BEYOOOOONDS、華々しいデビュー襲ったコロナ禍 各ユニットリーダーに聞く変化
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2019年にメジャーデビューしたBEYOOOOONDS。1stシングル『眼鏡の男の子/ ニッポンノD・N・A!/ Go Waist』はオリコン週間ランキングで1位、同年の『日本レコード大賞』の新人賞も受賞するなど、華々しいメジャーデビューを飾った。しかし、2020年に入ると新型コロナウイルスが感染拡大。これからというときに、コロナ禍によってライブや作品リリースをストップせざるを得なくなってしまった。
2021年となり、BEYOOOOONDSがいよいよ動き出す。3月3日に2ndシングル『激辛LOVE / Now Now Ningen / こんなハズジャナカッター!』をリリースした。コメディタッチな要素を取り入れたハツラツなパフォーマンスからは、重苦しさ漂う世の中を少しでも明るくさせようとする気概を感じる。
リアルサウンドではBEYOOOOONDSを構成する3ユニットのリーダーにインタビュー。CHICA#TETSUの一岡伶奈、雨ノ森 川海の高瀬くるみ、SeasoningSの平井美葉に、2020年の経験によって生まれた心境の変化や、今後目指していきたいグループ像について話を聞いた。(編集部)
平井「再出発するための準備期間だったのかもしれません」
――2019年は、1stシングル『眼鏡の男の子/ ニッポンノD・N・A!/ Go Waist』がオリコン週間ランキングで1位になり、その後『日本レコード大賞』の新人賞も受賞されました。2020年はこれからというときだったと思いますが、コロナ禍となり活動がしにくい状況になってしまいましたよね。
一岡:2019年は1年を通していろんなことをやらせていただきました。メンバーといる時間も長くて充実していて。確かに2020年は活動がちょっと減って、メンバーと会う機会も少なくなったんですけど、そんななかでYouTubeの「お家でもびよんず学校」をやれたことは大きかったです。みんな個性や趣味がはっきりしてるので、動画を通して発信できたことで、新しいファンを増やすきっかけになったと思います。2020年は、自分的にはすごく濃い一年でした。
――BEYOOOOONDSは、いい意味でバラバラな個性がありますが、動画を展開したことでより浮き彫りになった印象です。一岡さんは鉄道好きとしても活躍されていましたよね。
一岡:個性が出たことで、ソロでも仕事をするメンバーが増えてきたのですごく良かったです。「お家でもびよんず学校」は、撮影や編集も基本は自分たちでやってたので編集技術も学べました。YouTuberの方の大変さを感じながら、動画を見てもらうにはどうしたらいいか考えながることもできたので、届ける/伝える側としてはすごく勉強になりましたね。
――高瀬さんはいかがですか?
高瀬:応援してくださる方々から反応が返ってくることのありがたさに気づけました。会えない分、SNSをマメに投稿するようにしてたんですけど、毎回たくさんの反応が返ってきてすごく嬉しいです。自分は恵まれた環境にいるんだなぁと再認識しました。自分を見つめ直す時間もできたので、結果的には自分がなりたい像に近づけた一年だったのかなと感じます。
ーーグループ全体の変化としてはどうでしたか?
高瀬:メンバー個人の活動を一視聴者として見れたことで、「このメンバーはこういうところが面白いんだ」とか「こういうところを引き出せたら、この子の良さがもっと伝わるんだろうなぁ」というのを再認識できました。よりBEYOOOOONDSのことを好きになりました。
――特にどのメンバーに感じましたか?
高瀬:島倉りかちゃん、清野桃々姫ちゃん、山﨑夢羽ちゃんは自分からぐいぐい喋りにくるわけではないんですけどパッと振られたら独特な返しをしてくれますし、前田こころちゃん、西田汐里ちゃんは意外としゃべることに対して意欲的なんだなってことに気付いたりしました。
――平井さんはこの一年いかがでしたか?
