浪曲師・玉川奈々福が語る! 『野田版 研辰の討たれ』の魅力
映画 ステージ
ニュース
玉川奈々福 撮影:塚田史香
続きを読むフォトギャラリー(10件)
すべて見る5月14日(金)から全国の映画館で上映が始まるシネマ歌舞伎『野田版 研辰の討たれ』。本作を浪曲化した演目を、6月25日(金)よりユーロライブで行われる「浪曲映画祭」にて上演予定の浪曲師・玉川奈々福への取材会が行われた。
2005年に歌舞伎座・中村勘三郎襲名披露公演『野田版 研辰の討たれ』をみて、浪曲化を決意したという玉川。当時の衝撃を「震えるほど面白かった」と語る玉川は、その理由について「歌舞伎というと『仮名手本忠臣蔵』など、忠義に身を捧げる人を描く作品が多いですが、この舞台の主人公・研辰はその精神を頭から否定します。建前ではなく本音で生きていると感じました。結局は当事者として仇討ちに巻き込まれ、翻弄されていくわけですが…こういう本音で生きる人を浪曲で描きたい!とすぐに思いました」と語る。自身が惚れ込んだ作品を浪曲化するにあたり苦労したようだが、「勘三郎丈の辰次はとにかく愛嬌が溢れていて、演じるというよりもその役を生きているという風に見えました。シネマ歌舞伎で観ると、勘三郎丈が大汗をかいてるのが分かるので、さらにそう感じます。歌舞伎俳優は日本の宝ですし、勘三郎丈は演劇の神様のような方です。辰次を演じるのは恐れ多いですが、『やらなきゃきっと後悔する!』と思い切って浪曲にし、勘三郎丈七回忌の2018年に初めて上演しました」と、勘三郎丈に感化されたことを明かした。
また、野田秀樹が脚本・演出を担当する本作の見どころについて、「野田秀樹さんの演出は素晴らしく、大仕掛けのからくりなど、お客さまをワクワクさせるような歌舞伎の舞台ならではの楽しさがあります。しかし浪曲は語り芸ですので、全部を再現するわけにはいかない。その代わり、浪曲ならではの挑戦をしました。浪曲は普段浪曲師ひとりに三味線一丁で上演しますが、『研辰の討たれ』ではお囃子に入っていただいたり、若い浪曲師に大衆の野次をやってもらったりしています」と説明。最後に、「この作品は、まさに今の時代とリンクしている作品で、初めて歌舞伎を観る方にもおすすめです。とっても好きな作品ですので、とにかくぜひ観てみていただきたいです」とアピールした。
●シネマ歌舞伎『野田版 研辰の討たれ』
5月14日(金)~20日(木)、全国34館にて上映
※映画館の営業状況は変更になる可能性がございます。ご鑑賞予定のお客様は、各映画館のHPで 最新の営業状況・上映状況をご確認のうえご来場ください。
●第3回浪曲映画祭
6月25日(金)~6月29日(火)
会場:ユーロライブ(渋谷)
●西徳寺浪曲会
8月21日(土)14:00 開演 チケットは近日発売予定。
フォトギャラリー(10件)
すべて見る