のむらなお監督作「男の優しさは全部下心なんですって」5月に公開
映画
ニュース
「男の優しさは全部下心なんですって」ポスタービジュアル
のむらなおが監督と脚本を担当した「男の優しさは全部下心なんですって」の劇場公開が決定した。
MOOSIC LAB 2019で上映された本作は、遊園地の跡地にできたショッピングモールでメリーゴーラウンドの受付として働き、“恋愛体質純情セカンド”というあだ名を持つ女性・宇田みこが主人公の物語。みこを長編映画初主演の辻千恵が演じ、水石亜飛夢、森蔭晨之介、五味未知子、田中俊介、田中真琴、こだまたいち、安倍乙、木口健太、上田操、加藤才紀子、原田大二郎が共演に名を連ねる。
「男の優しさは全部下心なんですって」は、5月7日より東京・新宿シネマカリテほか全国で順次公開。のむらと辻から届いたコメントは下記に掲載する。
のむらなお コメント
恋の宣誓
ここだけの話、宇田みこって私なんですけど、
私にとって宇田みこは、さいしょっからさいごまで捉えきれない女でした。恋、そのもの。生、そのものなのかもしれません。
人は揺らぎ続けています。私は明日の私を信用していません。今だけがあり続けるし、無数の関係性の中に無数に私はいます。
無常です。この世は無常。私は無常。それだけがほんとう。
揺らいでいる私が書いて、揺らいでいる辻千恵が演じて、揺らいでいる私が撮って、揺らいでいる私が編集を重ねたから、出会い続ける宇田みこはその度色んな顔をしていて、この今も捉えきれない存在です。
桜が散って、新芽の緑が息吹く季節に、
お客さんひとりひとりもゆらいでいて、映画館の暗闇で私たち、ゆらゆらですね。
さいごに、
揺らぎとは真逆の、誓いとか約束とか責任とか嘘になるからいやなんですけど、
でも、
ゆらいでいるけど愛しているから、
私は今この瞬間にも変わり続ける肉体で、恋をし続けることをここに宣誓しちゃいます。
辻千恵 コメント
「男の優しさは全部下心なんですって」改めて攻めたタイトルだなと思います。と同時に考えさせられる人も多いのも事実かなと思います。撮影中監督に「実際監督は男の優しさは下心だと思ってますか?」と質問すると、「思ってない」と返事をもらってすっと腑に落ちました。わたしもだからです。撮っていてそう思っていました。みこちゃんのように目の前の全てを好きになって入り込める時間は尊い。眩しく見えます。この作品をみる時期によって全く感じ方は変わると思います。私自身がそうです。そうやってこの作品に飲み込まれていく人が多くいてくださったら嬉しいです。
(c)2021 Z.S.G.K