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『おちょやん』杉咲花、篠原涼子に続く“強い妻”に 心に刺さる結婚の先輩・みつえの一言

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 千代(杉咲花)と一平(成田凌)が夫婦となり、3年の月日が流れた。一つ屋根の下、仲むつまじい暮らしを送っているかと思いきや、千代は一平や劇団員の寝食の世話に追われる日々を送っている。NHK連続テレビ小説『おちょやん』が第14週初日を迎え、千代と一平のやや不穏な結婚生活が垣間見える回となった

 遅くまで飲んでいたと思しき劇団員たちを帰した後、千代は一平を起こし、朝食を用意して待っている。しかし一平は「ええ話思いついたさかい、忘れんうちに書いとかな」と朝食そっちのけで台本に向かってしまう。

 岡安でシズ(篠原涼子)が「離縁し」と口にしたとき、千代は一平に対する不平不満をバーッと吐き出した。宗助(名倉潤)同様「離縁」の響きにハラハラした視聴者もいるかもしれないが、思いを吐き出し、表情がスッキリした千代を見れば、今すぐ離縁する気はないと分かる。

 とはいえ、そこで千代たちの結婚生活に安心感が芽生えるかというとそうでもない。物語冒頭、千代は「ええかげんに起きさらせ!」と寝ている劇団員に啖呵を切ったが、その姿はまるで酒を飲んでばかりのテルヲ(トータス松本)に蹴りを入れた幼き頃の千代のようだった。千代に生活の全てを託して過ごす一平や劇団員の中にテルヲが混ざっていても、正直、違和感がない。また第13週でも千代は、一人暮らしを始めた一平の食卓でテキパキ動いていたが、一平たちに甲斐甲斐しく世話を焼く姿は、妻というよりお茶子のようだった。威勢よく言い放ちながらも面倒を見る姿は千代らしいといえば千代らしいのだが、それが夫婦として最善の関係なのかは疑問が残る。

 千代は「座長の妻として、うちがいろいろ面倒見なあかんこともあんねん」と快活に話していたが、みつえ(東野絢香)が言った「あんた、劇団と結婚したんちゃうで」が心に刺さる。後に、千代が鶴亀家庭劇の座長である一平と夫である一平に向き合うことがあるとすれば、この言葉は彼女の胸に強く響くことになるだろう。

 千代と一平の夫婦関係が気になる初日だったが、鶴亀家庭劇の動きも見逃せない。世界の喜劇王チャップリンの来日に際して、鶴亀家庭劇は須賀廼家万太郎(板尾創路)の一座と競うことに。千之助(星田英利)の鋭い眼光が、波乱の幕開けを感じさせる。

■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『おちょやん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45
※土曜は1週間を振り返り
出演:杉咲花、成田凌、篠原涼子、トータス松本、井川遥ほか
語り:桂吉弥
脚本:八津弘幸
制作統括:櫻井壮一、熊野律時
音楽:サキタハヂメ
演出:椰川善郎、盆子原誠ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/ochoyan/