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2020年のヒット作はこうして生まれた!関係者に聞く人気の秘密 Vol.4 「MIU404」「2gether」

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ナタリー

「MIU404」ビジュアル (c)TBSスパークル/TBS

新型コロナウイルスの流行により、人々の生活が激変した2020年。映画館の休業、新作ドラマの放送延期などエンタテインメント業界もかつてない大打撃を受けた。一方で話題作も数多く生まれている。

1月30日、31日に開催されたオンラインイベント「マツリー」で先行公開した「2020年のヒット作はこうして生まれた!関係者に聞く人気の秘密」では、2020年にヒットした映画とドラマの関係者にインタビューとアンケートを実施。コロナ禍におけるヒットの舞台裏を語ってもらった。

このたびスポットを当てるのはドラマ「MIU404」と「2gether」。作品を初めて観たときの率直な感想や力を入れた施策、世に出てからの反応で予想外だったものをプロデューサーに聞いた。

文 / 佐藤希

「MIU404」新井順子(プロデューサー)

1. 作品を初めて観たときの率直な感想

軽快なテンポ感が心地よく、何よりもキャラクターを面白く作れたなと思いました。綾野(剛)さんと星野(源)さんが想像以上にいいコンビになったなと思っていて、展開の速い作風とマッチしていますし、これまでとはちょっと違う刑事ドラマができたなと。脚本を担当していただいた野木亜紀子さんとは、以前ご一緒した「アンナチュラル」よりも遊びを増やしてもいいかもしれないですね、と話していたんです。例えば伊吹と志摩が“まるごとメロンパン号”で街中を走る、みたいなパッと見「ふざけてるの!?」と思うような設定も、エンタメということで取り入れました。そして、機動捜査隊はいろんな課の人と接することができるので、さまざまな事件を扱うことができました。

2. 力を入れた施策 / ボツになった施策

制作発表会見を予定していたのですが、新型コロナウイルス流行の影響で中止となってしまいました。ですが、ただ中止にするだけではなく、Twitter、Instagram、Facebook、YouTubeでSNSジャックという形で会見を配信しました。この作品は、SNSで404が混乱に巻き込まれる展開を考えていたので、会見を配信することでSNS上で盛り上がり、スタートできたことは、とてもよかったなと今は思えます。

また、放送前にメロンパン号を展示したいと思っていたんですが、コロナの影響で実現できなかったんです。でもしつこくお願いし続けていたら、最終回のタイミングでOKが出まして、今「全国まるごとメロンパン号キャラバン」として、国内を駆け巡っています(笑)。

3. コロナ禍で影響を受けた点

最悪の場合、放送すらできなくなるのではと思っていましたが、たくさんの方のお力添えのおかげで、11本放送できました。撮影では、エキストラさんを多く呼べない、学校や病院は出さないなど、いろいろな規制がある中で撮影を行いました。「撮影自体が難しいのであきらめよう」というケースはたくさんありました。

4. 作品がヒットしたと手応えを感じた瞬間

いいキャストを集めていい演出家を呼んでも、コケるときはコケるので、数字が出るまでドキドキでした。でもヒットした!と思うのは、こうして「ヒットしましたね」とおっしゃっていただくときですね。SNSでもたくさん反響をいただき、そして熱狂的なファンの方々がいてくださることも、ヒットしたと手応えを感じる瞬間です。

5. 作品がヒットした理由はどこにあると考えているか?

伊吹と志摩のコンビ感が受け入れられたというのはとても感じています。彼らのやり取りが面白く、そこにストーリーの魅力や多彩なゲストの魅力が重なって、毎週観たいと思ってもらえたのかもしれないですね。もし、何も事件が起きない伊吹と志摩の休日を描くような内容でも、多くの方にご覧いただけるんじゃないでしょうか。

6. 世に出てからの反応で予想外だったもの

小学生が、伊吹と志摩のモノマネをしていると耳にしたり、SNSにその様子がUPされていたりと、ティーン層のファンが獲得できたことが意外でした。というのも、小学生にはけっこう難しい内容だと思っていたんです。公式キャラクター・ポリまるの存在も、子供たちの人気を得た要因として大きかったかなと思っています。ぬいぐるみを発売したんですが、増産しても追いつかないほどの人気者になりましたね。

7. 当初の目標値と結果

視聴率など数字的な目標は特に設けてはいませんでしたが、とにかく「面白い作品を作りたい」ということを考えていました。新型コロナウイルスの影響で当初の予定より話数は減りましたが、やりたいことは実現できましたし、ラストシーンを変更しながらも完成させることができたのでよかったと思っています。

新井順子

テレビドラマプロデューサー
2020年の一押し作品はNetflix「エミリー、パリへ行く」。

「MIU404」Blu-ray BOX / DVD BOX販売中

税込価格:Blu-ray BOX 3万1680円 / DVD BOX 2万5080円
発売元:TBS
販売元:TCエンタテインメント

「2gether」森ふみよ(WOWOW プロデューサー)

1. 作品を初めて観たときの率直な感想

底抜けに明るくて、楽しくて、すごくハッピーな気持ちになりました! BLが当たり前で、根っからの悪い人もいない世界がとても心地よくて、観ながらずっと微笑んでいた気がします。

2. 力を入れた施策

「2gether」第1話の同時鑑賞会を実施しました。みんなで同じ時間に第1話のWOWOW無料放送を見ながら、Twitterで指定のハッシュタグを付けてつぶやくという施策で、放送当日は多くのツイートをいただきとても盛り上がりました。

3. 作品がヒットしたと手応えを感じた瞬間

地上波の情報番組で特集が組まれたり、女性誌やカルチャー誌でも取り上げられたりしたときです。いま注目の新しいエンタメとして一般的な媒体でも「2gether」が紹介され、限定的な人気ではなくなってきたことを実感しました。

4. 作品がヒットした理由はどこにあると考えているか?

SNSの力がとても大きいと思います。SNS上でファン同士の情報交換が積極的に行われ、それが強力な口コミとなって、これまでBLやタイドラマに興味がなかった人にも広がっていきました。「2gether」はファンの方たちがSNS上でその魅力を発信することでヒットした作品と言えるのではないかと思います。

5. 世に出てからの反応で予想外だったもの

WOWOWで放送されたことがきっかけで「2gether」にハマった!という方がけっこういたことです。すでに「2gether」やタイBLドラマを好きな方が視聴されると思っていたのですが、WOWOWでたまたま観たことでファンになった方も多いようで、とてもうれしい反応でした。

6. コロナ禍で影響を受けた点

コロナの影響でリアルな場で集客する展示や試写イベントなどができなかったので、Twitterを使った同時鑑賞会など、SNSを使った企画を実施しました。コロナ禍で在宅されている方も多く、場所や時間の制約が少ないので、結果的にたくさんの方にご参加いただくことができました。

7. 当初の目標値と結果

WOWOWにご加入いただく際、きっかけになった番組のアンケートを取っているのですが、加入の理由を「2gether」「Still 2gether」とお答えいただく方が想定以上に多かったです。

森ふみよ

WOWOWコンテンツ戦略局映画部に所属
2020年の一押し作品は「TENET テネット」。

「2gether」Blu-ray BOX / DVD BOX販売中

税込価格:Blu-ray BOX 初回生産限定版1万9800円 / Blu-ray BOX 通常版 1万6500円 / DVD BOX 1万2100円
発売元:コンテンツセブン
販売元:TCエンタテインメント