さくらしめじ、最後の10代での成長「大切な人に会いにくい今、『ボタン』のように人と人とをつなげたい」
音楽
インタビュー
さくらしめじ 撮影:杉映貴子
10代のもどかしい恋や切ない別れ、明るい未来への真っ直ぐな眼差しを歌ってきた、さくらしめじの田中雅功と髙田彪我。ハタチを目前とし大人への階段をのぼり切ろうとしている今、リリースされるのが2021年3月10日発売の2ndミニアルバム『ボタン』である。初期楽曲のアコースティックバージョンあり、SNSで話題となったシンガーソングライターとのコラボ曲あり、インスタライブを通してファンと作り上げた曲ありの充実の内容は、幅広い世代を満足させる完成度だ。
今日は2人に、制作秘話や注目ポイントはもちろん、アーティストとしての現状や未来の希望などを、たっぷりと聞かせてもらった。
初期の人気曲は、今だからこその歌い方で魅力再発見
――2021年3月10日に、2ndミニアルバム『ボタン』が発売されました。まずは、タイトルに込めた思いをお話しください。
雅功 “ボタン”って結構いろんな意味がある言葉です。花の牡丹、レコーダーなんかについている押せるボタン、服についているボタン……。
――確かに最初にタイトルを聞いたとき、「『ボタン』って、どのボタン?」と思ってしまいました。
雅功 そういうことを踏まえて、複数の意味を込めてタイトルにしました。というのも、去年から急に、今まで出来ていたことができない、会いたい人に会えないっていう状況に、世の中的になったじゃないですか。僕ら含めてみんな、気持ちが沈みがちになることが多かったと思うんです。だからこのミニアルバム『ボタン』で何かが変えられたらなと、願っています。
――状況を変えるひと押しの『ボタン』ですね。
雅功 更に、僕らの曲を聴いた人と僕たち、もしくは聴いた人同士がそれぞれ、『ボタン』でつながれたら、つなぎとめられたらすごいなって。そういう人と人との懸け橋のような、服の布を合わせるボタンのような、ミニアルバムにしたかったんです。
――素敵な思いを込めたタイトルだったんですね。この『ボタン』には6曲が収録されていて、うち3曲は以前リリースされた曲のアコースティックバージョンです。例えば『きみでした』は2015年に出された曲ですが、当時と今との違いは何でしょうか?
彪我 今回、アコースティックバージョンということで、改めて制作していったんですけど、新しく歌う際に歌詞の意味をもう1度、2人で考え直してみたんですね。すると、2015年の『きみでした』リリース時とは違う考え、とらえ方が生まれてきました。
――お2人の成長と共に、新たに見えてきたものがあったんですね。
彪我 当時は「ちょっとまだ好きかどうかわからないけど、これは恋なのかな?」っていう、芽生えたばかりの感情に戸惑う、甘酸っぱい曲だと思っていたんです。でも今回は、失恋って見方もできるんじゃないかって話になりました。そういう新たな視点からこの曲を見つめ直すことによって、同じ曲なのに全く違う曲を制作しているようで、楽しく新鮮な気分で作業が進められました。因みにMVも、今回の解釈で新しくつくりました。
――歌い方も、大人っぽくなっていました。
雅功 アハハ、改めて歌うからには、やはり成長を少しでも見せたかったんです。歌もギターもひと工夫してレコーディングしました。
――ギターの工夫は、主にどんなところを?
彪我 アコギってやっぱり、いろんな表現ができます。それらを引き出すため、優しく弾いたり、強く弾いたり……ギターの繊細な表情を意識してレコーディングしました。
雅功 ただ僕らは今回、たまたま『きみでした』の解釈を失恋という形に収めましたが、すべての人に失恋曲として聴いてほしいとは思っていません。僕らは今回、アコースティックバージョンを作るうえで、1つの曲でもいろんな考え方ができるっていう可能性に気づけて、それがとても大きな発見だったんです。だから『きみでした』がぜんぜん失恋に聴こえない人もいるだろうし、なんならそういう風に聴いてもらいたい。つまりは、自由にしてもらいたいんです。
――解釈が歌い手と違ってもいいって、目からウロコなファンも多いのでは?
