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伊礼彼方×河内大和、不条理劇ではなく“ヒューマンドラマ”な「ダム・ウェイター」本日開幕

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本多劇場グループnext「ダム・ウェイター」より。(Photo by BUN)

本多劇場グループnext「ダム・ウェイター」が本日3月16日に東京・小劇場楽園で開幕する。

「ダム・ウェイター」は、ハロルド・ピンターが1960年に発表した不条理劇。2人の殺し屋ベンとガスが仕事の指示を待っていると、ダムウェイター(料理昇降機)が降りてくる。そこには料理のオーダーが書かれた紙切れが入っていて……。

大澤遊が演出を手がける今回は、ガス役で伊礼彼方、ベン役で河内大和が出演する。伊礼は作品について、大澤の言葉を借りれば“ヒューマンドラマ”だと位置付けし、「1度観て理解するのは難しいと思いますが、観劇者のそれぞれの中に答えを見い出せる作品だと思います」と手応えを語った。また、河内は「創作は子供の時にした宝探しのようで、本当に大変で楽しい作業でした」と振り返り、「きっと皆様も、観劇後、この地下室に入る前には想像もしなかった心の味わいを感じていただけると思います」とコメントした。

公演は3月28日まで。

伊礼彼方コメント

いよいよ始まったダム・ウェイター。

コロナ禍で空いてしまったスケジュール。「せっかくなら自分の力になる作品を!」という思いのもと始まったこの企画。本多さんを始め共演者の河内さん・演出家の大澤さん・スタッフさん、いろんな出会いが重なって仲間に恵まれ今日まで突っ走ってきました。

楽園で面白い事をやりたい!

河内さんとなら180度いつもと違う世界を見せられる! 大澤さんとならそのさらに奥深く向こう側に行ける!と確信した時、この企画はもう既に成功の一歩手前まで進んでいました。後はお客様に観て頂くだけとなりました。

1度観て理解するのは難しいと思いますが、観劇者のそれぞれの中に答えを見い出せる作品だと思います。大澤さんの言葉を借りるなら「これは不条理ではない、ヒューマンドラマ」です。まさにその言葉通り、大澤さんと共に物語の主人公たちの人生を紐解いてきました。僕らが演じるベン・ガスは日常に生きる1人の人間。皆さんと同様に沢山の悩みや不安を抱えながら人生のゴールを目指しています。同じ食べ物同じ飲み物を口にし、同じ赤い血が流れている。ただ僕らの知らない世界に住んでいるだけ。今日彼らが指示された地下室で何が起きるのか、ぜひ目撃してください。

コロナ禍の厳しい状況ですが、スタッフ一同万全の対策をしてお待ちしております。

河内大和コメント

不条理劇と言われるこの作品を、僕たちは不条理だと決めつけず、あらゆる可能性を探しながら稽古で実践していきました。やはりそこにはベンとガス、二人なりの理由や目的がしっかりとあって、ただ自分の人生を一生懸命に模索し生きている二人なんだと、今の僕たちと何ら変わらない人間なんだと気付きました。その創作は子供の時にした宝探しのようで、本当に大変で楽しい作業でした。僕自身、こんなに色んな要素が詰まった面白い作品になるとは思ってもみず、きっと皆様も、観劇後、この地下室に入る前には想像もしなかった心の味わいを感じていただけると思います。

大澤遊コメント

伊礼さんと河内さん、このお二人と出会い、ピンターの戯曲と楽しく向き合うことができています。そのお二人がガスとベンとして舞台上で生きている姿をようやくお見せできる日が来ました。稽古を重ねれば重ねるほど、お二人と役が重なって見え、とても愛おしい物語になったように思います。(そんな物語だったっけ??)ただ僕らは毎日のようにピンターの手のひらで転がされているだけかもしれませんが。ガスとベンが過ごす時間を、ぜひ楽園の客席で一緒に体験していただけたら嬉しいです。

本多愼一郎コメント

昨年8月より本多劇場グループnextとして、少人数(二人)芝居をメインに、コロナ渦でも安心して観ていただける小劇場での公演形態の発信方法を模索してまいりました。今回、役者2人の息遣いもわかる劇場で、伊礼彼方さん・河内大和さんによるハロルド・ピンターの「ダム・ウェイター」をお送りいたします。演出には大澤遊さんを迎え、小劇場楽園を「ダム・ウェイター」の世界に入っていただける空間へと創り上げ、濃密な時間をお届けいたします。是非皆さま、下北沢へいらしてください。

本多劇場グループnext「ダム・ウェイター」

2021年3月16日(火)~28日(日)
東京都 小劇場楽園

原作:ハロルド・ピンター
翻訳:喜志哲雄
演出:大澤遊
出演:伊礼彼方、河内大和