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福士蒼汰、「やりたいと思ったことをやる。得たものを作品で出すのが楽しみ」

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『曇天に笑う』『BLEACH』といった人気コミックの実写化や、アクション作品のイメージの強い福士蒼汰が、有川浩のベストセラー小説を映画化した『旅猫リポート』に主演。愛猫との絆をフックに、人との繋がり、思いを見つめた作品で「自分の中から役を引き出す、役と溶け合う新しい体験をした」と語り、「演じることへの楽しさが膨らんでいる」と前を見据えた。

元ノラ猫のナナ(声:高畑充希)と暮らしてきた、福士演じる青年・悟が、ある事情からナナを手放すことになり、ナナと一緒に、新たな飼い主を求め、友人らを訪ねる旅に出る本作。「悟のやさしさが印象的でした」と口にした福士。続けて「そうした悟の人間性は、どこからくるものなんだろうと思いました。ミステリーではないのですが、登場人物たちと悟の関係性が見えてくるなかで、だんだんとその理由が伝わってくるんです。悟に寄り添っていきたいと思える物語でした」と語る。

そして「自分は悟ほどやさしくはないです」と笑いながらも、悟という役を作りこむのではなく、自分自身と溶け合わせていったと振り返る。

「最初に、三木康一郎監督(『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』)から、僕のまま、そのままでいいとおっしゃっていただきました。だから人が好きで、動物が好きでといった、自分自身の中にある悟の部分を強く出そうと意識していったんです。最近はキャラクター性の強い役柄を多く演じましたが、それらとは全く違った感覚でしたし、より難しかったです。キャラクターを強く出すほうが、その型でプロテクトできるんです。でも今回は、ある意味、無防備な状態でした」

そんな、「生身にならなければならなかった」現場だったが、“ナナ”がいたことによって、乗り越えられたという。「主演という立場ではありますが、現場ではとにかくナナが一番なんです。みんなの注目、集中がナナに向かっていました。そのことで、新しい取り組みが必要な芝居でありながら、自分はあまりプレッシャーを感じることがなく、楽に演じることができました。それに、ナナとのお芝居では、予測できないことが起こるし、計算ができない。鍛えてもらいました(笑)」

原作も映画版も“泣ける”という言葉を目にする作品だが、「悲しいままでは終わらない」と福士は感想を漏らす。「切ないお話でもありますが、決して沈んでは終わらないんです。今回、有川先生は脚本にも携わられているのですが、やはり先生の書く筆の力なのかなと感じます。演じているときにも感じましたが、温かい、前向きなラストになっていると思います」

本作で、また新たな役作りに挑めたという福士。昨年末から今年にかけては、劇団☆新感線の舞台に出演するなど、活躍の場を広げているが、「演じることへの楽しさが膨らんでいる」とほほ笑む。「自分にとって、作品に挑むことはアウトプットだといえます。そのときの自分自身の持っているものを出さなければいけません。だからお芝居について勉強したり、自分自身の人生においていろんなことを経験したりといったインプットが大切ですし、そうした機会が、増えてきている感覚があります」

どこかすっきりした表情を見せる福士。彼の中で、何か変化が起きていると感じさせた。「デビューしてから1年2年は、定期的にお芝居のレッスンなどをしていましたが、それ以降はどうしても撮影のスケジュールに追われてストップしていました。今、改めてお芝居の勉強などをしています。数多くの作品を経験させていただいてから、また勉強できていることはすごく有難いです。それだけでなく、これまで自分の人生で閉ざしてきた門をちょっと開いてみたりもしています。やりたいと思ったことをやる。直接仕事に繋がる殺陣の稽古といったものだけでなく、友達とテニスなどスポーツで汗をかいて遊ぶといったこともすべて。いまは、早くアウトプットしたい気持ちでいっぱいです」

『旅猫リポート』
10月26日(金)より全国公開

取材・文・写真:望月ふみ
ヘアメイク:高橋幸一(Nestation)
スタイリスト:小松嘉章(nomadica)
協力:ZOO動物プロ

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