雅功 アコースティックバージョンは、比較的シンプルなサウンドです。自由度が増すので、理想的な形になったと思います。MVの話も先ほど出ましたが、今回のMVは1回見ただけでは結局どういうことなのか、あまり明確になっていません。僕が脚本をさせてもらったんですが、監督と一緒に、「考える余地を残したいね、ストーリーや結末を見た人それぞれが想像できる作品にしたいね」ってずっと話していたんです。MV公開後、私はこういうストーリーだと思う、私はこうだと思うっていろんな感想を持ってくれた人たちがいるのをSNSで見て、すごく嬉しかったです。
余白がある作品ってすごく魅力的ですよね
――音楽の良さは、余白があることですよね。
雅功 そうですね、余白がある作品ってすごく魅力的です。1から10まで出す側が説明するものは、ちょっと自分本位じゃないですけど、うーん……。
僕らはみんなでつながり合う音楽っていうのを結成当初から大切にしていて、「みんなでさくらしめじだ」って、ずっと言っていたんです。だから余白は必要で、これからは更に必要になってくるんじゃないかな。みんなで一緒に音楽を作るっていう感じを、もっと出せたらなってって思います。
――では次に『またたび』についてお伺いします。これにもまた、今だから表現できたことがあったのではないでしょうか。
彪我 『またたび』リリース時は、「野良ネコとボク」みたいな可愛らしい、でもちょっと切ない曲だと思っていました。ただ今、改めて見るとこれは「ネコとボク」ではなくて家族のことを思う歌なのかなと。サビの歌詞で「温かい家族とか 大切な言葉とか」「ぎゅっと抱きしめてくれる人はいるのかな」って、ネコに問いかけるように言っているけど、実は自分が問われているのかなと感じました。
雅功 この『またたび』っていう歌もアコースティックバージョンにするうえでメチャメチャ2人で話し合ったんですが、先ほどの『きみでした』の新たな失恋解釈と同様、どこかに新たな視点、明確な違いを残したいというのが、共通の思いとしてあって。『またたび』は、彪我の言った通りネコとボクの日常話っていう解釈がリリース時にあったけど、今回もっと奥を見たいねって話になりました。
――奥を見る、というのは裏の設定を読むということでしょうか?
雅功 『またたび』の歌詞の中の一人称の男の子は、何歳で、どういう子で、どういう家族がいて、どういう思いでネコとしゃべっていたんだろう。そもそもなんでこの男の子は、ネコに執着しているんだろうって、彪我と2人で話して詰めていきました。その結果、ネコっていうものを介して自分を見つめ直しているっていう結論になりました。だからネコと自分をちょっと重ねちゃっているんだろうし。
――1人でフラッとしているネコと自分を重ねている……確かにそうですね。
雅功 ネコと自分を重ねて、家族や友達を思ったり、自分にとっての大切な人をまた思い返しているんじゃないかなって、2人で話しました。そういう新しくて明確な解釈が出来たことによって、歌も大いに変わるんじゃないかと。
――お2人で、物語の世界観を新たに作ったんですね。
彪我 そうですね、世界観は広がっていきましたね。話せば話すほど。
――それによって演奏も歌も変わった自覚はありますか?
彪我 全然違いますね。ここをこう表現しようって2人で決めると、自然とそっちに持っていこうというか、そういう表現をしようってなるし、お互いの意見も出てくるし。
――方向性がブレなくなるうえ、お互いの交流が活発になる。
彪我 そういうものを含めて、アコースティックバージョンにしたのは、すごい良かったなあって思いました。
――アコースティックバージョンって、シンプルなぶん、演奏力・歌唱力がより問われる気がします。
彪我 そこは真剣勝負ですね。難しいところもいっぱいありましたが、そこは2人で息を合わせて、はい。さくらしめじの力を見てもらいましょう(笑)
――長くやっているお2人だからこそ、できた表現なのだと思います。
彪我 いやあ、そうなんですかねえ。
――『かぜいろのめろでぃー』については、アコースティックバージョンが先行配信されていて、それとは別にボタンバージョンが収録されています。どういう思いでボタンバージョンを作られたんですか?
