初音ミクは悪役に気合十分!中村獅童らが希望込め届ける超歌舞伎が明日開幕
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中村獅童(写真提供:松竹)
明日4月24日と翌25日に千葉・幕張メッセ イベントホールで上演される超歌舞伎「御伽草紙戀姿絵」に向け、本日23日に中村獅童のリモート取材会が行われた。
これは「ニコニコネット超会議2021」の一環として上演されるもの。「御伽草紙戀姿絵」は、昨年「ニコニコネット超会議2020」で上演予定だったが、新型コロナウイルスの影響で中止になった。今回は2年ぶりに観客を迎えて開催されるほか、両日共ニコニコ生放送で無料配信される。土蜘伝説を題材にした本作では、源朝臣頼光 / 袴垂保輔を中村獅童、傾城七綾太夫実は将門息女七綾姫を初音ミクが勤め、中村蝶紫と澤村國矢も登場。劇中曲として、dorikoが作詞・作曲した「ロミオとシンデレラ」が使用される。
今年は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、会場での大向うや掛け声は禁止となるが、ペンライトや拍手を通じた応援は可能。獅童は「出演者・スタッフ一同が、1年分の思いをぶつけるという意気込みで臨んでいる」と稽古の充実ぶりをのぞかせつつ、「ニコ生で中継をご覧の皆様にも、いつにも増して大向うのコメントを書き込んでいただき、例年以上に盛り上がれたら」と話し、「皆様と気持ちを1つに、疫病退散!という気持ちを込め、未来への第1歩を進んでいけたらと思います」とメッセージを送った。
昨年8月には「超歌舞伎」の無観客公演が行われた。獅童は無観客公演に込めた思いを「先が見えない状況で、特にお弟子さんたちが不安なのではと心配していた。公演を行うことで、彼らに『がんばればいつか良い役をやれる』と希望を与えられていたらうれしいですし、彼らが将来活躍できる場を増やすことにつながればという思いがありました」と明かし、上演を「寂しさもありましたが、これまでの公演で聞いたお客様のかけ声が耳に焼き付いていますし、無観客と言えど満員のお客様の前で演じている気持ちでした」と振り返った。
今回、獅童は源朝臣頼光と袴垂保輔の2役を勤め、初音ミクは傾城七綾太夫実は将門息女七綾姫を演じる。初音が初めて悪役を勤めることについて、獅童は「ミクさんは踊りの見せ場がいつも以上に多い。前回中止になったからか悪役の演技に並々ならぬ気合が入っていて、話しかけられる空気じゃない……怖いくらいです(笑)」とコメントし、「芝居の部分が濃くなっているので、期待してもらえたら」と呼びかける。また今回は蝶紫、國矢の出番も多いといい、「特に國矢くんは立廻りの分量が多く、大活躍ですよ」と見どころをアピールした。
取材会では獅童が「歌舞伎界における配信は、超歌舞伎が元祖。でもこのあいだ歌舞伎の配信を紹介するネットニュースを読んだら、中村獅童の“シ”の字も出てこなくて……まだまだがんばらなくては」と苦笑いを漏らす場面も。獅童は超歌舞伎の初演では不安もあったと打ち明け、「でもいざ幕が上がってみたらお客様がペンライトを振りながら大歓声を上げてくれて、お客様に泣かされてしまった。超歌舞伎はファンの皆さんが育ててくれた作品です」と感慨深げな表情を浮かべる。
また京都・南座で初めて超歌舞伎が上演されたとき、長年の歌舞伎ファンに超歌舞伎ファンがペンライトの使い方を教えていたとエピソードを紹介し「僕はサブカルファンの方々が大好き。彼らがどのように歌舞伎を観てくれるのかいつも楽しみなんです」「ファンの方々があっての超歌舞伎。彼らの熱意は将来を動かすと思いますし、エネルギーにいつも感動しています」と思いを語った。
さらに獅童は超歌舞伎に取り組む際、いつも故・中村勘三郎への思いがあるといい、「勘三郎兄さんがもしお元気だったら、何とおっしゃるだろう? 悔しがってくれるかな?とつい考えてしまう。兄さんはいつも、良いものを観るとやきもちをやいていました。勘三郎兄さんに『これ、俺がやりたい!』と言ってもらえるような超歌舞伎を作っていきたいですね」と言葉に力を込めた。
なお9月の南座公演「九月南座超歌舞伎」では、「御伽草紙戀姿絵」のほか「『都染戯場彩』花の大内 月の吉原 雪の石橋」が披露される。また國矢らが出演する「御伽草紙戀姿絵」リミテッドバージョンも上演される。
「ニコニコネット超会議2021」
2021年4月24日(土)~5月1日(土)
超歌舞伎「御伽草紙戀姿絵」
2021年4月24日(土)・25日(日)
千葉県 幕張メッセ イベントホール
脚本:松岡亮
演出:藤間勘十郎
劇中曲:「ロミオとシンデレラ」(作詞・作曲:doriko)
出演:中村獅童、初音ミク、中村蝶紫、澤村國矢 ほか