Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > THE RAMPAGE RIKUの「音楽大陸」 Vol.5(前編) ずっと会いたかった林部智史と対面

THE RAMPAGE RIKUの「音楽大陸」 Vol.5(前編) ずっと会いたかった林部智史と対面

音楽

ニュース

ナタリー

左からRIKU、林部智史。

THE RAMPAGE from EXILE TRIBEのボーカル・RIKUさんの連載「音楽大陸」Vol.5には、RIKUさんが連載開始以前から「会いたい人」として名前を挙げていたシンガーの林部智史さんが登場。はやしべさとし名義で、日本の唱歌や童謡、叙情歌も歌う林部さんはテレビ東京系の番組「THEカラオケ★バトル」で2年連続王者に輝き、それをきっかけに2016年にシングル「あいたい」でデビュー。キャリアとしてはRIKUさんとほぼ同期ですが、グループのボーカルとソロシンガーという別々の道を歩んできました。

初対面かつ年齢も6つ違うRIKUさんと林部さん。2人の会話がどのように進むのかと思っていると、林部さんの「青山陸の頃から知っています」のひと言で冒頭から急展開に。前編では、次々と出てくる2人の共通項に驚きながら、RIKUさんが林部さんのルーツに迫ります。

取材・文 / 清本千尋 撮影 / 曽我美芽

僕ら、ライバルだったんですね

RIKU(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE) 最初の企画会議を終えて、対談相手を考える中で真っ先に林部智史さんのお名前を挙げたんです。なので今日お会いできて本当にうれしいです。

林部智史 それはそれは。ありがとうございます。どこで僕のことを知ってくれたんでしょうか?

RIKU 僕が林部さんを知ったきっかけは、テレビ番組「THEカラオケ★バトル」です。林部さんが歌っているところを拝見して、声に一目惚れならぬ一聴き惚れしまして。それから林部さんがアップしている歌唱動画を観てどんどん好きになっていきました。林部さんは僕らTHE RAMPAGEのことを知っていましたか?

林部 もちろん。たぶん僕は、RIKUさんが僕のことを知ってくれるより前にRIKUさんのことを知っていましたよ。青山陸の頃から知っています。

RIKU え!?

林部 というのも、僕は「VBA4」(2013年に開催されたオーディション「EXILE Presents VOCAL BATTLE AUDITION 4 ~夢を持った若者達へ~」。このオーディションでRIKUはTHE RAMPAGEのボーカルメンバーに選ばれた)を受けておりまして。

RIKU マジすか……。

林部 実は「VBA2」(三代目 J SOUL BROTHERS from EXILEを選出するべく行われた2010年開催のオーディション「EXILE Presents VOCAL BATTLE AUDITION 2 ~夢を持った若者達へ~」)も受けていて、「VBA4」が年齢的にもラストチャンスだったので挑戦したんですけど一次も通りませんでした。当時「THEカラオケ★バトル」にも出演していたんですけど、「VBA4」に落ちたあとも「週刊EXILE」をチェックしていて、「陸くん、行けそうだな」とオーディションの動向を追っていました。

RIKU えー! ヤバいな……。僕も高校生の頃に友達と一緒に「VBA2」を受けたんですよ。学ランを着て「EXILEの前で歌って思い出作ろうぜ!」って。高校1年生のときは二次まで行って学校のスーパーヒーローになってました。

林部 その時点で二次まで行っていたんだ。すごいね。それはスーパーヒーローになりますよ。

RIKU いやあ、まさか「VBA」でご一緒しているとは……。今まで直接お会いすることはなかったですけど、僕ら、ライバルだったんですね。

林部 ということですね。

「プロになれない」と悟るとき

RIKU 僕は高校卒業後、EXPG STUDIO(LDHが運営するスクール)に通って、「VBA4」を受けてデビューしたという経緯があるんですが、林部さんはどうやって歌手になったんでしょうか? そもそも歌い始めたきっかけはなんだったんですか?

林部 子供の頃から歌が大好きでそれなりに歌ってきたけれど、僕は山形県出身で東北の山奥で育ったから、歌手という職業が別次元のものだったんですよ。RIKUさんは埼玉県出身ですよね?

