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門脇麦、金子大地ら出演、気鋭の演出家・熊林弘高が新たな解釈で演出する『パンドラの鐘』

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『パンドラの鐘』メインビジュアル

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チェーホフ作『かもめ』(2016)、そしてシェイクスピア作『お気に召すまま』(2019)と、劇場空間を効果的に使った演出で観客を驚かせた気鋭の演出家・熊林弘高。この2作に続く、熊林と東京芸術劇場が共同で作り上げる作品は、芸術監督・野田秀樹の傑作『パンドラの鐘』だ。

同作は1999年に初演。野田の演出バージョンと、蜷川幸雄演出バージョンがほぼ同時期に上演という異例の競作で、演劇界を牽引するふたりの演出対決が大きな話題となった語り継がれる作品だ。今回は熊林がこの作品を新たな解釈で演出するのが注目となる。

物語の舞台は、太平洋戦争開戦前夜の長崎。歴史の謎に惹かれ、考古学者たちが掘り出したのは、土深く埋もれた巨大な古代の鐘。その鐘の姿から、歴史から遠く忘れ去られた古代王国と、鐘と一緒に葬られた古代の秘密が浮かび上がる。決して覗いてはならなかった“パンドラの鐘”に記された王国滅亡の謎とは? そして、古代の光の中に浮かび上がった“未来”の行方とは……?

遺跡の発掘・古代の王の殉死・長崎への原爆投下などのモチーフがおりなす時空を超えたロマンを、熊林演出ではひとりの俳優が現代と古代をまたいだ複数役を演じるという。キャストは、『狂人なおもて往生をとぐ』(2015)に出演し熊林が信頼する門脇麦と緒川たまき、そして活躍目覚ましい若手俳優・金子大地という顔合わせが実現。また、アーティストとしても活躍する松下優也ほか、松尾諭、柾木玲弥、さらに野田が東京芸術劇場で次世代を担う演劇人の育成を目指した団体・東京演劇道場からオーディションで選ばれた木山廉彬、長南洸生、八条院蔵人が出演。

今回の公演に寄せての野田のコメントには「世間だろうがコロナだろうが我関せず、熊林氏ならば、脚本をひたすら深く深く読み込み、自分が信じた通りの世界を創るだろう(東京芸術劇場公演サイトより抜粋)」とある。熊林がどんなプランで新しい世界を立ち上げるのか、大いに期待される舞台だ。4月14日(水)より東京芸術劇場シアターイーストにて上演。

文:伊藤由紀子

公演情報
『パンドラの鐘』
作:野田秀樹
演出:熊林弘高
出演:
門脇麦 金子大地
松尾諭 柾木玲弥
木山廉彬 長南洸生 八条院蔵人
松下優也 緒川たまき

【東京公演】
2021年4月14日(火)~2021年5月4日(火)
会場:東京芸術劇場 シアターイースト

【滋賀公演】
2021年5月9日(日)
会場:滋賀県立びわ湖ホール 中ホール
【兵庫公演】
2021年5月13日(木)~2021年5月15日(土)
会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
【金沢公演】
2021年5月17日(月)
会場:北國新聞赤羽ホール
【水戸公演】
2021年5月22日(土)・23日(日)
会場:水戸芸術館ACM劇場
【愛知公演】
2021年5月25日(火)
会場:日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール