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多彩な女優が集うKERA・MAP『修道女たち』が開幕

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ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)が作・演出を手がける新作舞台、KERA・MAP『修道女たち』が10月20日(土)に本多劇場で開幕した。

これまでも女性たちのコメディを多く生み出してきたKERAが今回描くのは、タイトルのとおり“修道女たち”。おそらく今から100年ほど前の時代、雪に閉ざされた山荘を訪れる修道女一行に扮するのは、緒川たまきや高橋ひとみら6人。意外にもKERA作品初登場という大人計画の伊勢志摩はその中の修道院長を演じる。同じく初参加となる鈴木浩介の演技も楽しみな要素のひとつだ。

聖職者の物語を描く理由のひとつを、不思議なことがいくら起こっても納得してもらいやすいことと語っていたKERA。修道女の存在そのものが、物語を豊かに、自由に膨らませ、飛躍させていく。

チラシでは他のキャスト同様、修道女の衣装を身にまとっていた鈴木杏だが、演じるのは巡礼にやってきた修道女たちを受け入れる村の女、オーネジー。年齢に見合わないほどの幼さとまっすぐさを持った彼女と修道女たちはどのような物語を織り成すのか……。

この作品がコメディであることは間違いないようだが、事前に得られる情報から伝わってくるのは、決して"陽”の空気ではない。不穏さの漂う中で、手練れの役者たちが交わす会話がどんな世界へと導いてくれるのか。冬の気配が少しずつしのびよってくるこの季節にぴったりの演目であろうことだけは間違いなさそうだ。

11月15日(木)まで下北沢 本多劇場で上演、その後、兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール、北九州芸術劇場 中劇場でも上演される。

文:釣木文恵