彪我 ボタンバージョンは、ちょっと楽器が増えた構成になっていて、その他の細かいところも、結構こだわって制作しています。
雅功 この『かぜいろのめろでぃー』自体がすごく面白い曲なんです。『きみでした』と『またたび』は結構、ストーリーができている曲ですが、『かぜいろのめろでぃー』はそうではない。ずっと抽象的というか、心の奥を言葉にした歌詞なんです。そこが今回、この曲と向き合ううえで、すごく面白いところでした。
――面白いと同時に、難しそうです。
雅功 『きみでした』と『またたび』は新しい解釈で歌いましたが、『かぜいろのめろでぃー』は理解を深めて歌ったと言ったほうが正しい気がします。中学3年生だったリリース当時にはわからなかったことが、今はちょっとずつわかってきて、ひとつひとつの言葉に「これってどういう意味だ」「この言葉がここにある理由は何だろう」って、お互いに問いかけ合いました。例えば「風」はこの曲のテーマですが、最初のサビと最後のサビの「風」は同じ形なのか? どういう風に気持ちが変化していっているのを書いた歌詞なのか? ここの熱とここの熱は違うのか、逆に同じところはあるのか?
――そんなに細かく!
雅功 歌詞を分解して、彪我と2人で理解を深めていきました。結構サウンドは静かな曲ですが、2人話しているときは大盛り上がりして。
彪我 「ヤバい! こういうことか!」って、叫びました。
――ずっと歌ってきた曲で、そんなに熱くなれるってすごいですね。
彪我 長く歌ってきた曲でも新発見があるのが、さくらしめじの曲の魅力。僕らがまだ見つけられていない部分も、多分、この3曲にあると思います。それは今後歌っていく中で、見つけていきたいです。
――今までライブで演奏してきた『かぜいろのめろでぃー』の、思い出ってありますか?
彪我 僕は弾き語りも好きですが、バンド演奏が大好きなんですね。なので『かぜいろのめろでぃー』も、バンドでやるのが好きで。細かい所ですが、2Aメロでブレイクが入るところがあるんですけど、そこがバンドだと一斉にキュッ止まって、また再開します。そこが、みんなで一体になって音楽を作っている感じがして、すごく好きです。
――それはまたマニアックな! バンドのグルーブ感が心地いいんでしょうね。
彪我 因みに弾き語りでやると、この曲は2人の歌の掛け合いが結構多いんですが……。
――確かに! いつも息がピッタリだなって思っていました。
彪我 Bメロとか特に、ずっとハモリで歌ったり、掛け合いで歌ったりするんですけど、さくらしめじの2人の仲じゃないと、歌えないなあってちょっと思ったり(笑) 自分たちでね、ちょっと思っちゃったりします!
ステージ上はお互いの気持ちが目線でわかります!
――ライブでお2人で演奏しているとき、お互いの考えていることって、わかるんですか?
彪我 わかる?
雅功 わかると思う。
彪我 本当?
雅功 わかっていると思う。
――目を合わせたら伝わる、という実感があるとか。
彪我 たまにはこう……ありますね。例えば去年の12月末にやった忘年会ライブで、リクエストを募るコーナーがあったんですが、普段は雅功が歌うところを僕が歌う、みたいに歌い分けをゴチャゴチャにして歌ったんですよ。
雅功 その場でパートを交換してね。
彪我 ステージ上で、即興でやりました。そのときは目線で「次、歌えよ」って伝えて、「ええ~っ」ってなりながら歌ったり(笑) そう考えると結構、ステージ上で目線でわかることって、たくさんあるかもしれないです。
――「あ、今、ギターミスっちゃった」とか、失敗を伝えたり?
雅功 そうですね。たまにギターの弦が切れてしまうことがあるんですが、そういう時は、「あの~、ごめん。弾いて」みたい目線を……あとは「次のオチのところ宜しく」みたいな目線を送ったりとか。いろいろやってますねえ。
彪我 ステージ上での、たいていの相手の気持ちはわかるかな……?
雅功 たまに「ちげーよ」っていうときもある(笑) 「それは求めてねーよ」って。
彪我 アハハハ。僕は「ここ、ガンガン行ってほしい!」っていうときに、雅功が煽りに行ってくれることは、結構あります。だからまあまあ意思疎通、出来てるんです、多分。
――長年一緒にやってきて、お2人も大人になって、前よりもどんどん合うようになったのでしょうか。
彪我 そうですね~。
雅功 ずーっと一緒にいるから、あんまりピンとはこないんですけど。まあずっとこんな感じだった気もするし、なんか深まっていった気もするし。
彪我 ファンの人、きのこりあんたちが一番わかっているんじゃないかな。
雅功 確かに!
