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iakuの代表作『逢いにいくの、雨だけど』待望の再演

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iaku『逢いにいくの、雨だけど』より 撮影:木村洋一

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iakuの『逢いにいくの、雨だけど』が三鷹市芸術文化センター星のホールにて上演中だ。

関西弁による、緻密でありながらくだけていて、リアリティあふれる対話を描く横山拓也の演劇ユニット、iaku。『逢いにいくの、雨だけど』は、2018年末の初演時に評判を呼び、鶴屋南北戯曲賞ノミネート、OMS戯曲賞佳作受賞などの評価も得た彼らの代表作のひとつ。横山自身、「戯曲としては集大成、演出としては新たな境地」と語る今作が、2年半ぶりの再演となる。

舞台は平成3年と30年。家族ぐるみの付き合いをする、仲良しの幼い二人。しかしある日、ともに通う絵画教室で、ちょっとしたもめごとが原因で男の子が片方の目を失明してしまい、二人は被害者と加害者に分かれてしまう。27年後、事故以来会っていない彼に、彼女は会いに行こうと決意する。

たった一度の不慮の事故。それが、当事者二人だけでなく、彼らを囲む家族をも変えていく。二つの時代のできごとが同時に紡がれていき、観客は次第にその変化を知ることになる。取り返しのつかないできごとを、忘れることのできない後悔とわだかまりを、人はどうやって乗り越えるのか。許すことと許されることの難しさ、複雑さは、大なり小なり誰しも感じたことがあるはずだ。

この物語は、抽象的なセットの中で繰り広げられる。その一見単調にも思えるセットが、場面によって表情を変えていく。役者たちのセリフの応酬によって、背景が色づいていく。観客の想像力に委ねるこの演出は、演劇の面白さを存分に味わえる魅力のひとつだろう。

年月を重ねて関係性と感情とが変化していくさまを描く今作が、2年半ぶりに初演のキャストが全員揃った状態で上演される。初演からの変化を感じられるのか、それとも変わらない8人が観られるのか。そのさまを目撃しに行きたい。

東京公演の上演は4月25日(日)まで、三鷹市芸術文化センター星のホールにて。

文:釣木文恵

【横山拓也 オフィシャルコメント】
初演とはまた違った印象の舞台が立ち上がりました。舞台美術はより機能的になり、俳優の演技はより確かになりました。1991年と2018年に生きる、それぞれの登場人物の葛藤に立ち会っていただければと思います。なかなか人と逢うことが難しい時世ですが、このタイミングで同じキャスト、同じスタッフで再び逢い、初演を見てくれたお客様、新たなお客様とお逢いできる喜びを噛み締めています。

公演情報
iaku『逢いにいくの、雨だけど』
作・演出:横山拓也
出演:尾方宣久 / 異儀田夏葉 / 橋爪未萠里 / 近藤フク / 納葉 / 松本亮 / 川村紗也 / 猪俣三四郎

【東京公演】
上演中~2021年4月25日(日)
会場:三鷹市芸術文化センター星のホール

【大阪公演】
2021年5月8日(土)・9日(日)
吹田市文化会館(メイシアター) 中ホール

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