平井:2019年は、デビューの年ということで盛りだくさんで。それまで大学生として普通に生きてきたので、まずはお仕事に慣れるところから始まりました。メンバーにもすごく助けてもらいましたし、一緒にオーディションで入ってきた小林萌花ちゃん、里吉うたのちゃんと支えあいながら乗り越えてきた感じもありました。BEYOOOOONDSとしての絆が深まった1年だったなと思います。2020年はその勢いのままもっと広めていこうと思ってたんですけどこういうことになって……。もちろん動揺はしたんですけど、YouTubeの動画企画をやったり、ドラマに出るメンバーがいたり、写真集を出すメンバーがいたり、個人での活動もすごく増えましたし。個々の強みを活かして活動していけていることに、私はすごく感動しまして。私も、負けていられないなという気持ちになりました。
ーー平井さんはInstagramでオリジナルの振付動画を投稿していて、ブログでもご自身が手がけた絵や写真を投稿していたり、得意なことや趣味を発信されている印象です。
平井:実は、これまで目立とうとする気持ちが全然なかったんです。「眼鏡の男の子」のMV撮影でもずっと後ろにいて、メンバーが見かねて前に出してくれたぐらい(笑)。でも、みんなの活動を見て火がついたというか。音域が狭すぎて歌が苦手だったんですけど、上手くなりたいなって思ったり。自分の強みと弱みを理解して改善していけた2020年でした。年の後半には、J-POPバラードをハロープロジェクト!のメンバーでカバーするコンサート(『Hello! Project 2020 ~The Ballad~ 』)があったんですけど、この公演でステージに立つときのメンタルが強化されて。グループとして活動ができるようになった今も、それがすごく活きています。2020年は、また再出発するための準備期間だったのかもしれません。
高瀬「こんなズバズバ踏み込んでいくアイドルはなかなかいない」
――世の中全体が重苦しい空気になっているなかで、BEYOOOOONDSのようなハツラツとしていて明るい存在はより必要とされるように感じます。皆さんはBEYOOOOONDSというグループについてどう感じていますか?
一岡:BEYOOOOONDSは、一緒にいて元気をもらえるくらい与える力がすごく大きいと思います。特に「ビタミンME」という曲は勇気をもらったと反応をくれる方が多くて。これからもパワーを与えられる曲を大切に、元気を与えていきたいですね。あとは、ライブが出来るような時期になったら、いろんなところに出向いていっぱいパフォーマンスしたいです。生だからこそ伝わることもあると思うので。
高瀬:BEYOOOOONDSは、いわゆる正統派アイドルではないじゃないですか。でも、だからこそできることってたくさんあると思うんです。今回のシングル曲で改めて実感しました。
ーー新曲に対して高瀬さんは「「今(Now)だからこそあなたの心に刺さる」(「Now Now Ningen」)、平井さんは「世の中甘くないけれど…辛さも一筆足せば「幸」になります」(「激辛LOVE」)とコメントされていて。こうしたコメントからも、世の中の状況を考えながらパフォーマンスされてるんだと改めて感じました。
高瀬:この時代の、この状況で、こんなにズバズバ踏み込んでいくアイドルはなかなかいないと思います。でも、BEYOOOOONDSだったらそれがオッケーになる。これは私たちの強みだと思うので、今後もそれを活かして落ち込んでる人がくすっと笑えるような、小ネタ満載の曲を武器にしてアピールしていきたいです。この状況が辛いと感じてる人たちの気持ちがちょっとでも和らいでくれたら嬉しいです。
平井:私たちだからこそ歌える楽曲が本当に多くて。「こんなハズジャナカッター!」はまさに私たちの曲だなと。
ーー「こんなハズジャナカッター!」は、BEYOOOOONDSの方向性を自虐的に歌った曲ですもんね。
平井:あとは「Now Now Ningen」も「激辛LOVE」もコロナ禍になった状況を踏まえた曲で、中身と私たち自身が伴っているというか……うまくいかない状況を私たちも実際に経験してるじゃないですか。聴いてる方たちと、同じ辛さを経験しているからこそ、届くものが大きいと思ってます。
ーーなるほど。
平井:私たちは、今この状況を皆さんと一緒に生きています。なので、私たちがポジティブな存在になって、皆さんを良い方向に連れていけたらと思っています。
一岡:「(SeasoningSは)もう人生を知っちゃってる」
――皆さんは各ユニットのリーダーを担当されています。ご自身が所属されているユニット、また、その他2つのユニットの魅力についてどう感じていますか?
一岡:CHICA#TETSUは、それぞれがふんわりしつつもちゃんと芯が通っているメンバーが揃ってます。CHICA#TETSUの曲は、すべての曲に駅名が入っていて鉄道好きとしてはすごく嬉しいです! 大江戸線の六本木駅、高輪ゲートウェイ駅、横浜駅が出てきたので、日本全国の駅名を制覇するくらい楽曲が増えて欲しいなと思ってて……どうしよう、やっぱり鉄道の話になってしまう(笑)。
ーーぜひ聞かせてください。
一岡:駅って、一歩外に出たら全然景色が違うんですよ。できた年も違えば、歴史もその駅によって違う。CHICA#TETSUは恋愛系の曲が多いから、その駅の景色と登場人物の心情がリンクするんです。それを歌えることが嬉しいですし、とことん可愛く表現出来るように今後も頑張っていきたいなと思います。
ーー雨ノ森 川海とSeasoningSについてはいかがですか?
