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葵わかな×三吉彩花らが切り拓く、自分らしく生きる道『The PROM』ゲネプロレポート

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『The PROM』Produced by 地球ゴージャスより 撮影:引地信彦、NAITO

「Daiwa House Special Broadway Musical『The PROM』Produced by 地球ゴージャス」が、3月10日に開幕。これに先駆け、報道陣にゲネプロが公開された。

2018年に米ブロードウェイで上演され、翌年のトニー賞で7部門にノミネートされた本作。メリル・ストリープやニコール・キッドマンの出演映画がNetflixで配信され話題を集めたミュージカルの日本版を、地球ゴージャス主宰の岸谷五朗による脚本・訳詞・演出で届ける。同性の恋人と参加しようとした高校卒業記念のダンスパーティー“プロム”が中止になり、その原因になったと非難されるエマの存在を知ったブロードウェイの元スターたちは、話題づくりのために彼女を助けようとしてーー。

落ちぶれたスターの来襲に戸惑いつつも次第に打ち解け、自分の信じる道を突き進むための糧としていくレズビアンの主人公エマ。演じる葵わかなの必聴ナンバーは、誰に何をとがめられても恋人と“踊りたいだけ”という切実な想いを歌った「Dance With You」だろう。昂った気持ちを高音に乗せる最難関パートでは、劇場全体を震わせるような力強い歌声で観客を魅了した。

エマと惹かれ合う一方で、PTA会長を務める母の期待にも応えたい優等生のアリッサ。初舞台となる三吉彩花はこの葛藤を、役名が冠されたソロナンバー「アリッサ・グリーン」で表現。エマとの切ない恋路を表情豊かに立ち上げる演技力で作品に貢献しており、今後もミュージカルでの活躍が期待される。

映画版でメリル・ストリープが演じた傍若無人なD.D.アレン役は、大黒摩季・草刈民代・保坂知寿のトリプルキャスト。ゲネプロに登板した大黒は、貫禄の歌声で誇り高き“トニー賞女優”を体現。『シカゴ』の万年アンサンブルことアンジー役の霧矢大夢は、艶っぽいロキシーダンスで抜群の柔軟性を発揮した。佐賀龍彦(LE VELVETS)とWキャストでホーキンス校長に扮するTAKE(Skoop On Somebody)は、俳優や劇場空間に対する演劇ファンの気持ちを代弁する「あなたを見ていたい」で甘い歌声を響かせる。

地球ゴージャスらしいエンタテインメント要素あふれる群舞やアクションも健在だ。エマに共鳴するバリー・グリックマン役の岸谷はタップダンスやアクロバティックな動きで作品世界を支える。名門ジュリアード音楽院出身を誇るトレント・オリバー役の寺脇康文はタンバリンを携え、アンサンブルキャストと一糸乱れぬダンスを繰り広げた。

フィナーレは、ミラーボールや華やかなネオンサインでショーアップされたグリッターな世界観で展開される「It's Time To Dance」。レズビアンの主人公カップルが人目を気にせずキスし、恋人繋ぎを高く掲げられるようになった多幸感あふれるラストに心が躍る。逆境をバネに自分らしい道を切り拓いた彼らのたくましさから、前向きなエネルギーを受け取れるだろう。

取材・文:岡山朋代



Daiwa House Special Broadway Musical『The PROM』Produced by 地球ゴージャス
脚本:ボブ・マーティン、チャド・ベゲリン
音楽:マシュー・スクラー
作詞:チャド・ベゲリン
日本版脚本・訳詞・演出:岸谷五朗
出演:葵わかな 三吉彩花 / 大黒摩季・草刈民代・保坂知寿 / 霧矢大夢 / 佐賀龍彦(LE VELVETS) / TAKE(Skoop On Somebody) / 岸谷五朗 / 寺脇康文 他

【東京公演】
上演中~2021年4月13日(火)
会場:TBS赤坂ACTシアター

【大阪公演】
2021年5月9日(日)~2021年5月16日(日)
会場:フェスティバルホール

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