櫻坂46 山﨑天が放つ独特の存在感 “大人”と“少女”兼ね備えた素顔
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先日の『そこ曲がったら、櫻坂?』(テレビ東京)は、山﨑天の中学卒業祝い企画。晴れてこの春に中学校を卒業することになった山﨑を祝うべく、彼女のこれまでの半生を年表で振り返りつつ、同時にハライチの軌跡を追ったり途中にクイズを交えるなどしたことでバラエティに富んだ回となった。この放送から見えてきた山﨑の素顔に焦点を当ててみたい。
山﨑天は2005年の9月28日生まれで、今年16歳になる。2018年に2期生として欅坂46(現・櫻坂46)に加入し、一度は選抜から漏れた経験(未発売となった9thシングル)があるものの、櫻坂46では昨年リリースの1stシングルのうち「Buddies」と「半信半疑」の2曲でセンターに抜擢され、来月発売の2ndシングルでもセンターに立つ予定だ。グループでは最年少。今後のさらなる成長が最も期待されているメンバーの一人である。しかし彼女は、自身の年齢やその境遇について人気スマホ向けゲーム『サマナーズウォー』とのコラボ企画のインタビューでこう語っている。
「置いてかれてるっていうよりかは、違う場所にいるような感じ」 「何も知らずに(櫻坂46に)入ったっていうのが正直なところなので、見るものすべてが初めてで」 「ああなんで自分はこんな年齢なんだろうって思ったことはあります」
いつも番組などで落ち着いた雰囲気の山﨑。受け答えもしっかりしていて、司会の土田晃之から「天ちゃん大人だね」とコメントされたこともある。しかしそんな“大人”な中にも、こうした活動に対する迷いや、周りとの差への戸惑いを抱えているようだ。そして周りから見られるイメージとは裏腹の、自分自身の年齢相応な部分にも自覚的なのである。
「よく『落ち着いてるね』と言っていただくんですけど、ふだんはメンバーとうるさくしていたりしますし、番組の“澤部賞”でもらった『泥だんごキット』に、4〜5時間夢中になったりしているので……(笑)」(『B.L.T. 2021年1月号』より)
ジャケット写真やMVなどクリエイティブ面で独特の存在感を発揮している山﨑は、ともすればアーティスティックなイメージが先行してしまうものである。しかしそうはならないのは、このように地に足をつけながら生きているからなのではないか。たまに見せる“少女”な人懐っこい彼女も重要な魅力になっている。
番組では幼少期の話が多く披露された。ミルクを大量に飲んでいたことや、壁に向かって喋ったり、一人なのに誰かに絵本の読み聞かせをしているという謎の行動をしていたことなど、子供ならではの可愛らしいエピソードが明かされていく。また逆に、アニメよりドラマが好きだったり、母親の真似をして化粧するようなおませな一面もあり、現在の彼女のイメージにも通じる大人びた部分も露わになった。どちらも彼女で、両方あわせて山﨑天なのだろう。
放送で確認できた彼女のあどけない素顔、そして落ち着いた一面。名前の“天”の字には、「何か一つでも極めて欲しい」「海外でも活躍できるように」という思いが込められているという。“大人”で“少女”な山﨑が、今後のグループ活動を通して世界に羽ばたいていく姿に期待したい。
■荻原 梓
J-POPメインの音楽系フリーライター。クイックジャパン・リアルサウンド・ライブドアニュース・オトトイ・ケティックなどで記事を執筆。
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