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特別な日韓戦も、特別ではない日韓戦も……。それぞれの思いを胸に10年ぶりの日韓戦へ

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日韓戦へ向けて汗を流すSAMURAI BLUEの面々 (c)JFA

SAMURAI BLUEが日本のピッチに1年4か月ぶりに立つ。国際Aマッチとしては2011年8月以来となる日韓戦が本日キックオフを迎えるのだ。

十年一昔と言うが、日韓戦の雰囲気もかなり変わって来た。3月24日、オンラインでの前日会見に臨んだ森保一監督は韓国を「お互いを高め合えるライバル、そしてアジアを引っ張っていく仲間」と評すとともに、現役時代の日韓戦を「私はコンプレックスや特別な気持ちを持たずに戦えた」と振り返った。さらに「まず試合をするにあたって勝利を目指すための準備をしたい。相手が韓国だから勝利を目指すのではなく、日本代表として活動する以上勝利を目指す。勝利という結果をサポーターに届け喜んでもらえるように、笑顔になってもらいたい。今日コンディションを確認し、明日ベストメンバーを送り出したい」とコメントした。

森保一監督 (c)JFA

指揮官は韓国代表のイメージについて、次のように口にした。

「ダイナミックに激しく厳しくアグレッシブに戦うのがベース。攻撃ではGKからビルドアップしてチャンスを作る。守備では前線からプレッシャーをかける時、オーガナイズして制限をかけてボールを奪い、組織的に戦うというところが今の監督になってチームとして成熟してきている」

では、ダイナミックでアグレッシブな韓国に対して日本はどう戦うのか。

「韓国がダイナミックかつアグレッシブに戦うチームなら、日本はダイナミックかつ組織的に戦えるチーム。我々としては球際を激しく厳しく戦う。スタートから勇敢にアグレッシブに戦う姿勢が大事だと思っている。局面での攻防はかなり激しくなると思うが、個々の局面で上回ってほしい。それに攻撃でのサポートと守備でのカバー、個の能力を最大限に発揮しながら、組織的に戦いたい」

選手の大半は韓国代表に特別な感情を持っていない。

「日韓戦のイメージはあまりない。(2013年7月『EAFF 東アジアカップ』では出場していないので)あまり覚えていない。韓国は強いチーム、激しく来るので面白い試合になるんじゃないかなと思う」(大迫勇也)

「僕自身、特別な気持ちはない。ただ周りから言われる。相手どうこうではなく、全力でやるためにいい準備をするだけ」(浅野拓磨)

「僕の中でも日本のライバルと言えば、韓国というイメージが小さい頃からある。でも世代代表でもやったことがないので」(鎌田大地)

「正直そこまで意識していない。久しぶりの代表活動で、少しメンバーが代わった中、どういうサッカーができるか。また自分自身成長した姿を見せないといけないと思っている。対韓国と言うより自分たちにフォーカスしている」(遠藤航)

「なかなかないチャンス。逆に貴重。自分たちの立ち位置がわかる試合」(西川周作)

もう少し熱を帯びたコメントを発した選手もいる。

「色々な意味で注目度の高い一戦だと思うし、どういう状況であれ日韓戦は非常に重要だと理解している。A代表では初、アンダー世代とは全然重みが違うと思うので、内容よりも結果が大事な試合だと理解している」(南野拓実)

「日本でやれるのでしっかり勝ちたい。(2017年12月の)『E-1』の時に(1-4で)負けたのが印象に残っている。リベンジしたい気持ちはある」(伊東純也)

吉田麻也 (c)JFA

そんな中、キャプテンであり、フィールドプレイヤー最年長でもある吉田麻也のコメントは他の選手とは一線を画していた。吉田は「日本代表で戦う以上、最も大切な試合だと思う。どの試合も代表戦は大事だが、それだけ韓国代表と戦うことは大切なことで、絶対に勝たなければいけない試合。僕だけではなくて韓国代表もそう思っているはず」とキッパリ。さらに「10年ぶりということで、当時は僕や権田(修一)選手が一番若かった。練習からいかにこの対戦が日本代表にとって大切なものか伝えていかなければいけないし、何よりプレーで示していきたい。個人的には『ロンドン五輪』(3位決定戦で0-2)で負けた時は本当に悔しかった。2度と韓国に負けたくないと思った。(前回の日韓戦の)札幌でのゲームは(2得点した)香川(真司)選手に勝たしてもらったようなもの。この10年韓国とやるのを楽しみにしてきた」と続けた。

