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LUNA SEA「こんな状況下だけど音楽は必要です」1年越しの結成記念ライブにSLAVE歓喜

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LUNA SEA

LUNA SEAが5月28~30日に東京・東京ガーデンシアターで2部構成のワンマンライブ「LUNA SEA 30th Anniversary CROSS THE UNIVERSE -THE DAWN」を開催。この記事では2日目の29日公演の模様をレポートする。

この公演は2020年に開催予定だったものの延期となった結成30周年公演「LUNA SEA 30th Anniversary -CROSS THE UNIVERSE- GRAND FINAL」の振替公演として、1年越しで行われたもの。5月29日は1989年に東京・町田にあるThe Play Houseで初ライブを実施したバンドの記念日にあたる。1年越しの“LUNA SEAの誕生日”を祝うべく、SLAVE(LUNA SEAファンの呼称)はソーシャルディスタンスを保ったうえで、開演を待った。

荘厳なオープニングBGMと稲妻のようなレーザーが怪しく場内を包む中、暗がりから5人が姿を見せた。RYUICHI(Vo)、SUGIZO(G, Violin)、INORAN(G)、J(B)、真矢(Dr)はオレンジ色の光に照らされ、第1部の1曲目として「LUCA」を演奏。SUGIZOのギターソロ前にはINORANが威勢よく声を上げ、大きく手を掲げてハンドクラップを煽る。観客もLUNA SEAの演奏に加わり、壮大なライブの幕開けを飾った。RYUICHIは「みんな会いたかったよ!」と声を張り上げ、「ちょっと置き忘れてしまったツアーをここに復活させたいと思います! ここガーデンシアターで(去年の)ツアーが終わるはずだったけど、今回ここから新たなツアーがスタートするということで、32年を迎えたLUNA SEA、飛ばしていくんで見ていてください!」と呼びかけた。その後、「You're knocking at my door」「PHILIA」と2019年発表の最新アルバム「CROSS」の収録曲が続けて披露され、「PHILIA」ではJがピアノを演奏する場面も。LUNA SEAは結成時から激しく、狂おしく、エモーショナルなサウンドを確立させ、多くのファンを魅了し続けてきた。結成から30年余りを経た今なお進化し続けていることを伺わせるような、盤石のアンサンブルをもってSLAVEを熱狂させた。

RYUICHIはバックステージでメンバーと「ここから10年また走ろうね」と会話を交わしたことを明かす。ミック・ジャガー、ロッド・スチュワート、デヴィッド・ボウイとロックスターの名を挙げつつ、「歳を重ねることに色っぽくなる感じがいいよね」と話し、「これから10年もこの5人で走り続けていきたいと思います!」と意気込んだ。続いてLUNA SEAはSUGIZOがスペーシーなギターサウンドを奏でる「宇宙の詩~Higher and Higher~」をプレイ。ミラーボールが美しく光を乱反射させ、メンバーとSLAVEを照らした。RYUICHIがジャケットを脱いだあとには、RYUICHI作曲によるミディアムチューン「anagram」や、カラフルなライトやレーザーが飛び交う中で軽やかなビートの「BLACK AND BLUE」が披露された。大きく手を振る観客の心の声を受け止めているとばかりに、メンバーは時折手を広げ、フロアを見渡しながら演奏を続けた。「俺たちが町田プレイハウスから出て32年。たくさんの経験ができた。まだまだやり足りないこともある。俺たちの歴史、足跡をもっと埋めていきたい」というRYUICHIの言葉のあと、感動的なバラード「悲壮美」で第1部は終了。メンバーが退場していく中、SUGIZOは置き忘れたRYUICHIのジャケットを持って、ステージをあとにした。

第2部はエレクトロアレンジの「月光」をSEに開演し、LUNA SEAはRYUICHIの歌い出しで始まる「WITH LOVE」を披露。この曲は1996年発表のアルバム「STYLE」収録曲にしてライブではレアなナンバーだ。真矢のドラムフィルからキラーチューン「Dejavu」の演奏に入ると、SUGIZO、INORAN、Jがステージを動き回り、隅々の観客にアピール。RYUICHIはそんなオーディエンスに「お前たちの心の声を聞かせてくれ!」と訴え、場内の一体感を高めていった。そして「STORM」でさらなる興奮を誘ったあとには、「初めてのガーデンシアター、いいよね。オリンピックがどうなるかわかりませんが、オリンピックによってたくさんの会場が作られています。トンネルを抜けた先、僕たちはいろんなところで、たくさんライブができるんじゃないかな」と未来への明るい展望を口にした。

