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花村想太「完走したい」と意気込み 『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』開幕

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BROADWAY MUSICAL『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』より

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ミュージカル『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』が3月30日(火)から東京・日比谷シアタークリエで開幕した。1950年の連載開始から70年の時を超えて世界中で読み継がれている、チャールズ・M・シュルツ著のコミック『ピーナッツ』が原作。1967年に米オフ・ブロードウェイで初演され、日本版初演は1977年まで遡る。村井良大がチャーリー・ブラウン、中川晃教がスヌーピーを演じた2017年の上演が記憶に新しい。

初日を前に、囲み取材とゲネプロ(総通し舞台稽古)が行われた。

チャーリー・ブラウン役を演じる花村想太は、自身の初主演ミュージカル『RENT』が新型コロナウイルスの感染拡大の影響で一部公演中止になったことに悔しさをにじませつつ、「今回は必ず完走したい。皆さんに1公演でも多くハッピーを届けられるように、開演できることが当たり前ではないという思いをしっかりと胸に刻みながら、1公演1公演命懸けでやっていけたら」と語った。ちなみに花村が語る自身の見どころは「声の高さ」だという。

17年に引き続き、スヌーピー役を愛らしく演じる中川晃教は「完成・完璧を追求して、進化し続けてきた。いつも新しい何かを発見することができる。すごく深い題材で、ミュージカルの奥深さを味合わせていただいているような作品」と話す。その上で、「そんな素敵な作品に全身全霊で私たちが向かっている姿、そして、かわいらしさがみなさんに届いたら」と意気込んだ。

チャーリー・ブラウンやスヌーピー、その仲間たちの日常がスケッチとして切りとられて、構成されている本作は、まるで原作の4コマ漫画『ピーナッツ』を読んでいるかのよう。明るくポップなテイストながら、時々、考えさせられる人生訓が散りばめられているので、「子ども向け」と括ることなかれ。

花村のチャーリー・ブラウンは、優しさがにじみ出ていて、日常のささいなことで悩んだり困ったりする姿が特に可愛らしい。定評のある歌唱力で、しっかりミュージカルとしても楽しませてくれた。中川のスヌーピーは、衣装やメイクの変更があったからか前回よりも「犬」感は減少したように感じたものの、それでもちゃんと「犬」に見えてくるから不思議だ。本作を代表する楽曲のひとつである『サパータイム』では、中川の実力とその魅力を存分に発揮していた。

宮澤佐江のルーシー、岡宮来夢のライナス、林愛夏のサリー、植原卓也のシュローダーもそれぞれのキャラクターの性格をよくつかんでいて、いい配役。たった6人の出演者ながら、『ピーナッツ』の世界観をよく体現していたと思う。

上演時間はおよそ2時間15分(途中休憩あり)。見終わった後にどこか優しい気持ちになるミュージカル。ぜひお見逃しなく。

取材・文・撮影:五月女菜穂

BROADWAY MUSICAL『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』
原作:チャールズ・M・シュルツ
脚本・音楽・詞:クラーク・ゲスナー
追加脚本:マイケル・メイヤー
追加音楽・詞:アンドリュー・リッパ
訳詞・演出:小林香
出演:花村想太 / 岡宮来夢 / 宮澤佐江 / 林愛夏 / 植原卓也 / 中川晃教

【東京公演】
2021年4月11日(日)まで
会場:シアタークリエ

【大阪公演】
2021年4月15日(木)~2021年4月18日(日)
会場:サンケイホールブリーゼ

【愛知公演】
2021年4月20日(火)
会場:日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール

【長野公演】
2021年4月23日(金)
会場:長野市芸術館メインホール

チケット情報はこちら
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2069305

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