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新しい地図の3人が切り拓いた、『ななにー』でのボーダーレスな世界 チョコプラらとの楽しい7.2時間

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リアルサウンド

 稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾による月に一度の7.2時間生放送番組『7.2 新しい別の窓』(ABEMA、以下『ななにー』)。36回目を数える今回は、1都3県の緊急事態宣言再延長で、まだまだ先の見えないコロナ禍の気分を、明るく照らしてくれるような笑いの絶えない内容となった。

 『ななにー』が始まって3年、3人を取り巻く環境は大きく変化してきた。特に今年になってからは、それぞれドラマに舞台にと忙しい日々を過ごしており、3人が揃う場所はこの『ななにー』のみ。その貴重な時間を、視聴者と生放送でつながることができるのも『ななにー』の魅力だ。まさにNAKAMAにとって「ホーム」とも呼べる場所となっている。その安心感は、3人のリラックスした余裕ある対応からも感じることができる。

 実は今回、オープニングは草なぎと香取2人のみで登場していた。稲垣が渋谷区の成人式に出席していたことから、遅刻しているというのだ。だが「本番5分前にはスタジオに間に合っていた」という稲垣。タブレットを用いてリモートでつなぐのも、成人式会場から急いで駆けつけたライブ感を出すための遊び心あふれる演出だった。スタジオ入りした稲垣の手には、「稲垣リモート用」と書かれたタブレットが。SNSデビューした3年前を思い返すと、よりツールや仕組みを使って「遊ぶ」という感覚がぴったりになってきた。

ななにー

 「一緒に遊びましょう」番組が始まった当初、彼らがよく言葉にしていたことを思い出す。だが、最近ではそうした言葉を出さなくても、ここは彼らにとって「唯一無二の遊び場」という認識がゲストにも浸透してきたように感じる。

 いつも共演者やスタッフの名前をなかなか覚えられないという草なぎに、香取がゲストのチョコレートプラネットのそれぞれの名前がわかるかどうかと振ってみせる場面も。すると、草なぎは松尾駿のことを「林さん?」、長田庄平のことを「上田さん?」と期待以上の珍回答をしてみせる。かと思えば、草なぎだけではなく稲垣も、松尾は正解するも、長田のことを「カジさん?」とイメージで命名してしまう。

 そうして稲垣が矢面に立っているすきに、今度はこっそりスマホで2人の名前を検索し始めるTHE自由人な草なぎの姿も。「わかった」と言わんばかりにニコニコしながら「マツオさんと、ナガタさん!」と言ってみせるも、残念ながら「長田」は「オサダ」と読むのが正解。ということで「ちゃんと検索して!」と香取からツッコまれてしまい、ふたたび笑いがこぼれた。

ななにー

 もしかしたら失礼とも言われかねない状況。だが、この『ななにー』というホームの中において、ファミリーとして招かれたという距離感と考えれば、むしろかしこまらないそんなやりとりこそが温かく感じられるものだ。チョコレートプラネットの持ち込み企画「スーパーマウスホーンチャレンジ」でも、そんなやり取りを感じることができた。

 長田が発明した「スーパーマウスホーン」は少しの息で大きな音が出るお笑いアイテム。足つぼマットやケツバットなど、バラエティのリアクション芸でおなじみのアイテムを前に、いかに音を出さないでやり過ごせるか、というのが趣旨のチャレンジだ。だが、球状の部分を口に含むことから、3人は音が出る出ない以前に「よだれが出る」と苦笑い。

ななにー

 スーパーマウスホーンをグッズとしても店頭販売していることから、チョコレートプラネットとしては「そんなことない!」と反論。それでも「よだれ出るよ」「出ません」「気分も悪くなってきた(笑)」「なりません!」と押し問答していく様子も、遠慮がなくて微笑ましい。

 もちろん、チョコレートプラネットの持ち込み企画に対して、3人も全力で応えるからこそより信頼関係は深まっていくというもの。なかでも、低周波治療器&スネにお玉をコンコンされる稲垣を見て、香取は「この番組が始まって、一番頑張った吾郎ちゃん。いや、ここ30年見てて一番頑張ったかも」と、大笑いしていたのも印象的だった。

 また、3人と共演実績のある俳優の片桐仁、要潤、関水渚、津田寛治、MEGUMIが登場した役者トークのコーナーでも、現場で見かけた3人の謎行動を暴露して大盛り上がり。MEGUMIが「リハーサルが終わると急に技術スタッフの会話に参加。完全に技術さん向けのコントをやってました」という香取の謎行動について話すと「もう『アノニマス』チーム、余計なこと言わないで(笑)」とトホホ顔を見せていたのも、新鮮だった。

 加えて、津田寛治から打ち上げ後に草なぎと香取が、夜の駐車場で誰も見ていないのに映画『ALWAYS 3丁目の夕日』の再現シーンをやり続けていたこと、稲垣が稽古で演出に指示されたことを無視し、片桐仁の前ではおちゃめな行動をしてみせること……など、次々と3人の素顔が明らかになっていく。

 カメラが回っていないところでも、サービス精神旺盛な彼らとは、一度共演したら皆が好きになってしまうのだろう。究極の3択・妄想芝居編では、皆が3人とどんなシーンを演じたいか、という妄想トークで花が咲く。こんなに盛り上がるとは、とMCを務めたキャイ~ンが驚くほど、熱気あふれる展開になった。

 「真っ当なアイドル以外になりたかった」ーー稲垣は『インテリゴロウ』のコーナーで、これまでを振り返り、そんな言葉をつぶやいた。彼らがSMAPとして切り拓いたオールラウンダーなアイドル像は、今やむしろ真っ当なアイドルの形になっている。体当たりな企画を全力で取り組み、率先してモノマネも披露していく。そのジャンルレスな活躍の日々は、アイドル、芸人、俳優、作家、キャスター……と、様々なボーダーを取り外し、よりフラットにその人のことを「大好き」と言い合える世界を作ってきた。

ななにー

 しかし今、彼らが取り払ってきたボーダーが、むしろ距離を取って分断しなければならない世界になってしまった。きっと大人こそ思いっきり大笑いできる遊び場を探している。月に一度、距離を保ちながらも皆で笑って「楽しかった」「またやりましょう」という笑顔があふれる『ななにー』は、窮屈なコロナ禍において貴重な場所となっていくに違いない。

 4年目に突入する『ななにー』。ますますエイジレスなアイドルとして、私たちを楽しませてくれる彼らに、来月もまた会えるのを楽しみに。3月も「がんばりましょう」。