RIKU そうです。

林部 歌手になる前、僕は埼玉でボーカルトレーナーとして働いていた時期があって。埼玉にはそういうニーズがあるからその仕事ができたんですけど、山形にはそういう仕事がないんですよ。高校時代はプロバスケット選手を目指していたんですけど、同時に歌も好きでEXILEをよく歌っていました。RIKUさんは学生時代にサッカー選手を目指していたんですよね?

RIKU はい。でも中学生の頃に「自分はプロにはなれない」と悟りました。

林部 悟るよね(笑)。

RIKU 親は「あきらめないほうがいい」って言うけど、本人としては「これは無理だな」という感覚がはっきりありますよね。

林部 うん。大会とかに出るとすごい人にたくさん出会いますしね。

DOBERMAN INFINITYのKAZUKIくんとも知り合いですか?

林部 そうやって僕もRIKUさんと同じように「プロになるのは無理だな」と思う瞬間があって、高校を卒業してからは親の影響で看護師を目指したんです。でも看護学校も辞めてしまって、それ以降は全国でホテルマンとか、いろいろ住み込みで働くようになりました。

RIKU そこでバイト仲間に「こんな歌声を持っているのに歌手にならないなんてもったいない」と言われて、ESP学園(楽器の演奏技術やボーカルなどを学べる音楽学校)に通うようになったとインタビューで読みました。

林部 そうそう。それで上京して新聞配達で学費を稼ぎながらESPに通っていました。ただESPに行くきっかけになったのは「VBA2」で落ちたのが悔しかったからです。

RIKU そこで本気になったんですね。僕も重なる部分があって、もともと音楽好きで学生の頃から友達とカラオケに行ってEXILEを歌っていたんです。サッカー選手の夢をあきらめて、思い出作りで「VBA2」に参加して落ちたときにめちゃめちゃ悔しくて「絶対EXILEを見返してやる!」という気持ちになったんですよ。それからボイトレの動画を観て練習をする日々が2年ぐらい続いて、EXPGの特待生オーディションを受けました。

林部 RIKUさんが本格的に歌手を目指したのも悔しさからだったんですね。EXPG時代は(板床)悠太郎くんとかと一緒に歌っていましたよね。

RIKU そうです! ちなみに林部さんはDOBERMAN INFINITYのKAZUKIくんとも知り合いですか?

林部 林和希(KAZUKI)も同じ学校でした。そこまで仲がよかったわけじゃなかったから向こうが覚えているかわからないけど……。で、僕はESPを卒業してからは東京ディズニーシーで働きはじめて。

RIKU へえ! パーク内のどこで働かれていたんですか?

林部 パーク内をゲストの方と一緒に歩いて説明しながらご案内するというガイドツアーを担当していました。RIKUさんはディズニーもお好きなんですよね?

RIKU ディズニー大好きです! ディズニー映画の主題歌と声優をやることが夢の1つにあります。シーは、去年のお正月に幼なじみの男2人で行って、お酒を飲みながら遊びました。

林部 いいですね(笑)。でも東京ディズニーシーで働きながら「THEカラオケ★バトル」に出続けるのは難しかったので、キャストを辞めてボイトレの講師に転向しました。そこからはボイトレの講師として働きながら、定期的にライブハウスでライブをするという日々でしたね。それが3年ぐらい続いてデビューが決まったという感じでした。

RIKUが林部智史の歌声に惹かれた理由

RIKU そもそもなぜ「THEカラオケ★バトル」に挑戦しようと思ったんですか?