日韓戦の重要性を若い選手たちに説く必要性を吉田は語った。

「正直、長く韓国戦をやっていなかったし、僕もバチバチに予選で戦っていない。僕らが日韓戦がいかに重要か伝えられたギリギリの世代。10年空いてしまい、そこを伝えられていないことに若干の危惧がある。まずひとつは負けられない、絶対に勝たなければいけない試合だということ。今の時代にそぐわないかもしれないが、昔は『足が折れても』とか『身体が壊れてもぶつかっていかなければいけない』『勝たなければいけない』という表現をよくしていた。だから、僕よりも下の世代にそういう表現で伝えるのが合っているのかはわからないが、キャリアの中で一番大事になる試合というのは意識してほしい」

選手たちの韓国戦のとらえ方はそれぞれだが、今回のコロナ禍での代表活動に対する感謝の念を同じだった。監督、選手たちは異口同音に「このような大変な状況でサッカーができることを感謝し、勝利を届けたい」と誓った。

韓国戦、モンゴル戦に臨む日本代表メンバーは以下の通り。

【GK】1西川周作(浦和)、12権田修一(清水)、23前川黛也(神戸)※
【DF】22吉田麻也(サンプドリア / イタリア)、19佐々木翔(広島)、2松原健(横浜FM)、13山根視来(川崎F)※、4畠中槙之輔(横浜FM)、20中谷進之介(名古屋)※、3小川諒也(F東京)※、16冨安健洋(ボローニャ / イタリア)
【MF】8稲垣祥(名古屋)※、7江坂任(柏)※、6遠藤航(シュツットガルト / ドイツ)、14伊東純也(ヘンク / ベルギー)、10南野拓実(サウサンプトン / イングランド)、11古橋亨梧(神戸)、5守田英正(サンタ・クララ / ポルトガル)、17脇坂泰斗(川崎F)※、21川辺駿(広島)※、9鎌田大地(フランクフルト / ドイツ)
【FW】15大迫勇也(ブレーメン / ドイツ)、18浅野拓磨(パルチザン / セルビア)
※=日本代表初選出、名前の前の数字は背番号。

来日した韓国代表のメンバーは以下の通り。

【GK】キム・スンギュ(柏)、キム・ジンヒョン(C大阪)、チョ・ヒョヌ(蔚山現代)
【DF】キム・ヨングォン(G大阪)、キム・ヨンビン(江原)、キム・テファン(蔚山現代)、パク・チュホ(水原)、パク・ジス(水原)、ウォン・ドゥジェ(蔚山現代)、ユン・ジョンギュ(ソウル)、ホン・チョル(蔚山現代)
【MF】ナ・サンホ(ソウル)、ナム・テヒ(アル・サッド / カタール)、ユン・ビッカラム(蔚山現代)、イ・ガンイン(バレンシア / スペイン)、イ・ドンジュン(蔚山現代)、チョン・ウヨン(アル・サッド / カタール)、チョン・ウヨン(フライブルク / ドイツ)、ファン・ヒチャン(RBライプツィヒ / ドイツ)、イ・ジンヒョン(大田)、キム・インソン(蔚山現代)
【FW】イ・ジョンヒョプ(慶南)、チョ・ヨンウク(ソウル)、チョ・ジェイワン(江原)

『国際親善試合』日本代表×韓国代表は3月25日(木)・日産スタジアムにてキックオフ。3月30日(火)にはフクダ電子アリーナにて『FIFAワールドカップカタール2022アジア2次予選兼AFCアジアカップ中国2023予選』日本代表×モンゴル代表を開催。日韓戦の模様は日本テレビ系列、モンゴル戦はフジテレビ系列にて生中継。

取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)

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