世直しじゃー!瀬々敬久特集で「菊とギロチン」やピンク映画など11本
映画
ニュース
「世直しじゃー!! ―こんな時代に瀬々敬久特集―」チラシ表
特集上映「世直しじゃー!! ―こんな時代に瀬々敬久特集―」が3月6日から12日にかけて東京・K's cinemaで行われる。
本特集では「糸」や「楽園」などで知られる瀬々敬久が監督を務めた作品10本と、プロデュースを担当した「石巻市立湊小学校避難所」がスクリーンにかけられる。ラインナップには女相撲の力士たちとギロチン社の若きアナキストたちが心を通わせていくさまを描いた「菊とギロチン」、ドキュメンタリー作家の“私”とユダと呼ばれる性同一性障害の少年を軸に展開する「ユダ」に加え、瀬々作品の常連・川瀬陽太の商業映画デビュー作「End of The World」、佐野和宏、石原ゆり、葉月蛍(ほたる)がキャストに名を連ねた「現代群盗伝」といったピンク映画も並んだ。さらに第61回ベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞とNETPAC賞に輝いた「ヘヴンズ ストーリー」が初めてDCP上映される。
なおトークショーには瀬々が連日登壇するほか、川瀬、佐野、ほたるらも参加予定だ。詳細は劇場公式サイトで確認を。
瀬々は「たとえ身を窶(やつ)していても、映画にはまだまだ『変える力』があるのだ、そう思っている。回顧することなく、現在形として。今、こんな時代だからこそ『世直しじゃー!』なのだ」と語っている。
特集上映「世直しじゃー!! ―こんな時代に瀬々敬久特集―」
2021年3月6日(土)~3月12日(金)東京都 K's cinema
料金:一般 1300円 / シニア 1000円
※「ヘヴンズ ストーリー」は2000円、「菊とギロチン」は1500円
<上映作品>
「ヘヴンズ ストーリー」
「菊とギロチン」R15+指定作品
「わたくしといふ現象は仮定された有機交流電燈のひとつの青い照明です」(公開題「禁男の園 ザ・制服レズ」)R18+指定作品
「迦楼羅の夢」(公開題「高級ソープテクニック4 悶絶秘戯」)R18+指定作品
「トーキョー×エロティカ」R18+指定作品
「End of The World」(公開題「すけべてんこもり」)R18+指定作品
「ユダ(2004年)」
「なりゆきな魂、」
「少年版私慕情 国東 京都 日田」
「現代群盗伝」(公開題「未亡人 喪服の悶え」)
「石巻市立湊小学校避難所」
<トークゲスト>
3月6日(土)12:30~「ヘヴンズ ストーリー」瀬々敬久、山崎ハコ、長谷川朝晴
3月7日(日)14:30~「菊とギロチン」瀬々敬久、木竜麻生
3月8日(月)16:20~「End of The World」瀬々敬久、川瀬陽太
3月9日(火)15:30~「なりゆきな魂、」瀬々敬久、足立正生
3月10日(水)12:30~「ヘヴンズ ストーリー」瀬々敬久、栗原堅一
3月11日(木)13:00~「石巻市立湊小学校避難所」瀬々敬久、藤川佳三(リモートで参加)
3月12日(金)13:00~「現代群盗伝」瀬々敬久、佐野和宏、ほたる
3月12日(金)14:30~「菊とギロチン」瀬々敬久、前原麻希、荒巻全紀
※すべて上映後
瀬々敬久 コメント
若い頃、70年代の終わりから80年代初頭にかけ自主映画とピンク映画で次々と若い監督たちが新しい映画を作っていた。映画が何かを変えるのだと思った。そこには「変革」があるのだと思った。自分も同じ旗を振りたいと思った。その頃読んで夢中になったのが「秩父事件」(井上幸治)、東アジア反日武装戦線について書かれた「狼煙を見よ」(松下竜一)。「明治の圧政政府」や「国家の暴力」に抵抗した人々の話だ。90年代にピンク映画でそれらをモチーフにした。一方で90年代は新しい犯罪の時代だった。「人が人を殺す」ということを描いた。0年代になって「ヘヴンズストーリー」を自主で作り、その問題を掘り下げようとした。10年代は「菊とギロチン」で再び「変革」について考えた。たとえ身を窶(やつ)していても、映画にはまだまだ「変える力」があるのだ、そう思っている。回顧することなく、現在形として。今、こんな時代だからこそ「世直しじゃー!」なのだ。