一岡:雨ノ森 川海の楽曲は、CHICA#TETSUのような繊細さとはまた違う女の子の心情が描かれた曲が多いんですよ。CHICA#TETSUでも、雨ノ森 川海の曲をやりたいねという話をするんですけど、雨ノ森 川海のようにはできないと思うんです。やっぱりいろんな個性を持った雨ノ森 川海にしかできない表現があるんですよね。SeasoningSはハイスペックな人たちの集まり。3人がパフォーマンスするだけで、ぱっと花が咲くような感じなんですよ。それは20歳以上のメンバーで構成されているというのもあるかもしれないですね。もう人生を知っちゃってるというか……(笑)。
全員:(笑)
一岡:普通の学生生活をきちんと過ごして入って来たからこその表現力があるなと思います。そこは今後も楽しみですし、いろいろ教わりながら一緒に切磋琢磨していけたらいいなと思っています。
高瀬:精神年齢順に並べると、一番大人なのがSeasoningS、その次がCHICA#TETSU、最後が雨ノ森 川海なんですよ。雨ノ森 川海は自分含めて精神年齢的にすごく子供っぽい。前田こころちゃんとか山﨑夢羽ちゃんはJK感がすごいですし、自分は21歳ですけどあんまり精神年齢は高くない。3グループの中で、一番うるさい集団だと思います(笑)。
ーー確かに雨ノ森 川海は一人一人醸し出す雰囲気も異なりますし、色が濃くてカラフルなユニットですよね。
高瀬:私たちは普段は遊園地なんですよ。でも、実はしっかりしているところもあって。いざ曲になったら「どこでそんな顔覚えてきたの?!」と思うくらいかっこいい顔もできる。そういうところは素直に好きです。歌詞の意味を話し合ったりとかして、じゃあここはもっとこういう顔かもねって引き出したりとかして、もっと頑張っていきたいです。一方で、CHICA#TETSUは「ザ・女子大生」ってイメージで、SeasoningSはもはや大人すぎてバーとか行ってそう(笑)。
ーー詳しく教えていただけますか?(笑)
高瀬:CHICA#TETSUは、等身大の女の子のかわいい部分を表現してるんです! それがメンバーのキャラクターにもフィットしていて、普段の雰囲気がそのまま楽曲に反映されている感じがします。BEYOOOOONDSの楽曲って、CHICA#TETSUみたいな可愛らしい曲ってそこまでないんですけど、たまに可愛らしいフレーズが出てきたときに、CHICA#TETSUのメンバーは上手に表現してる印象があります。
ーーなるほど。
高瀬:SeasoningSは人との接し方が大人ですね。この3人がBEYOOOOONDSに及ぼす影響力ってすごいと思います。3人以外は、ハロプロ研修生を経てBEYOOOOONDSに入ったので小さい頃からハロープロジェクト!の文化に馴染んでいるんです。だから、私たちが当たり前と思っていることが外では当たり前ではなかったんだと実感したりして。私たちになかった考え方や表現の仕方もありますし、私たちのパフォーマンスの幅も広がりました。今のBEYOOOOONDSの面白さが生まれているのは、SeasoningSが入ってくれたおかげだと思います。常々ありがとうって思っています。
――そんなSeasoningSですが、この間までユニット名がなくそれをネタにした「We Need a Name!」という曲もありましたね。
平井:ユニット名をいただくことになって、「もうなの?」という気持ちと「やっとか」という気持ちがごちゃまぜなんですけど……。加入した当初はユニット名がないことにすごく戸惑っていました。でも「We Need a Name!」をいただいてからは、名前がないことをもはや武器にしていくということで、マインドが変わってきて。「名前がないのもいいね」となってきました。それに、小林萌花ちゃんはピアニストとしても楽曲に参加していて、里吉うたのちゃんと私はダンサーとしてのパフォーマンスできる場面もあったりして。それぞれの得意分野がフォーカスされていて、私たちじゃないとできないこともあるんだなと感じます。ただ、今回名前がついたことで1つのユニットとして認められたことで、BEYOOOOONDSのなかで、CHICA#TETSU、雨ノ森 川海、SeasoningSでトライアングルになれたことがすごく嬉しかったです。
ーーリーダーに選ばれた心境はいかがですか?
平井:正直、SeasoningSにリーダーはいらないんじゃないかってぐらいみんなの精神年齢が高いんです。でも最近は、里吉うたのちゃんと小林萌花ちゃんが意見を言い合って、私がそれを見守るという形が出来上がっているなと最近実感してます(笑)。
ーー他のユニットについてはいかがでしょうか?