林部 「THEカラオケ★バトル」は、まずテレビに出られるというのが大きなチャンスだなと思ったんです。今だから言えることだけれど、番組でより多く歌ってこの機会をしっかりと“使おう”という思いがありましたね。優勝したい、勝ちたいというよりはデビューをしたいという思いが強かったんです。

RIKU そうだったんですね。でも歌手になることと、カラオケでいい点数を出すことはちょっと違うというか……。

林部 おっしゃる通りで、自分の本来の歌い方ができなくて、機械を喜ばせる歌を研究しているときって「自分の歌が点数で評価されるなんてどうなの?」と葛藤したし、「これで本当に歌手の道に向かって進めているのかな?」と不安になる時期もありました。優勝できるように選曲や点数の取り方をしっかり研究して練習したから、優勝は自分の中では当たり前だったというか。

RIKU 優勝はデビューへのステップとして考えていたんですね。機械を喜ばせることに葛藤があったという話を聞いたうえで、僕がなぜ「THEカラオケ★バトル」に出ている多くの人の中から林部さんの歌に惹かれたのかを考えてみると、点数のために歌っているのではなくて、その先のデビューを見据えて歌っていたからだと思うんですよね。点数があとから付いてきているように聞こえたんですよ。自分の好みの歌声だったというのも理由の1つですけど、曲と林部さんの伝えたいメッセージがリンクして、画面越しにも思いがしっかり伝わってきたから感動したんだろうなって。生意気ながらそんなふうにずっと思っていて、ずっとお会いしたかったんです。

林部 ありがとうございます。

がんばれるのは悔しさから

RIKU 「THEカラオケ★バトル」で2年連続王者に輝いた林部さんは、2016年にシングル「あいたい」で念願の歌手デビューを果たします。一方その頃、僕らTHE RAMPAGEは2回目の武者修行で全国行脚している時期でしたが、林部さんは有線全国ランキングで1位を獲ったり、「日本レコード大賞」で新人賞に輝いたり、華々しいデビューの1年でしたよね。

林部 それが意外とそうでもないんですよ。デビュー日に初めてCDショップに行ったらCDが置かれてなかったんです。もう1軒回ったけど、そこにもCDがない。そういう悔しいデビュー日でしたね。デビューしたからと言って急にいろいろ変わるわけじゃないんだなと思い知らされたというか。

RIKU そうだったんですか……。

林部 THE RAMPAGEさんはデビューのとき、もちろんどこのCDショップにもCDが置かれていたと思います。それは武者修行もそうですけど、しっかりデビューまでの過程があるからなんですよね。僕は「THEカラオケ★バトル」での知名度があったし、ある程度は土台ができたうえでのデビューだったと思っていたんですけど、まだまだ0からのスタートだったんだ、とデビュー日に自分の立ち位置を思い知って。だからデビューの年は華々しいように見えて、実はデビュー曲とともに本当に0から積み上げていく年でしたね。

RIKU いやでも、僕らのCDがデビューのときにちゃんとCDショップで展開されたのは、“from EXILE TRIBE”という名前があるゆえだと思うんですよね。それは当時から重々感じてました。デビュー日にCDショップを覗くと、修行していた頃から応援してくれていたファンの方がCDを購入してくださっていてうれしかったですけど、隣には有名なアイドルグループの方やバンドさんの大きいブースがあって、そっちに人が集まっているのを見かけて。環境がいいだけに感じた悔しさもありました。

林部 ああ、そういうこともありますか。

RIKU そうなんです。武者修行も大変で、自分たちで会場にアポを取って、当日現地でチラシを配って、ストリートライブをやっても来てくれるのは10人くらい。「週刊EXILE」(LDHファミリーが出演するテレビ番組)で告知があった日はたくさんお客さんがいたので、自分たちだけでやるのはこんなにも大変なのかと思ったことを覚えています。

林部 基本的に、がんばれるのは悔しさからだよね。この世界にいる人たちは基本的に負けず嫌いだし。

RIKU 単刀直入に言っちゃうと、僕らを含めこの世界にいる人たちは承認欲求が強いんですよね。

林部 まあそういうことですよね。

「まあだだよ」は優しさの詰まった作品集

RIKU 林部さんがステージで歌ううえで一番大切にしていることはなんですか?

