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Netflix、東宝スタジオとの賃借契約を発表 ⻑編映画など実写作品強化の方針を明らかに

映画

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リアルサウンド

 Netflixが、4月より国内最大規模の撮影スタジオ「東宝スタジオ」内のスタジオ2棟(No.7ステージ、No.10ステージ)及び一部関連施設を複数年に渡り賃借することを発表した。

 Netflixが国内において制作スタジオを賃借し、⻑期的な制作拠点を設けるのは今回が初の試みとなる。今後、すでに制作が発表されている『幽☆遊☆白書』『サンクチュアリ -聖域-』の撮影で、東宝スタジオのステージの活用を予定している。

 メディア向けに実施された春の交流会では、国内発の実写作品強化の方針も明らかに。その大きな契機として挙げられたのが『今際の国のアリス』。本作が、全世界で1800万世帯に視聴されたことも背景にあるという。

 実写作品強化の方針は主に3つ。1つは、日本国内において昨年に引き続き映画を視聴する傾向が見られることを受けての⻑編映画の拡充だ。4月15日配信の『彼女』に続き、『ボクたちはみんな大人になれなかった』『浅草キッド』『桜のような僕の恋人』とすでに⻑編映画制作を4本発表している。

 2つ目は、人気の高いシリーズの継続。2019年に配信され話題を呼んだ『全裸監督』や、前述の『今際の国のアリス』のシーズン2の製作も決定している。

 最後に方針として挙げたのが、リアリティ・バラエティ番組への注力。以前からNetflixではテレビ局と連携して制作した『テラスハウス』や『あいのり』などのシリーズがよく観られていたが、先週には『ラブ・イズ・ブラインド』日本版の始動に際し、様々な婚活サービスなどとのコラボレーションを通じて出演者の募集を開始した。今後も、国内では『クリエイターズ・ファイル GOLD』など現在約5作品のリアリティ・バラエティ番組を手がけていく予定だ。

 今回の東宝スタジオ賃借契約も、⻑編映画をより拡充していくための施策となる。

 なお、3月15日にはVFX制作スタジオのデジタル・フロンティアがNetflixとの業務委託契約を発表している。4年に渡って、VFXやバーチャル・プロダクションの卓越した技術を持ってNetflixオリジナル作品に参加していく。こうしたポスト・プロダクションのスタジオとの契約は日本初の取り組みとなる。ちなみに、デジタル・フロンティアは、『今際の国のアリス』シーズン1にも参加していた。

 さらに、実写映画制作において、Netflixが重視しているのが、制作現場環境の整備だ。現場でのハラスメントを防ぐために、米国をはじめとした制作拠点で導入されているグローバル基準のトレーニング「リスペクト・トレーニング」を、国内でも早期から導入するという。全てのスタッフ・キャスト関係者がトレーニングを受けるまで、制作を開始しないという徹底ぶりがなされる。セクシャル・ハラスメントと向き合う「リスペクト・トレーニング」をNetflixとともに開発しているのが団体・ピースマイン。ピースマインとは、これまで3つのオリジナル作品(『クリエイターズ・ファイル GOLD』『新聞記者』『ボクたちはみんな大人になれなかった』)でリスペクト・トレーニングを実施済み。今週には『サンクチュアリ』のキャスト・スタッフとのトレーニングを実施し、今後も全てのオリジナル作品でトレーニングを導入していくという。

 勢いをさらに拡大しつつあるNetflix。今後の動向が注目される。