平井:CHICA#TETSUは正統派なユニットでときめきを覚えます。歌詞もすごく可愛いですし。楽屋でも、あざとい対決みたいなことをしてたりして面白くて。そんな4人を見てるとこのユニットいいなって思います。雨ノ森 川海は5色感がすごいですね。いい意味でバラバラ。パフォーマンスにもすごく活きていてるんですよ。女の子の心情を5人の主人公がそれぞれ歌っているように見えるんですよね。たとえ「女の子」について歌った曲であっても、いろいろな考えの子がいる。それを雨ノ森 川海が表現してるように感じます。みんなそれぞれ個性が違うユニットなのに、BEYOOOOONDSとして歌うと一つになるのが面白いですね。
平井「〈大丈夫 頑張ろうね〉って何でこんなに元気が出るんだろう」
――では最後に、2ndシングル『激辛LOVE / Now Now Ningen / こんなハズジャナカッター!』から特に好きな楽曲についてご紹介いただけますか?
一岡:私は「こんなハズジャナカッター!」が一番好きです。私たちが思ってたことをこんなにストレートに言っちゃうのがすごいなと思って。この曲の通り、BEYOOOOONDSは、結成当初に思い描いていたアイドル像とは違いますけど、だからこそアイドル界でも新たな形を作り出せているんじゃないかなと思います。改めてBEYOOOOONDSで良かったなと思う楽曲です。
高瀬:私も「こんなハズジャナカッター!」ですね。歌詞に〈衣装のチョイスにみんなキョトンです〉というところがあるんですけどまさにその通りで。私がBEYOOOOONDSとして活動していて、一番「ハズジャナカッター!」と思ったことが、「眼鏡の男の子」の衣装が私だけすごく派手だったことなんです。制服を着ていたメンバーが多い中で、私は「あー、これか」と思って(笑)。同い年の怜奈は制服なんですよ。「あれ? こんなはずじゃなかったんだけどな」と思ったんですけど、でもそれを見て「派手で気になった」という人もいたので今となっては良かったと思えます。
平井:私は「Now Now Ningen」が一番好きです。サビに〈大丈夫 頑張ろうね〉というフレーズがあって。こんな時代で、いろんなことがなかなかうまくいかないですけど、人から言ってもらう〈大丈夫 頑張ろうね〉って何でこんなに元気が出るんだろうと。あとは、この曲って最後に掛け合いをする場面があるんですよ。今コンサートができたとしても、お客さんは声を出せない状況にもかかわらず、掛け合いのあるパートがあることにすごく意味を感じました。またマスクをとって、ライブでも声を出せるようになったときに、この曲がやっと完成するのかなと思ってます。この曲のMVもBEYOOOOONDSの中で一番好きで。夕陽に照らされながらみんなで走る場面があるんですけど、毎回そこで泣いてしまうんですよね。本当に感動するんです。
――なるほど。確かにあのMVは胸に迫るものがありますね。
高瀬:あ、あの……もう一曲いいですか……?
ーーぜひ、教えてください。
高瀬:「激辛LOVE」の〈「からい」の漢字 「つらい」の漢字/一筆足したら「幸せ」だ〉という歌詞がすごく好きで。「激辛LOVE」をいただいた時、「この曲を早く出したい!」と強く感じたんですよ。この曲の歌詞自体は、世の中の状況とはまったく別の世界観で描かれてますけど、このフレーズは今生きてる人たちに向けたメッセージだと思いました。ちょっときついけどもうひとがんばりしてみようかな、と感じてもらえたら嬉しいです。
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■リリース情報
『Now Now Ningen / 激辛LOVE / こんなハズジャナカッター!』
2021年3月3日(水)リリース
【初回生産限定盤A〜C】CD+DVD:¥1,700+税
【初回生産限定盤ビタミン】 CD+DVD:¥1,700+税
【通常盤A〜C】:CD¥1,000+税
<CD>
1.Now Now Ningen
2.激辛 LOVE
3.こんなハズジャナカッター!
4.Now Now Ningen<Instrumental>
5.激辛 LOVE<Instrumental>
6.こんなハズジャナカッター!<Instrumental>
※通常盤Aには「ヤバイ恋の刃」とInstrumentalバージョン収録。
※通常盤Bには「ワタシと踊りなさい!」とInstrumentalバージョン収録。
※通常盤Cには「二年前の横浜駅西口」とInstrumentalバージョン収録。
<DVD>※初回生産限定盤A
激辛LOVE(Music Video)
激辛LOVE(Dance Shot Ver.)
<DVD>※初回生産限定盤B
Now Now Ningen(Music Video)
Now Now Ningen(Dance Shot Ver.)
<DVD>※初回生産限定盤C
こんなハズジャナカッター!(Music Video)
こんなハズジャナカッター!(Dance Shot Ver.)
<DVD>※初回生産限定盤ビタミン
ビタミンME(Music Video)
ビタミンME(Dance Shot Ver.)