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『レッドアイズ』亀梨和也と忍成修吾の対峙が意味すること SNSでは“内通者”考察広がる

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 第7話では、小牧(松村北斗)によってセキュリティをハックされ、システムをジャックされたKSBC。『レッドアイズ 監視捜査班』(日本テレビ系)第8話では、蠣崎(忍成修吾)ら3名が乗り込み、物理的に乗っ取られてしまう。まもなく捜査官・阿蘇(泉川実穂)が撃たれ負傷、コンピュータ操作に長けた男(アシダユウキ)により、入室に必要な認証システムもダウン。KSBCは孤立状態となった。

 KSBC外にいた伏見(亀梨和也)は、刑事部長・奥州(矢島健一)にSITの派遣を依頼するも、歯切れの悪い返事で断固拒否される。「とにかくなんとかしろ」という、上層部にあるまじき態度の奥州は、人質にとられたKSBC捜査官らではない“なにか”を心配している様子だ。

 元伏見探偵所メンバー4人は事務所に集まり、まずは中の状態を知るべくKSBCへのハッキングを試みる。強化されたセキュリティに苦戦する小牧は、とある奇策を思いつく。小牧からの合図に気付いた長篠(趣里)は、バグの修正作業に見せかけてセキュリティを弱化。長篠の行動が少しでも犯人の目に不審に映れば、捜査官らの命はない。アクションシーンとはひと味違う、サイバークライムサスペンスならではの緊迫したシーンだった。

 “ながこまコンビ”の連携プレーにより、伏見らはようやくKSBC内の状況を把握。蠣崎らの目的は「B2ファイル」=警察によってもみ消された、特権階級の人間による犯罪ファイルの開示だった。復讐すべき相手が分からず苦しむ被害者のため、ファイルを明かすことが“正義”だと蠣崎は主張。伏見の頭には、美保(小野ゆり子)の事件がよぎる。それは私的制裁に過ぎない、復讐により新たに血が流れることは許されないと、島原(松下奈緒)はパスワードの提示を拒否。捜査官らも、警察官としての正義のもと、島原の意志に同意する。しかしこの展開を読んでいたかのように、蠣崎はまたも島原の妹・はるか(高橋ひかる)の命と島原の決断を天秤にかけようとしていた。危険が迫るはるかのもとへ、伏見と湊川(シシド・カフカ)が急ぐ。

 島原には決断のタイムリミットが迫り、はるかを捕えたスナイパーと伏見の睨み合いも続く。そのとき、小牧がKSBC内コンピュータの物理的破損に成功した。実行前、小牧が送ったメッセージに気付いた長篠ら捜査官は、爆破の隙をついて犯人らを確保。その身のこなしはさすが、警察官だ。島原も形勢逆転し、蠣崎から銃を取り上げる。はるかもまた、隙をついた湊川の後方支援により無事、保護された。ほんの数分ですべてがひっくり返る、『レッドアイズ』ならではのスピード感だ。

 形は違えど、愛する人を奪われた過去をもつ伏見と蠣崎は、やはり似ているのかもしれない。銃を向ける島原に対し「撃て」と言う蠣崎。「死にたいだけだ」と、蠣崎の心の内を見抜く伏見。もっとも、極限状態で「私にはもう失うものはない」と言い切った島原もまた、ある一線のギリギリを歩いている同士かもしれないが。

 けれど伏見には仲間がいる。島原には、愛する妹と守るべき部下がいる。蠣崎にはもう、本当に何もないのかもしれないと、銃口を向けられなお挑発する言葉に、みるみる溢れる涙に思う。恋人を失ってから死んだも同然だった、かつてそう語っていた蠣崎。伏見に確保されたときにも「殺せ」「もう終わった」と、そう叫んでいた。蠣崎は復讐を果たしたあと、死に場所を求めていたのだろうか。死ぬのはとても簡単で、難しいのは生き続けることーーこの言葉を、蠣崎の涙が体現していた。

 やり方こそ間違ってはいるが、蠣崎のその悲しみは本物だ。だからこそ蠣崎の言葉は、正義とはなにか、正しいとはなにかを問いかけてくる。けれど本当に「B2ファイル」なるものが存在するのなら、憎むべき相手も分からず、謝罪を受けることもなく悲しみ続ける人がいるのなら、ファイルは公にされるべきだ。私的制裁ではなく、法によって裁かれ、償うべきだろう。美保の事件の“解決”も、ここに着地点があることを願う。

 ラストでは「青いコートの男」および「先生」の正体として現在、もっとも疑わしい鳥羽(高嶋政伸)が、KSBCをたずねて神奈川県警を訪れた。島原から鳥羽のことを聞かされていた伏見は、青いコート姿の鳥羽を睨みつける。第9話は冒頭から、波乱の予感だ。

 さらに予告編では、鳥羽が口にしていた“内通者”ーー裏切り者が、KSBC内部に存在することが明示された。放送終了後もレッドアイズ考察班による分析は続き、SNSは一時、本作関連ワードで独占状態に。これまで謎に包まれていた鳥羽、そして“内通者”の正体は次回、明らかになるのだろうか。

※高橋ひかるの「高」はハシゴダカが正式表記

■新 亜希子
アラサー&未経験でライターに転身した元医療従事者。音楽・映画メディアを中心に、インタビュー記事・コラムを執筆。Twitter

■放送情報
『レッドアイズ 監視捜査班』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00〜22:54放送
出演:⻲梨和也、松下奈緒、趣里、シシド・カフカ、松村北斗(SixTONES)、高橋ひかる、木村祐一
脚本:酒井雅秋、福田哲平、まなべゆきこ
音楽:カワイヒデヒロ
チーフプロデューサー:池田健司
プロデューサー:尾上貴洋、茂山佳則(AX-ON)
演出:水野格、長沼誠ほか
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/redeyes/
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