――2人の歌唱力、演奏力。作詞作曲力というのも上がっているので、そこでより息が合うっていうのも、あるのかもしれません。
彪我 曲を作るときも「このフレーズいいよね」って思ったヤツが、たまたま合致することはあります。
雅功 僕が彪我に、「こういう曲作ったんだけど、どうすればいいかな」って相談することもありますし。
彪我 そういう意味では、二人三脚というか。2人で歩んでいけているのだと思いますね。
新曲は人気アーティストやファンとのコラボ曲!
――新曲『別れた後に僕が思うこと』は、SNSで恋愛系の投稿が人気のニャンさんが、作詞に参加されています。
雅功 ニャンさんに元となる詩を書いてもらって、それを僕が歌詞にして、アレンジャーの永塚健登さんにブラッシュアップしてもらいました。ニャンさんはおっしゃる通り恋愛系の投稿をSNSでたくさんされていて、「一緒にお仕事しませんか」とお声がけしました。ニャンさん、僕、永塚さんの3人の恋愛観が上手い具合にリンクした、切ない失恋ソングになったと思います。
――なぜ、失恋ソングを作りたい、歌いたいと思ったんですか?
雅功 アハハハ、何でですかね。
彪我 うーん、そうですね~。
雅功 今回『きみでした』も失恋ソングとして歌いましたが、それは昔とのギャップというか変化を見せたいというのが、第一にあったんですね。それとは別で、恋愛の曲でニャンさんとお仕事出来るのであれば、心に響く失恋の曲がいいなと思いました。
――レコーディングはいかがでした?
彪我 今回の収録曲の中で、1番難しかったかもしれません。というのも、リズムが結構跳ねているというか、細かいというか……言葉が割と、タタタタッと詰まっている曲なんです。歌詞の表現も大事なので、ちゃんとハッキリ聞こえるようにっていう基本を抑えつつ、リズムにも遅れられないしで、ハードでした。
――「向き合うには既に遅い感情」とか、胸に刺さる歌詞が素敵です。
雅功 ニャンさんって本当に、共感を呼ぶ詩を書く方なんです。読んでいて「ああ、確かにな」って思うし、切なくなる。今回、作詞に関わっていただいて嬉しいし、良いものが出来上がったという満足感もすごいです。
――雅功さんが特にお気に入りのフレーズはありますか?
雅功 「胸には埋められない穴だけが残ったんだ」っていうところは、すごくニャンさんが出ていると思い、絶対に歌詞に入れよう、入れる意味があるって思いました。そうしたら永塚さんが素晴らしい感じに収めてくれて。僕的にはすごく聴いてほしいポイントになりました。
――お2人はもうすぐ20歳とはいえ、今は10代。10代の失恋って、すごく重たくないですか?
2人 アハハハハ!
雅功 確かに! 友達も言ってましたね、つらいって。
彪我 この曲の主人公は失恋をしてしまって、すごく切ないんだけど、歌っていて「素晴らしい表現だな、素敵な曲だな」って思いました。
――この曲も何年かしたらまた、違ったとらえ方ができそうですね。
彪我 そのためにも、ずっと歌い続けていきたいです。
――そして『ストーリーズ』ですが、こちらは『ポケットからきゅんです!』で話題になった、ひらめさんとのコラボレーション!
2人 そうなんですよ~。
彪我 さくらしめじは、女の子目線の曲というのがほとんどないんです。なので女の子の気持ちを想像して作ってみようと思ったんですが、頑張って努力すればするほど、男くさいというか、なり切れない部分が出てきてしまいました。そうしたら、TikTokでひらめさんが僕らの『きみでした』をカバーしてくださっているのを見て、ひらめさんいいじゃないですか、きゅんですという感じで猛アタックをしまして(笑) そうしたらこの曲を提供していただくことになりました。
――ひらめさんは、すごく女の子の共感を呼んでいる方ですものね。理想的な人選でした。
彪我 更に僕らは、SNSを関連付けた曲も作ってみたいなと思っていたんですね。ひらめさんは歌詞の中に「LINEの既読無視」などの現代的なワードを入れる方なので、そういう面でも、ひらめさんは素敵だな、最高だなって思います。
――この『ストーリーズ』、女の子目線で歌ってみていかがでしたか?
