くしてしまい、本田を先に返したことを後悔するのだった(36巻)
世話になっている先輩の頼みとはいえ、東京からわざわざ両津のためにバイクで大阪に向かい、その後長崎まで一緒に送り届けることは、なかなかできない。心優しい本田ならではのエピソードだ。
妹の結婚を涙で許す
妹・伊歩の通学のためにバイク・ハヤブサを購入し、南千住から高尾まで2往復していた本田。
数日後警察署に両津を訪ねた伊歩は「交際相手と結婚しようと思っている」「(本田は)ショックだと思うから両津さんから伝えてほしい」と頼む。困り果てた両津が本田不在の派出所で結婚話をしていると、本田がたまたま聞いてしまう。
その後面倒くさくなった両津が電話で説得するが、ショックを受けた本田は、行方をくらまし、古巣の暴走族に戻り、総長になる。「電話で済ますなんて信じられない」「やはり両津のせいなのか」となぜか両津のせいにする署のメンバーたち。
そんななか本田は次々と暴走族のメンバーを集め、組織を大きくする。心を痛めた伊歩は暴走族のヘッドになった本田の前に現れ、「彼と別れてきた。だからもう暴走はやめてほしい」と頼む。
暴走族姿の本田は「男関東連合解散だ。別れるんじゃない、結婚しろ。妹の幸せを願わない兄が世の中にいるか」と涙し、結婚を認めた。(123巻)
妹、伊歩への思いが爆発していたこの回。最終的に暴走族を辞め、結婚を認めた本田の行動に「真の優しさ」が感じられた。
マラソンの先導車で友人を応援
東京都市マラソンの先導をすることになった本田は、レースに出場する鮫島と再開する。彼は暴走族時代の同僚で、マラソンランナーとしての力を評価され企業に就職したものの、怪我で辞職していたのだった。
30キロ地点までトップを走っていた鮫島だが、古傷が傷み、止まってしまう。ここで本田がバイクの上から「俺達2人は這い上がってきたんだろうが。忘れたのか鮫島」と声をかけ励ます。すると鮫島は逆方向へと走り出し、最下位の選手に声をかけ、走り方をアドバイスし始める。
結局、最下位の選手はアドバイスのおかげで1人、2人と選手追い抜き、鮫島とともに完走する。レース後、「自分の足はもうダメ」と絶望する鮫島に、企業のマラソン部の監督らしき人物が「うちの会社に来てほしい。コーチとして指導してほしい」と声をかける。そんな様子に本田は「新たなスタートだ、鮫島。ゴールはまだまだ先だぜ」とエールを送った。(159巻)
バイクに乗っていたため攻撃モードの本田だったが、それでもランナーとして頑張る暴走族仲間を励ます優しさを持っていた。人格が変わったとしても、心のなかに持つ優しさは、変わっていないのだ。
心の優しさが人気の秘密
本田というと、極端に気弱な普段と、超強気なバイク上のギャップばかりが取り上げられがちだが、実は心優しいエピソードもかなり多い。二重人格だけではなく、心優しい一面を持っていることが、愛されキャラとなった一番の要因なのかもしれない。