今泉佑唯、長濱ねる、菅井友香、渡辺梨加……欅坂46ソロ写真集の特徴を分析
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欅坂46 今泉佑唯のソロ写真集『誰も知らない私』が、10月3日に発売された。楽天の本 写真集・タレント週間ランキングで1位を獲得する(2018年10月1日~2018年10月7日付)など好調の出だしとなり、今後どれだけ売り上げを伸ばしていくのかが注目されている。
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欅坂メンバーのソロ写真集は、2017年12月5日に発売された渡辺梨加『饒舌な眼差し』を皮切りに、長濱ねる『ここから』(2017年12月19日発売)、菅井友香『フィアンセ』(2018年6月5日発売)、そして今泉の4冊が刊行された。2018年上半期(集計期間:2017年11月20日~2018年5月20日)の書籍の売上をまとめた第11回オリコン上半期“本”ランキング2018「写真集ジャンル」では、長濱の写真集が歴代2位の記録で上半期1位を獲得するなど、欅坂が写真集業界にも新たな旋風を巻き起こしている。そこで今回は各々の写真集の特徴や傾向について考察してみたい。
まず、欅坂でソロ写真集の先陣を切ったのが、『LARME』のレギュラーモデルを務め、『Ray』の専属モデルとしても活躍している渡辺梨加の『饒舌な眼差し』(撮影・阿部ちづる)。この写真集は、とにかく眼差しが真っ直ぐで、目で何かを訴えてくる。渡辺梨加の新しい一面や内面に一歩踏み込んだものではなく、美しいモデルを撮っているという印象だ。ちょっとレトロな衣装に身を包んだ渡辺梨加が、撮影地であるギリシャの雰囲気に溶け込むようにフレームに収まっている。欅坂のソロ写真集の中で、最も景色が美しく写し出されているのではないだろうか。それはまるで旅をしている気分を味わっているような感覚で、渡辺梨加を知らない人でも楽しめるように思う。欅坂は今まで水着姿になることがほとんどなかったため、アイドル写真集の鉄板である水着姿をどこまで見せるかが一つのポイントになっていたが、あのシャイな渡辺梨加が美しいボディラインを躊躇なく披露。それにより、ほかのメンバーの水着に対するハードルも低くなったように感じた。
長濱の『ここから』(撮影・細居幸次郎)は、自身の故郷である長崎・五島列島を中心にロケが行われ、撮影された写真集。美しい紀行写真集的な『饒舌な眼差し』とは真逆のドキュメンタリータッチで、長濱の内に迫るような写真集にも思えた。特にアップの写真では、長濱との距離感がより一層近い印象だ。一歩前に踏み込んでおり、無邪気な表情と真顔のバランスも絶妙で、見るものの心をグッと掴む。それは「自己防衛モードを解除し、作り上げた理想の自分ではなく、ありのままの私を見せたのは初めてだ」と本人も語っているように、アイドルとしての長濱ではなく、地元に住む18歳の女の子を追ったような生々しさがある。感情豊かで、無邪気に寝転ぶ姿、制服で海に入る美しさ、終盤で見せる涙など、ドキュメンタリーチックでありながらも一つの映画を見ているような、起承転結のある素晴らしい写真集だ。
欅坂のキャプテンである菅井の『フィアンセ』(撮影・LUCKMAN)。秋元康が帯文で「菅井は親に紹介したいタイプの女子だ。だから、この『フィアンセ』も親に見せたい写真集である」とコメントを寄せていた。菅井はお嬢様で癒し系キャプテンとして有名だが、写真集もまたキャラ通りの清純な作品となっている。同じ紀行ものでも、渡辺梨加の海外の景色に美しく溶け込むファッションモデル的な写真とは違い、お嬢様菅井がパリへ訪れるという、『アナザースカイ』(日本テレビ系)的な雰囲気が漂っている。大胆な水着姿も披露しているのだが、色香というよりは健康的な美しさが際立つ。秋元の言う“親に見せたい”という言葉がこの写真集のすべてを表しているように感じるほど、菅井らしさが詰まっている。
今泉の『誰も知らない私』(撮影・中村和孝)。欅坂からの卒業が決定し、さらに10代最後ということで、今までの集大成と言っても過言ではない。これからの芸能生活を占う上でも、ほかの3人の写真集以上に特別な思い入れがあるだろう作品だ。撮影地はイタリア・ナポリ郊外。前途した3作は、いつも見せない表情や姿を見せることで新鮮さを感じさせた。一方で今泉は、最近見せていなかった感情豊かな表情を溢れんばかりに写し出しており、見ていて嬉しくなる一冊である。元々欅坂の中でも自信家キャラなだけに、自身も楽しみながら撮影に挑んだことが感じられた。表情一つにしても、カメラの向こう側の人たちを楽しませようとする、モデルとしてのプロ意識が伺える。言い方を変えれば、隙がなく、もう次のステージへ向かっていることを思わせる内容だ。基本無邪気な姿が多い今泉だが、たまに見せるシリアスな表情にドキッとさせられる。また、大胆なカットが目立つ中、下着姿で羽毛に包まれた姿の今泉も美しい。
欅坂のソロ写真はどれも予想以上に大胆な姿が登場し、ドキッとさせられるが、それ以上に驚くほど素晴らしいスタイルに仕上げてくる彼女たちの努力に感心する。そして、どのショットからもメンバーが最高な姿を収めるために本気で挑み、いろんなプレッシャーの中でプロジェクトが進行しているということを改めて感じることができるのだ。(文=本 手)