林部 最近まではいかに“カラオケ歌手”を卒業できるかを考えて活動していたと思います。点数至上主義だった頃の自分を超えないとダメっていうのがずっと自分の中にあったんですよね。その先でやっと林部智史というジャンルをいかに構築していくかというところに目を向けられるようになって、自分にしかできないこと、自分が求められていることを突き詰めるようになりました。今は自分の思いを歌にきちんと乗せることを大事にしています。

RIKU 1月にリリースされたアルバム「まあだだよ」も聴かせてもらったんですけど、このアルバムは「愛燦燦」などを手がけたレジェンド、小椋佳さんが全曲の作詞作曲を手がけているんですよね。生意気なことを言うようですけど、小椋さんの言葉のはずなのに、林部さんというフィルターを通すことで、林部さんのメッセージだとしっかり伝わってきました。「THEカラオケ★バトル」時代とは歌い方が根本から違う印象で、林部智史という歌手らしさを存分に味わえるアルバムで、ファンの方、そしてこれから林部さんの音楽に出会う方、すべての方を思って作られた、優しさの詰まった作品集だなと思いました。

林部 わあ、うれしい。ありがとうございます。

RIKU いち林部智史さんファンの僕はこのアルバムをほかの人にもオススメしたいと思いました。「まあだだよ」、僕は全力でプッシュしていきます!

「音楽大陸」Vol.5後編は3月19日(金)公開予定です。

林部智史(ハヤシベサトシ)

1988 年5月7日生まれ。山形県出身のシンガー。テレビ東京系「THEカラオケ★バトル」にて2年連続年間王者となり、歌手デビューのきっかけをつかむ。2016年2月にシングル「あいたい」でデビューを果たすと、 “今、もっとも泣ける歌”として口コミで広がり発売後4カ月で有線全国ランキング1位を獲得。2016年末には、「第58回輝く!日本レコード大賞新人賞」「第49回日本有線大賞新人賞」を受賞した。2018年1月に1stアルバム「I」をリリース。2021年1月に小椋佳が全曲書き下ろしたアルバム「まあだだよ」を発表した。3月28日にデビュー5周年記念コンサート「林部智史 5th Anniversary Concert~春、歌を咲かせよう~」を神奈川・神奈川県民ホール 大ホールにて行う。

林部智史オフィシャルサイト

RIKU(リク)

1994年8月10日生まれ。THE RAMPAGE from EXILE TRIBEのボーカル。2014年4月に行われたLDH主催オーディション「EXILE Presents VOCAL BATTLE AUDITION 4 ~夢を持った若者達へ~」に合格し、THE RAMPAGEのボーカル候補生となる。同年9月に行われた「武者修行ファイナル」で正式メンバーに昇格。2017年1月にシングル「Lightning」でメジャーデビューを果たした。2021年2月に3rdアルバム「REBOOT」をリリース。3月から4月にかけてホールツアー「THE RAMPAGE PROLOGUE LIVE TOUR 2021 "REBOOT" ~WAY TO THE GLORY~」を開催する。RIKU個人としては毎週金曜日にメンバーの陣と共にスペースシャワーTV「ライブを100倍楽しむLIVE YEAH!!!」、bayfm「WEEKEND THE RAMPAGE」にレギュラー出演中。

@_riku_r.m.p.g_ldh・Instagram photos and videos

RIKUさんの近況

THE RAMPAGEとしては、
アルバムリリースもあり、様々なテレビ番組やラジオ等に出演させていただく機会が多くありました!!
ありがたい限りですね。。。

プライベートの報告で、トレーニングがどうたらこうたらはもう飽きましたよね?笑
あいもかわらずやってます。
あとは、友人が我が家に遊びに来たり!
そこで近況報告しあったり、弾き語りの動画を撮ったり!!
そんな空き時間を過ごしてました!!

そして、毎度お馴染みおすすめの1曲は!
我々THE RAMPAGEの「BOND OF TRUST」です。
メンバー間の絆の強さを歌っていますが、
実はそれだけではなくて、僕たちランペと応援してくださる皆さんとの結束の強さも同時に歌っております。

なかなか直接コミュニケーションをとる機会に恵まれない時間が続いていますが、「離れていても心は繋がっているんだ」と言うメッセージが込められており、状況的にも心情的にも「支え」となる楽曲だと思うので、僕自身大好きな曲です!