彪我 実は最初は、いざ歌うにあたってどう歌えばいいんだろうって、悩みました。それがレコーディングで、女の子らしさを無理に出さずに、ありのまま、歌詞の通り歌うのが伝わりやすいんじゃないかってことになったんです。それで歌ってみたらやっぱり、この『ストーリーズ』という曲は、ストレートに歌うほうがいいんだって気づきました。
――雅功さんはいかがでしたか?
雅功 今回、レコーディングにひらめさんが参加してくれて、同じ日に一緒にレコーディングをしたんですが、男の僕たちが女の子目線の曲を歌い、そこに女の子のひらめさんの声があることによって、メチャメチャ可愛い曲なのにちょっと切なくなって。色んな可能性が感じられる曲になったと思います。
――曲の厚みが増したんですね。
雅功 あと僕、すごく好きな歌詞があって。Aメロで「信号が青に変わる」っていう部分があるんですけど、ただの風景描写と思いがちじゃないですか。でも青に変わるのは信号だけじゃなくて、気持ちの部分もそうなんじゃないかって、女の子の気持ちになると見えてくるんです。そうなると続きの「あなたに近づいてゆく」も、更にドキッと来ます。Aメロ最初にふさわしい、素晴らしい歌詞だなって思います。
――恋心が、芽生えて加速していくのがわかります! ひらめさんとのお仕事で、他にも何か学んだことや感じたことはありますか?
彪我 実は他のアーティストさんのレコーディングに立ち会うこと自体が初めてだったんですが、ひらめさんはこんな感じでやってるんだ、すごいなって思いながら見ていました。また、ひらめさんがこの『ストーリーズ』に参加することによって、雅功もさっき言っていましたが、輝きが増すというか、ポップな印象が強くなったので、歌のパワーを感じました。
雅功 ひらめさん自身が持っている可愛さっていうのが、すごくって。僕らが真似してできるワケじゃないんですけど、世界観の出し方とか、伝え方みたいなところは、勉強させてもらいました。
――人気の曲になりそうですね。
彪我 色んな人に歌っていただきたいです。
きのこりあんがいたから、できた曲でした
――そして最後に、『会いに行こう』についてお聞かせください。さくらしめじ2人での作詞作曲ですが、どのように制作したんでしょうか。
彪我 『会いに行こう』は、昨年の自粛期間中のインスタライブで、きのこりあんと一緒に作った1曲なんです。なので「作詞/作曲:さくらしめじ」とありますが、本当は「さくらしめじ&きのこりあん」って表記をしたいくらいで。
――きのこりあんがいたから、できた曲なんですね。
彪我 自粛期間中って、大切な人さえなかなか会えないから、こういう曲を作ろうっていうきっかけになったし、この歌詞が生まれました。
――人に会えない状況では、ボタンの掛け違いも起きがちです。お2人が考える大切な気持ちを伝える方法を、あればぜひ教えてください。
雅功 歌ですかね……。
彪我 一緒に聴いて、一緒に歌って。
雅功 歌って、ストレートに思っていることを言えるのがいいんです。好きな人に、ダイレクトに「好き」って言えるのがベストかもしれませんが、難しいじゃないですか。でも歌にしたら言える、伝えられることって、たくさんある。メロディが乗るからこそ、ハーモニーがあるからこそ、心の垣根がなくなると思います。
――直接の言葉では難しいけど、歌なら言えることがある。
彪我 それはありますよね。ぜひぜひ、みなさんにも「歌で気持ちを届ける」ことをやってもらいたいです。
――たくさんの人がさくらしめじの曲を歌って、気持ちを伝えられたら素敵ですね。最後に、このアルバムを聴くきのこりあんたちに、メッセージをお願いします!
彪我 いろんな人の支えがあって、出来上がったミニアルバムです。そういう意味でも、僕らは1人じゃないですし、この『ボタン』で皆さんとつながりたいと思っています。ぜひよろしくお願いします!
雅功 僕らの10代最後の時間は、コロナの自粛期間とかぶってしまいましたが、だからこそ強くなれたこともたくさんあり、『ボタン』はそれを忘れないための大切な1枚になりました。僕たちはみなさんと一緒に成長していきたいですし、また直接会ってラララッて歌える日を楽しみにしています。これからもさくらしめじをよろしくお願いします!
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【応募締め切り】
2020年3月24日(水) 23:59まで
※期間中は何度でも応募可能です。
撮影/杉映貴子、取材/藤坂美樹、構成/中尾巴
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