月組・珠城りょう&美園さくらの退団公演が東京宝塚劇場で開幕! 千穐楽はライブ中継も
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宝塚歌劇月組 ロマン・トラジック『桜嵐記』 / スーパー・ファンタジー『Dream Chaser』
宝塚月組の東京公演、ロマン・トラジック『桜嵐記(おうらんき)』と、スーパー・ファンタジー『Dream Chaser』が、7月10日(土)、東京宝塚劇場で幕を開ける。これまで東京公演は金曜初日が通例だったが、今回から宝塚大劇場と同じ土曜開幕になった。
この公演は、2016年に入団9年目という、天海祐希に次ぐ史上2番目の早さでトップスターに就任し、月組を全力で率いてきた珠城りょうと、2019年1月の公演から珠城の相手役を務めてきた、トップ娘役・美園さくらの退団公演で、芝居もショーも“サヨナラ”の色合いが濃いが、作品としての評価も高く、観応え十分だ。
美しく丁寧な描写と細やかな演出で人気の上田久美子が作・演出を手がける『桜嵐記』は、南北朝時代の吉野を舞台に、滅亡を覚悟した南朝の武将、楠木正行(まさつら=珠城)と、復讐を生きる支えにしてきた後村上天皇の侍女、弁内侍(べんのないし=美園)が出会い、束の間の恋に落ちる。桜の花が咲き乱れる春の吉野の風景が、ふたりのはかない恋と重なって印象的だ。
次期トップスターに決まっている月城かなとが、正行の末弟正儀(まさのり)を大らかな演技で好演し、同じく次弟の正時には鳳月杏、後村上天皇には暁千星、足利尊氏に風間柚乃、そして次期トップ娘役の海乃美月が、正時の妻百合を演じている。
併演の『Dream Chaser』は、中村暁が作・演出を担当。夢を追い求めるひたむきな情熱をテーマにしたオーソドックスなショーで、この公演から出演者の人数制限がなくなったため、月組生全員によるステージは、やはり豪華絢爛で迫力がある。
特に終盤、大階段での男役による群舞は、飾りのないシンプルな黒燕尾が、退団を前にした珠城の潔さを感じさせて感慨深い。歌唱力に定評のある美園が、最後にエトワールを務めるのも話題だ。
なお、8月14日の前楽と、翌15日の千秋楽の公演後には、珠城のサヨナラショーが上演される。また、千秋楽の公演は、サヨナラショーも含め、全国の映画館でライブビューイングが行なわれ、同時にタカラヅカ・オン・デマンドでライブ配信も予定されている。
文:原田順子
宝塚歌劇月組 ロマン・トラジック『桜嵐記』 / スーパー・ファンタジー
『Dream Chaser』
2021年7月10日(土)~2021年8月15日(日)
会場:東京宝塚劇場