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「街の上で」若葉竜也は「ただ佇んでただけ」、初日に4人のヒロインも集結

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「街の上で」初日舞台挨拶の様子。左から中田青渚、萩原みのり、若葉竜也、穂志もえか、古川琴音、今泉力哉。

「街の上で」の初日舞台挨拶が本日4月9日に東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で行われ、キャストの若葉竜也、穂志もえか、萩原みのり、古川琴音、中田青渚、監督の今泉力哉が登壇した。

本作は今泉とマンガ家の大橋裕之が共同で脚本を手がけたオリジナル作品。自主映画への出演を依頼された主人公・荒川青が過ごす数日間と、彼を取り巻く女性たちの姿が描かれる。若葉が東京・下北沢の古着屋で働く青、穂志が青の元恋人である川瀬雪、萩原が美大生で映画監督の高橋町子、古川が青の通う古書店の店員・田辺冬子、中田が町子が監督を務める映画の衣装部スタッフ・城定イハを演じた。

コロナ禍の影響により、2020年5月の封切りを延期していた本作。若葉は「1年の間に女優の皆さんがすごく活躍されていて。この映画を知らなかった人たちが知る機会もたくさん増えた。今は1年延期してもよかったと思ってます」と挨拶する。

穂志は本作を「新手のヨガ、デトックス」と表現。「コロナ禍でストレスがいっぱいたまって視野も狭くなって、感じられるものも感じられなくなってしまう。この日常の連続130分を観たあと、私はすごくほぐされて。映画館を出たあと、街の匂いとか色とかを感じられると思います。今、この世の中に出せてとってもよかったです」と公開を喜ぶ。中田は本作の魅力を「日常が恋しくなる。ほっこりすると同時にあの日々が早く戻ってきてほしいと思う映画。この映画を観た皆さんの日常が早く戻ってほしいです」と語った。

本作で映画初主演を果たした若葉。劇中ではリアクションの芝居が多く、今泉は「現場でも気負うことなく真ん中にいてくれて、とても助かった。この映画は青が自分から何か行動するというより、わけわからん人たちに巻き込まれていく作品。若い俳優さんも多い中、若葉さんが(芝居を)受けてくれるから演じやすかったという人は多くて。映画の空気を作ってくれました」と感謝を伝える。

これに若葉は「だから僕、ただ佇んでただけなんですよね」と謙遜。本作に演技未経験者も出演していることに触れ、「定石とされる演技のアプローチとは全然違うことをやってくれる。すごく刺激的で、リアクションも新鮮に取れた。その重なりで映画ができあがっていきましたね」と明かす。中でもマンガ家の左近洋一郎(ルノアール兄弟)演じる警官との下りは「10年ぶりぐらいに、本番中に吹き出しそうになった」と話すほど。「『よーい、スタート』がかかってからセリフを言うこともあまり理解してなくて、突然しゃべり出したりする。でも、役者はそうあるべきだなと思います。プロに近付けば近付くほど嘘くさくなっていく職業。いかに何者でもない自分でいられるかをすごく感じた、背筋の伸びるシーンでした」と振り返った。

それぞれの好きなシーンに話が及ぶと、古川は青とイハの長回しでの会話シーンを挙げ「のぞき見している感覚というか。観客とスクリーンの境目がすごくあいまいになる感じがして、すごくムズムズしました」とコメント。同シーンについて萩原も「すごい好き」と深く同意しつつ、「同時に、一生敵わないなという悔しさもすごかったです。(私には)あんなこと絶対やれないから。負けたな……と思いました」とヒロインの1人ならではの悔しさをにじませる。今泉も「自分の手形じゃないですけど、このシーンはほかの人には撮れない時間になったなと思います。しかもほぼ一発撮り。もう(自分にも)撮れない」と思い入れを語った。

「街の上で」は東京・新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で公開中。

(c)『街の上で』フィルムパートナーズ