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降旗康男や佐藤浩市が受賞した京都国際映画祭2018閉幕、中島貞夫は京都映画大賞に

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京都国際映画祭2018オープニングセレモニーでの佐藤浩市。

京都国際映画祭2018が、10月14日に閉幕した。

10月11日から4日間にわたり計37会場で開催された同映画祭では、悠木碧らが参加した「バイオレンス・ボイジャー」や、佐野勇斗(M!LK)と本郷奏多のダブル主演作「凜-りん-」、大九明子の監督作「美人が婚活してみたら」など109本の映画を上映。参加アーティストは約240名、開催期間中の鑑賞・体験者は約20万人に上った。

初日に京都・西本願寺で行われたオープニングセレモニーでは、各賞の授賞式を実施。世界的俳優・監督をたたえるモスト・リスペクト賞には尚長栄と言興朋、牧野省三賞には降旗康男が選ばれた。授賞式では、体調不良のため出席が叶わなかった降旗に代わり、息子・降旗淳平がスピーチを行った。また三船敏郎賞は、佐藤浩市が受賞。佐藤は「大先輩である三船敏郎さんの名前を冠した賞をいただけるとは……恐悦至極で緊張しています」「映画には、違う国の人間同士がお互いを知ることができる力があると思っています。今後どれくらい(映画に)携わっていけるかわからないですが、常にそんな気持ちで映画に関わっていきたいです」とコメントした。

10月14日には、中島貞夫の20年ぶりの長編監督作「多十郎殉愛記」のワールドプレミアを、京都・よしもと祇園花月にて実施。中島のほかキャストの高良健吾や木村了も登壇した。イベントの最後には中島が、“映画人”としての功績や京都における“映画祭”の文化的貢献をたたえられ、今回限りの特別賞である京都映画大賞を受賞。また映画祭の名誉実行委員長でもある中島は、今年度の総括として「5回目でいろんなものが定着してきた。映画祭から映画が発信できるのが一番やらなければならなかったこと。それが今回はできたと思う」と述べた。

なお今年度、クリエイターの発掘や育成を目指す公募型プロジェクトのクリエイターズ・ファクトリーでは、映像部門に107作品、アート部門と子ども部門には計150作品の応募が集まった。その中から、映像部門では大森歩の「春」が最優秀賞を受賞。竹中貞人の「ZOB」が優秀賞、緑茶麻悠の「wind chime」が観客賞に輝いた。各受賞者のコメントは以下に掲載している。

京都国際映画祭 受賞者コメント

モスト・リスペクト賞受賞者 尚長栄

私は中国の京劇の俳優、尚長栄と申します。今日はこの名誉ある賞を受賞することができまして本当にうれしく思います。中国の京劇はいろんな表現方法、役があります。男性役の生、女性役の旦、男性役の暴れん坊な性格の持ち主の浄、道化役の丑と4つの役がありまして、私は生の役柄をいつも演じています。30年前、京劇の舞台で「曹操と楊修」を演じました。また、30年後の今、技術の発展とともにこの「曹操と楊修」という伝統的な演目を映画化することに成功しました。私は曹操の役です。曹操は中国の歴史上で有名な政治家、歴史家、そして有名な詩人でもあります。彼の詩は今でもよく読まれています。とてもきれいな節回しなどありますので、劇場にてご覧いただければと思います。

牧野省三賞受賞者 降旗康男(※息子・降旗淳平によるコメント)

このような歴史ある素晴らしい賞をいただき、選考委員をお務めになった皆様、映画祭関者の皆様に謹んでお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。父本人はこの席に来たかったのですが、体調を崩しておりまして、私が代理で来させていただきました。父は昔から京都に来ると元気が出る、元気を取り戻せるとよく申しておりました。実際、東京にいるより京都にいるほうが機嫌がいいかなと思います。30数年前、「(将軍家光の乱心・)激突」を太秦で撮っているときに、学生だった私が友人5人を連れて父のもとを訪れたことがございます。撮影現場に立ち入らせないことはいつものことですが、そのときは私を含めて6人を三嶋亭に連れていってすき焼きをごちそうしてくれました。学生には分不相応ですが、大変おいしく、当時、一緒に行った友人は今でも父のことになるとその話を持ち出して、私に連絡をしてきます。東京ではめったにそういうことをしないので、それだけ父は楽しんでいたのだと思います。

三船敏郎賞受賞者 佐藤浩市

38年前に初めて映画の撮影で京都に来てから約40年、まさかこのような場所でこのような賞をいただけると は思いもよらなかったです。さらに大先輩である三船敏郎さんの名前を冠した賞をいただけるとは……恐悦至極で緊張しています。
言語、習慣、宗教などすべてが違う異国に対して、映画という共通言語を発信していきたい。映画には、違う国の人間同士がお互いを知ることができる力があると思っています。今後どれくらい(映画に)携わっていけるかわからないですが、常にそんな気持ちで映画に関わっていきたいです。ありがとうございます。

京都国際映画祭2018 クリエイターズ・ファクトリー 受賞者コメント

エンターテインメント映像部門 最優秀賞受賞者 大森歩(「春」)

このたびは、ありがとうございました。
「春」を監督しました、大森歩です。はじめて作った映画で、しかも自分とおじいちゃんの私的なお話で、受賞ができたこと、本当にうれしく思います。今回は短編でしたが、いつか長編が撮れるよう、がんばります! よろしくお願いします!

エンターテインメント映像部門 優秀賞受賞者 竹中貞人(「ZOB」)

今回の映画祭に対して率直な感想を言わせてもらうと、本当に悔しいです。
優秀賞という栄誉ある賞を頂いたのですが、作品に対してもっとできた、まだやれたという気持ちになります。
私の作品は面白いが賞レース向きではない。
いつもそう言われます。
なぜなら観客に向けて映画を作っているからです。
しかし、京都国際映画祭は観客に寄り添う本当にいい映画祭でした。
「ZOB」はとても面白い作品です。上映の機会があればもっと多くの方に観ていただきたいです。
この悔しい思いは新作にぶつけます!

アート部門 優秀賞受賞者 隋行奏子(「あなたのような わたしのような」)

元淳風小学校で楠のみを使って彫った人体を展示しています。
今回の作品は、考え方も作り方も今までとがらりと変えた作品になりましたので、
このような賞をいただいて光栄に思います。ありがとうございました。

子ども部門 受賞者 川勝友萌(「繋ぐ」)

私には弟がいて、この作品は弟のかわいい感じ、小さい感じを絵に残したくて描きました。