ライブは進み、RYUICHIとSUGIZOが絡みを見せる「IN SILENCE」、名曲「I for You」を経て、終盤に突入していく。ここでLUNA SEAは「ROSIER」を投下。間奏ではJが「行くぞ有明!」と叫んでマイクスタンドを天高く放り投げ、SUGIZOが強烈なギターソロを浴びせるという激しいパフォーマンスの連続に、ファンの興奮はさらに加速。そしてラストはライブ定番曲の「BELIEVE」で熱く締めくくられた。

アンコールを待つ間、観客が青い半透明シールをLEDライト部分に貼った携帯電話を掲げ、場内は青い光で彩られる。ステージに再び現れた5人は口々に感謝をファンに伝えた。この光は新型コロナウイルス感染症にまつわる現場の最前線で、命を救うために日夜奮闘する医療従事者、フロントワーカー、エッセンシャルワーカーに捧げるためのものであることをメンバーは説明。そんな祈りの光に包まれる中、LUNA SEAはコロナ禍の中で生み出した楽曲「Make a vow」を演奏した。メンバー紹介ではそれぞれが短くコメントする中、INORANは「LUNA SEA32歳の誕生日を迎えられて本当に幸せです!」、SUGIZOは「こんな状況下だけど、音楽は必要です。音楽は止めず、ツアーに出かけましょう。大切なのは倫理と思いやりと愛です。それらを持って、このまま一緒に旅をしましょう」と話した。そしてRYUICHIが「東京! お前ら全員でかかってこい!」と煽ってから、「WISH」を投下した。

これで終演かという流れだったが、ライブは続き、LUNA SEAは最後に「MOTHER」を演奏し始める。この曲はLUNA SEAが1994年に発表した4thアルバム「MOTHER」の表題曲。このアルバムはLUNA SEAの最高傑作とも称され、その後の制作活動に重圧としてのしかかることもあったというほど、LUNA SEAにとっては大きな意味を持つ作品だ。INORANがアコースティックギター、SUGIZOがギターからバイオリンに持ち替えるという編成で、LUNA SEAは壮大な曲を再現し、“LUNA SEAの誕生日”の記念すべきライブの幕を下ろした。

LUNA SEAは全国ツアー「LUNA SEA 30th Anniversary Tour 20202021 -CROSS THE UNIVERSE-」へと旅立ち、まず6月12日に福岡・福岡サンパレス公演を行う。

「LUNA SEA 30th Anniversary CROSS THE UNIVERSE -THE DAWN」2021年5月29日 東京・東京ガーデンシアター セットリスト

第1部

01. LUCA
02. Closer
03. You're knocking at my door
04. PHILIA
05. 宇宙の詩~Higher and Higher~
06. anagram
07. BLACK AND BLUE
08. 悲壮美

第2部

01. WITH LOVE
02. Dejavu
03. STORM
04. IN SILENCE
05. I for You
06. ROSIER
07. BELIEVE

<アンコール>
01. Make a vow
02. WISH
03. MOTHER

※「Dejavu」のeはアキュートアクセント、aはグレイヴアクセント付きが正式表記。

「LUNA SEA 30th Anniversary Tour 20202021 -CROSS THE UNIVERSE-」

2021年6月12日(土)福岡県 福岡サンパレス
2021年6月13日(日)福岡県 福岡サンパレス
2021年6月26日(土)愛媛県 松山市民会館 大ホール
2021年6月27日(日)愛媛県 松山市民会館 大ホール
2021年7月3日(土)北海道 札幌文化芸術劇場 hitaru
2021年7月4日(日)北海道 札幌文化芸術劇場 hitaru
2021年7月17日(土)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
2021年7月18日(日)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
2021年7月31日(土)福島県 南相馬市民文化会館 ゆめはっと 大ホール
2021年8月1日(日)福島県 南相馬市民文化会館 ゆめはっと 大ホール
2021年9月1日(水)栃木県 宇都宮市文化会館大ホール
2021年9月2日(木)栃木県 宇都宮市文化会館大ホール
2021年10月2日(土)宮城県 仙台サンプラザホール
2021年10月3日(日)宮城県 仙台サンプラザホール
2021年10月23日(土)広島県 上野学園ホール
2021年10月24日(日)広島県 上野学園ホール
2021年11月29日(月)大阪府 大阪国際会議場 メインホール
2021年11月30日(火)大阪府 大阪国際会議場 メインホール
2021年12月4日(土)石川県 本多の森ホール
2021年12月5日(日)石川県 本多の森ホール
2021年12月20日(月)兵庫県 神戸国際会館 こくさいホール
2021年12月21日(火)兵庫県 神戸国際会館 こくさいホール

(撮影:田辺佳子、横山マサト、岡田裕介、上溝恭香)