Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > ぴあ映画 > 坂東龍汰が過ごした、伊藤沙莉&堺小春との“濃い1日” 「アウトプットするのが楽しかった」

坂東龍汰が過ごした、伊藤沙莉&堺小春との“濃い1日” 「アウトプットするのが楽しかった」

映画

ニュース

リアルサウンド

 2020年はそれぞれ5作もの映画・ドラマに出演し、2017年のデビュー以来、着実に俳優としてのキャリアを伸ばしている坂東龍汰。2021年が始まってすぐに放送された1月期ドラマ『夢中さ、きみに。』(MBS)では、同世代の若手俳優たちの中もで抜きん出た存在感をみせた、今後も公開・放送待機作が多く待ち構えている引っ張りだこの俳優だ。

 そして、坂東が出演するHuluオリジナル『THE LIMIT』が3月5日から配信スタートする。本作は、劇団「玉田企画」を主宰する演出家・玉田真也、お笑いコンビ・かもめんたるの岩崎う大、『かもめ食堂』『彼らが本気で編むときは、』の荻上直子の3人が、サスペンス、コメディ、ラブストーリーなど多彩なジャンルにわたる“半径3メートルの人間ドラマ”。

 第1話「ネコと井戸」に出演する坂東に、本作で共演した伊藤沙莉、堺小春との演技での発見や、本作のテーマとなる「究極の選択」をした経験について聞いた。(編集部)

伊藤沙莉、堺小春との濃い1日

――『THE LIMIT』は、“リミット空間”という同じテーマの中で、ワンシチュエーション、1話完結、オムニバス形式という構成自体が、とてもおもしろいなと思いました。

坂東龍汰(以下、坂東):僕も、おもしろいなと思いました。「ネコと井戸」では、ほぼ3人の会話劇がワンシチュエーションで繰り広げられていきます。独特のテンポ感があるので、演じる側としては緊張感もありました。現場は和気あいあいとしていたんですけど、ワンカットがかなり長かったので、いざ「スタート」となると、ピシッピシッて(笑)。後半になるに連れて「間違えないように、間違えないように……」と、集中力がどんどん高まっていく感じでしたね。

――ちなみに、何かやらかしちゃいましたか?

坂東:やらかしちゃいました(笑)。噛んだり、セリフが飛んだり、テンポがいい会話の時にセリフが被さっちゃったり。みんな1回くらいやっちゃってましたね。(声のトーンを上げ、手を合わせて)「あちゃ~! ごめ~ん!!」って(笑)。

――そのテンションで謝れる現場というのが、救いでしたね(笑)。

坂東:そう思います(笑)。伊藤さん、堺さんに仲良くしていただいて、すごく楽しかったです。

――今作の魅力はどこに感じましたか?

坂東:空気が途切れないというか、そこにある空気感が最初から最後までしっかり繋がっていくんです。でも、その間に空気の流れは変わっていくし、一人ひとりから出ている矢印が交差していく。それでいて、根本にあるのは3人の「ネコを助けたい」っていう気持ちで。いろんな情報がもりだくさんなのに、観ていると全てがしっかり入ってくる。それはワンシチュエーションならではだし、作品のおもしろさなんじゃないかなと思います。

――伊藤さん、堺さんの印象はいかがでしたか?

坂東:明るいです(笑)。すっごく明るくて、すごく優しくて。お喋りが大好きで、ずーっと笑ってましたね。それを聞いて、僕も「ハッハッハッ」って(笑)。おふたりは、もともととても仲がいいので、演じていても、その関係性があるからこそのテンポ感が出ていたのかなと思います。そんなおふたりに、僕は混ぜてもらった感じですね。

――作中の関係性と近いですね。

坂東:本当に近かったです。どこからカメラが回っていて、どこから普段の話なのかっていう境目がないくらい、1日中、3人で話していました。

――映像を見ていても、あまりに自然で「すべてアドリブなのでは?」と思うほどでした。実際、セリフとのバランスはどんな感じだったのでしょうか?

