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「きまぼん」前原滉が苦労したことは?片桐はいりは謝罪「きたろうにはなれなかった」

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「きまじめ楽隊のぼんやり戦争」公開直前生配信イベントの様子。前列左から嶋田久作、橋本マナミ、前原滉、矢部太郎、きたろう。後列左から池田暁、片桐はいり、中島広稀、今野浩喜、清水尚弥。

「きまじめ楽隊のぼんやり戦争」公開直前生配信イベントが本日3月15日に東京の東京カルチャーカルチャーで行われ、キャストの前原滉、今野浩喜、中島広稀、清水尚弥、橋本マナミ、矢部太郎、片桐はいり、嶋田久作、きたろう、監督の池田暁が登壇した。

本作では、川の向こう岸にある町と毎日朝9時から夕方5時まで規則正しく戦争をしている津平町の住民の姿がユーモラスに描かれる。主人公の真面目な兵士・露木を演じた前原は「主演という実感はないですが、うれしいです。公開を控えてそわそわドキドキしています」と心境を明かし、本作が初の劇場公開作となる池田は「今までの作品と違って、多くの人に観ていただけるのはうれしいです」と喜びを伝えた。

どの人物の表情も感情が読みづらく、話し方に抑揚がない演出が施された本作。新入り兵隊・三戸役の中島は「役者は探り探り、ふわふわしながらリハーサルをしていました。でもクランクインで現場に入ったときに、ピタッとハマった。胸が熱くなりました」と振り返る。煮物屋店主・板橋役の嶋田は「無駄を削ぎ落としていくタイプの映画だと思っていました。僕はもともとお芝居を足していくほうじゃないからやりやすいかなと。でも、全然そうじゃない(笑)。何かを落とすタイミングとか、やればやるほど癖が出ちゃう。難しかったですね」と述懐。町長の息子・平一役の清水は、本作の注目ポイントを「煮物屋さんの前で、嶋田さん演じる板橋と平一が会話をするシーンです。同じように見えて、少しずつ何かが変わっていく。そういった変化を観てほしいですね」と紹介する。

演じるうえでの苦労を問われた露木の同僚・藤間役の今野は「無表情で笑いをこらえるのがつらかったですね。片桐はいりさんとのシーンがしんどくて。ずっと前原くんと向き合って座っているんですが、間接視野みたいなところで片桐さんドタバタしていて、もう笑いをこらえるのが大変で(笑)」と吐露。前原も「ご飯を運んでくるときに、お盆がプルプルしているところも全部面白くなっちゃう」と、橋本も「私もはいりさんが悲しみを表現するポーズが面白くて、笑いをこらえるのが大変でした」と同意した。矢部は「藤間と受付の女性のやり取りがおかしかったです。現場で観ていても面白かったんですが、編集されたものはさらに面白かった」と言及する。

池田が監督し、きたろうが出演した「化け物と女」を鑑賞し本作の撮影に挑んだという片桐は「監督の演出はすごく難しいと思ったんですが、きたろうさんがやっていらっしゃるなら私にもできるかなって思ったんです。でも、全然できなかった。ごめんなさい、私はきたろうにはなれなかったです」と謝罪し、会場の笑いを誘う。きたろうが「はいりは、笑わせよう笑わせようと全編やってる。顔見ただけで笑っちゃう」と言うと、片桐は間髪入れずに「きたろうさんじゃないですか! その言葉お返ししますよ!」と返答した。

きたろうが「池田監督の作品は笑いがベースにあって、それを抑えて抑えて面白いものにする。それを抑える感じが楽しくてしょうがない」と笑みをこぼすと、片桐は「作為が見えないようにするのが演技。でもこの作品は逆。私は失敗しているな、きたろうさんは自由でいいなと思ってました」とコメント。きたろうが「はいりのいいところは、笑わせようと思ってないところだよ」とたたえると、片桐は「さっきと言っていることが違うじゃないですか!」と抗議し、再び会場を沸かせてから「さじ加減が難しい。笑わせるのがいいのか悪いのか」と続ける。

最後に前原は「主演ですが、皆さんに支えられていると思っています。あまり構えずに観ていただきたいです。いろんなことを想像できる作品です」と呼びかけ、イベントの幕を引いた。

第21回東京フィルメックスで審査員特別賞を受賞した「きまじめ楽隊のぼんやり戦争」は、3月26日より東京・テアトル新宿ほか全国で順次公開。

(c)2020「きまじめ楽隊のぼんやり戦争」フィルムプロジェクト