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亀梨和也の多様な演技の変遷 緊迫感漂う『レッドアイズ』で新たな進化を遂げる

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リアルサウンド

 3月27日の放送で、ついに最終回を迎える『レッドアイズ 監視捜査班』(日本テレビ系)。KSBC(神奈川県警捜査分析センター)を舞台に、無数の防犯カメラを駆使した捜査で凶悪犯を捕えるサイバークライムサスペンス。主演の亀梨和也(KAT-TUN)は、壮絶な過去を背負った元刑事、KSBCの特別捜査官の伏見響介を演じている。

 第1話からスピーディーな展開が続き、第8話の最終章に突入してもさらに予想だにしないスリリングな展開をみせている。本作を支える柱の一つが、スピード感と躍動感で厚みをもたらすアクションシーンだ。亀梨も夢中になっていると語ったように、瞬きのタイミングを逸するほどの迫真の演技に引き込まれる。

 11月のクランクイン初日からアクションシーンの撮影が行われたという。下村勇二監督(アクション監督)は、「僕たちが一回動いて見せて、すぐそれをコピーするんです」(※1)と練習段階から亀梨の覚えるスピードに驚いたと語った(参照:亀梨和也がアクション監督らと『レッドアイズ』を語り合う 結末は「聞かされていない」)。第5話(2月20日放送回)では、謎の男・真弓を演じるTAK∴(坂口拓)とのハイスピードバトルが話題を集めた。坂口は、ウェイブという戦闘術使いのアクション俳優で、YouTubeチャンネル『狂武蔵たくちゃんねる』(参照:https://youtu.be/lAMtIrIS-SA)では、「アクションはやりすぎぐらいがちょうどいい」とさらり。また、イベントに登壇した際の動画では、「殺しの世界は1秒か2秒なんですね、絶対にどちらかが亡くなるという世界の戦闘術を学んでいる」とも。対峙する相手を知れば知るほど、目にしたシーンがどれほどのものかが伝わってくる。

 スピード感を保った激しいアクション、鬼気迫る表情、歯を食いしばって力んだり、感情を露わにしたりと体全体を使ったシーンがある一方で、目を細めたり見開いたり、鼻や口元、頬の細やかな動き。言葉にならない胸の内を表す、セリフのないシーンにも引き込まれる。“目は口ほどに物を言う”のごとく、ほんのわずかな表情の動きに心を重ね、言葉をのせていく。コメディドラマのように喜怒哀楽がはっきりした物語ではないからこそ、亀梨の丁寧で繊細な演技が光る。

 亀梨の過去の出演作品を遡ってみると、1999年放送『3年B組金八先生』第5シリーズ(TBS系)にはじまり、2005年放送『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系)、『ごくせん』第2シリーズ(日本テレビ系)で一気に脚光を浴びた。『たったひとつの恋』(日本テレビ系)、『サプリ』(フジテレビ系)とラブストーリーを経て、劇場版も公開された『妖怪人間ベム』(日本テレビ系)では妖怪人間という難役に挑戦。2013年公開の映画『俺俺』では一人で33役を演じ分け、2015年公開の映画『ジョーカー・ゲーム』、ドラマ『怪盗 山猫』(日本テレビ系)ではアクションを。ドラマ『FINAL CUT』(カンテレ・フジテレビ系)ではパルクールと演技の幅を広げた。2020年には映画『事故物件 恐い間取り』でホラー作品に挑戦と、ジャンルを問わずに出演してきたのも亀梨ならでは。今回『レッドアイズ 監視捜査班』では、当初の予定とは異なり、アクションが増えたというが、過去の作品をたどってみると、点と点が繋がって線に、そして面へと変わる実りを感じた。

 亀梨の凄さは作品の出演に留まらず、早朝から生放送番組に出演して番組の宣伝活動を行ったり、映画の舞台挨拶で全国各地を回ったり。また、別の作品や舞台出演が重なることもあり、時には『Going! Sports&News』(日本テレビ)で、ホームランや剛速球などのプロジェクト企画で肉体改造レベルの挑戦が平行したことも。怒涛の日々でありながら、それを億尾にも出さずに深夜の生放送ではさわやかな笑顔をみせる。演技力もさることながら、そのプロ根性に胸を打たれる。

 「これくらい努力すればこうなる」ではなく、「これがやりたいからこうする」っていう発想の人間だからーー亀梨がエッセイで綴った言葉だ(参照:『ユメより、亀。』(集英社))。明確なビジョンを持ち、それに向かって進む。言葉こそシンプルではあるが容易ではない。そんな状況を「楽しむ」というのだから頼もしい。1月23日からスタートした『レッドアイズ 監視捜査班』も、いよいよ最終回。どんな結末を迎えるのか、きっと最後まで緊張感あるシーンの連続になることだろう。終わりは寂しいが、今回の作品でまた一つ進化を遂げた亀梨の、俳優としての今後が楽しみでならない。

※高橋ひかるの「高」はハシゴダカが正式表記

■柚月裕実
Web編集者/ライター。企画、担当編集、取材・執筆してます。
日本の男性アイドルの頑張りを見ては涙する30代。
始まりはSMAP中居さん。 KAT-TUN、NEWS中心の事務所担。年中HDDの整理と原稿書きに追われています。

■放送情報
『レッドアイズ 監視捜査班』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00〜22:54放送
出演:⻲梨和也、松下奈緒、趣里、シシド・カフカ、松村北斗(SixTONES)、高橋ひかる、木村祐一
脚本:酒井雅秋、福田哲平、まなべゆきこ
音楽:カワイヒデヒロ
チーフプロデューサー:池田健司
プロデューサー:尾上貴洋、茂山佳則(AX-ON)
演出:水野格、長沼誠ほか
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/redeyes/
公式Twitter:@redeyes_ntv
公式Instagram:@redeyes_ntv