坂東:僕はアドリブ、ゼロだと思います。台本に、「あの」とか「えー」とか、かなり細かく書かれていたんですよ。「……」だけのセリフとかがたくさんあって、最初に台本を読んだ時には「これ難しい!」と思いました(笑)。「あ、ああ」とか「う、うん」とか細かく書かれていたので、おふたりのテンポ感の中に、どこまで僕が入っていけるのかなって、ちょっとドキドキしながら。でも現場に入っちゃうと、不思議とできちゃうんだなって思いました。

――すごくナチュラルに見えたので、アドリブがないと聞いて驚きました。

坂東:ありがとうございます。それが一番嬉しいお言葉かもしれないです。

――3人がほぼ出ずっぱりの作品ですが、演じる上で普段と意識を変えた部分はありますか?

坂東:空気を乱さない、ということですかね(笑)。本当におふたりが念願の、念願の、念願の共演で、すごく楽しみにされていたみたいで。その中にネコと僕がいきなり登場してくるので、おふたりの邪魔をしないように、大切に入って行けたらなとは思っていました。

――新しい挑戦が多い今作を通して、あらためて「役者っておもしろいな」と感じたことはありましたか?

坂東:それこそ、僕自身も「あれ? これはセリフだったっけ?」と思ってしまうようなお芝居が、目の前で繰り広げられていたんです。おふたりからすごく刺激を受けましたし、そういう風にアプローチするんだっていう発見が常にありました。いろんな影響を瞬時に受け取って、アウトプットするのが楽しかったし、それを考える時間がすごく有意義だったし……濃い1日でしたね。1日で全部撮ったんですけど、ファーストシーンからラストシーンまで、僕はずっと勉強させてもらっている感じでした。なので、今後いろんな役をやる中で、あの時のテンポ感とか、アドリブなのかセリフなのかわからないようなトーンのお芝居っていうのは、活きてくる瞬間があると信じています。

「僕の日常は忙しないです(笑)」

――ドラマでは、極限の中での選択が描かれています。坂東さんご自身、究極の選択だったと思うようなご経験は?

坂東:なんだろうなぁ……でも、17歳の頃、ニュージーランドに留学に行くって決めたのは究極だったかもしれないですね。あの6カ月で価値観とか自分の見えている世界がまったく違う方向に広がって、ニュージーランドに住もうかなと思ったくらいなんですよ。向こうで高校を卒業しようかなと本気で考えて、校長先生に「いくらかかりますか?」とか「僕、働くんで!」とか言ったのを覚えています(笑)。あそこで一度、日本から出てみるっていう決断をしたのは、僕の人生にも大きく影響していると思いますし、濃密な記憶として鮮明に覚えていますね。

――多感な時期に、その経験をしているかしていないかは大きいですよね。

坂東:そうですよね。留学かぶれじゃないですけど、(胸を張りながら)「俺はニュージーランド人だ!」みたいな(笑)。

――(笑)。ちなみに、価値観が変わったというのは?

坂東:ニュージーランドの人たちって、みなさん壁がないというか。僕も、日本人独特の“人との距離感”みたいなものがぶっ飛んだ感じです(笑)。人と人が交わるスピード感も素敵だなって感じましたし、「お金がなくても幸せだよ」と言えるような、すごく幸福度が高い国だったんです。みんな人が大好きだし、人を大切に思っているし、愛に溢れた国だなって。僕のホストファミリーも、毎日ブチューッてしてくるし(笑)。もちろん、日本がそうじゃないっていうわけではないけど、僕の肌には合っていたんだと思います。

――そんな留学経験も含め、これまでにいろんな選択があったと思います。坂東さんが、何か選択をする上で大事にしていることを教えてください。

坂東:迷わないこと。ちょっとでも興味が湧いたら、やめないでやるっていう。はじめの一歩目を躊躇しないで踏み出してみることだと思います。好奇心が超旺盛なので。

――坂東さんの過去のインタビューなどを拝読して、本当にいろんなことにチャレンジされていて、すごい方だなと思っていました(笑)。毎日、時間が足りないだろうなって。

坂東:いや~忙しないですね、僕の日常は(笑)。あれやりたい、これやりたい、あれも見たい、これも見たい、どこに行きたい、あの人に会いたいって(笑)。毎日楽しいですけどね。

――絵、写真、音楽と多才ですが、その中でなぜ役者をメインにやっていこうと思われたのでしょうか?

