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「夢幻紳士」監督から原作者・高橋葉介へのファンレターで映画化実現、初日迎える

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「夢幻紳士 人形地獄」初日舞台挨拶にて、左から海上ミサコ、杉山文雄、井上貴子、皆木正純、SARU、森川陽月、紀那きりこ。

「夢幻紳士 人形地獄」の初日舞台挨拶が本日6月26日、東京・新宿K's cinemaで行われ、キャストの皆木正純、杉山文雄、SARU、井上貴子、森川陽月、紀那きりこ、監督の海上ミサコが登壇した。

高橋葉介のマンガを実写化した本作。昭和初期の日本を舞台に、他人の心を視ることができる探偵・夢幻魔実也(むげんまみや)が事件を解決していくさまが描かれる。皆木正純が魔実也を演じ、横尾かなが暗示によって自らを人形と思い込む少女・三島那由子に扮した。

海上は制作のきっかけについて「私が中学2年生のときに『夢幻紳士』の、まさに今回(映画)のエピソードを初めて読みまして。夢幻さんが那由子を助けたのか助けなかったのか。感動したんだけれども、それがモヤモヤと何十年も残っていた。描かれていない行間を映画として完結させてみたかった」と説明する。そして20歳の頃より高橋にファンレターを送り、映画化の許可をもらったという。「好きなものを突き詰めて映画ができあがったので、ありがとうございますとしか言えないです」と並々ならぬ思いをのぞかせた。

皆木は、海上からオファーを受けた当時を振り返って「僕のような年寄りがやってもいいのかなと。もっときれいな若い人にやってもらったほうがいいんじゃないかとか、いろいろ思っていました」と率直に述べる。「とにかく撮影が長くて。月に1回、2回(撮影)というのを何年もやっていたので、どんどん歳も取りますし。同じシーンでも葉っぱが何もない冬のときもあれば、セミがずっと鳴いている夏のときもあって。それが1つのシーンになっている部分もある」と月日を掛けて制作されたことをうかがわせた。

また謎の犬男・十勝十蔵役の杉山は「なかなか犬になることもないので、朝方の駐車場で四つん這いで走るとか、そんな練習をしました」と役作りを明かす。梅子役のSARUは、岡優美子演じる雛子の相棒のような役どころ。「梅子はとにかく雛子が大好きで、好きすぎて。『守る』と言いながら、梅子は雛子の人形になりたいんじゃないかという感覚で演じました」と自論を展開し、海上を「初めてその説を聞きました。なるほど」とうならせた。

「夢幻紳士 人形地獄」は全国で順次公開。

(c)高橋葉介・早川書房・ビーチウォーカーズコレクション