坂東:一番感動したから、かもしれないです。初めて高校3年生で舞台に立った時、経験したことのない感覚に陥ったんです。言葉では言い表せないですけど、サウナで水風呂に入って“ととのった”みたいな(笑)。(両手を広げ、目を閉じて)宇宙空間でほわ~んってしているような。その経験はお芝居でしかできなかったので、「これしかない」とその時に思いました。

――とはいえ、当時は学校の舞台ということで、お仕事ではなかったわけですよね? お仕事にすると、また役者に対する思いも変わってくるのかなと思います。

坂東:もう本当に北海道の超田舎から何も知らずに出てきたので、かなり衝撃的でした。いろんな舞台、ドラマ、映画も観るようになって、想像もしていなかった迫力とクオリティに「凄すぎる」と。「プロの世界ってこういうことか」と、最初は何もできない自分にすごく落ち込むというか、くらった時期もありましたね。でも、わからないのは悪いことじゃないし、右も左もわからない状況から、少しずつですけど、成長していっているとは思うんです。僕もみんなの力量に負けないように、必死に芝居で食らいついていきたいです。

――わからないのは悪いことじゃない、と思えるようになったきっかけは、何かあったんでしょうか?

坂東:まだ役者を始めて3年くらいしか経っていないんですけど、年下の子たちとお芝居をすることが増えまして。彼らを見ていると、わからなくていろんな人に叱られたり、ヘコんでいた昔の自分を見ているような感覚になるんです。それで、みんな頑張っているし、彼らが悪いわけではなくて、本当に“わからないだけ”なんだなって。

わからないから、勉強して、知って、強くなる、というのを繰り返していくのかなと。僕も先輩の方々と話す機会は多いので、みなさん、僕のことを「何もわかってないな」と思っていると思うんですけど、5、6年経った頃には、自分自身もまた違うところに行っているだろうし。今わからないことを、無理して、急いでわかろうとしなくてもいいのかなって、最近は思うんですよね。僕もヤンチャっ子なので、まだまだたくさん叱られると思いますけど(笑)。

――そうやって変化しながら役者を続けていく中で、変わらず大事にしていきたいことを聞かせてください。

坂東:自分の基準とか、条件とか、こだわりとか、そういうものに縛られたくない。いろんなものを吸収できるセンサーを常に持っていたいですし、感受性が豊かな役者になりたいです。凝り固まらず、たまに自分のフィルターのメガネを外して、世界を見られるように。あとは“人”が好きでいたいですね。これからも、ずっと。

坂東龍汰からリアルサウンド映画部読者へメッセージ

■配信情報
Hulu オリジナル『THE LIMIT』
3月5日(金)から、Huluで毎週1話ずつ配信(※通常配信に加え、4KHDR/5.1ch でも配信)
<出演>
第1話「ネコと井戸」:伊藤沙莉、堺小春、坂東龍汰
第2話「タクシーの女」:門脇⻨、古川琴音
第3話「ユニットバスの2人」:細田善彦、岩崎う大(かもめんたる)
第4話「ベランダ男」:岡山天音
第5話「切れない電話」:泉澤祐希、岩松了、夏子
第6話「高速夜行バス」:浅香航大、木野花
脚本:玉田真也、岩崎う大、荻上直子
エグゼクティブプロデューサー:長澤一史
チーフプロデューサー:茶ノ前香
プロデューサー:中村好佑、小室秀一
企画:三浦光博、塚田雅人、賀内健太郎
監督:賀内健太郎、吉田真也、中嶋駿介
制作プロダクション:博報堂プロダクツ
製作著作:HJホールディングス
公式サイト:https://www.hulu.jp/static/thelimit/

▼坂東龍汰 チェキプレゼント▼


坂東龍汰のチェキを2名様にプレゼント。応募要項は以下のとおり。

【応募方法】
リアルサウンド映画部の公式Twitterフォロー&該当ツイートをRTいただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。当選者の方には、リアルサウンド映画部の公式TwitterアカウントよりDMをお送りさせていただきます。

※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※複数のお申し込みが発覚した場合、ご応募は無効とさせていただく場合がございます。
※営利目的の転売は固くお断りいたします。発見した場合は然るべき対応をとらせていただきます。

<リアルサウンド映画部 公式Twitter>
https://twitter.com/realsound_m

<応募締切>
3月19日(金)