Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > 佐々木蔵之介、過労死した中国皇帝を熱演「“覚悟と孤独”をぜひご覧いただければ」

佐々木蔵之介、過労死した中国皇帝を熱演「“覚悟と孤独”をぜひご覧いただければ」

ステージ

ニュース

ぴあ

続きを読む

フォトギャラリー(15件)

すべて見る

佐々木蔵之介が主宰する演劇ユニット「Team申」の11年ぶりとなる第5回本公演『君子無朋(くんしにともなし)』の取材会が7月16日、会場となる東京芸術劇場シアターウエストで行われ、主人公である清の第五代皇帝・雍正帝(ようせいてい)を演じる佐々木をはじめ、共演する中村蒼、脚本の阿部修英、演出の東憲司が出席した。

佐々木が演じる18世紀初頭の清国を治めた雍正帝は、稀有な思想や哲学を持ち、皇帝の地位にありながら、玉座に座ることなく執務室で毎日20時間働き、過労死したとも言われる人物。2020年に放送されたドキュメンタリー番組『中国王朝 英雄たちの伝説」の第3章“過労に倒れた専制君主・雍正帝”で、佐々木が中国ロケに訪れたことが本公演の発端となった。

「取材を通して、雍正帝の生きざまを見ていると、暴君ではあるんですが、なんともユニークな皇帝で、何かしらの形で作品にできたら、そして演じられたら面白いだろうなと思った。Team申だからこそ、この短時間で公演にこぎ着けた」と振り返る佐々木は、「国の頂点にいながら、現場で働く末端と手紙でやり取りし、20時間働いたんですから。元祖テレワークですよね(笑)。言葉は汚いんですけど、ただの独裁者じゃないぞと思った」とキャラクターの魅力を語った。

過去には舞台「リチャード三世」のタイトルロール、大河ドラマ「麒麟が来る」での羽柴秀吉といった歴史上の人物を演じているが、今回の役作りは「まったく逆」だといい、「例えば、秀吉なら所縁のお城に行ったりして、空気と匂いを感じながら取捨選択するんですが、今回はまず中国に行っての取材があって、それが血肉になっている」。タイトル『君子無朋』についても言及し、「皇帝には兄弟も家族も父も母もいない。ひとりだと。そんな彼が一国の未来を切り開こうとする“覚悟と孤独”をぜひご覧いただければ」とアピールしていた。

阿部は企画の発端となったドキュメンタリー番組のディレクターであり、今回初めての戯曲に挑戦。「コロナ禍になる直前の中国に行きまして、その体験が演劇になった。お話を聞いたときは、腰が抜けるほど驚きましたが、初日を迎えられてうれしい」と語り、「雍正帝は中国の皇帝史上、一番エキセントリックで、一番ワーカホリック。パワハラな一面もありますが、今の時代にこの人がいたらというリーダー像を問うている」と話していた。

演出の東も「ひどい独裁者ですけど、とても魅力的もある。リーダー論という意味で、現代のコロナ禍の日本にマッチしている」と現代日本とのリンクに触れ、雲南の若き地方官・オルクを演じる中村は「真正面から雍正帝にぶつかるオルクを演じることで、雍正帝、そして蔵之介さんに魅せられた」。舞台では初タッグとなり「蔵之介さんの目の奥に鋭いものを感じて、まるで試されているようで。皇帝と地方官という関係性が、蔵之介さんの“眼力”のおかげで自然に作れた」と感謝を示し、「ぜひオルクの目線で、雍正帝の謎と魅力に迫っていただければ」と呼びかけた。

取材・文・写真=内田涼

【公演情報】
演劇ユニット「Team申」第5回本公演
『君子無朋(くんしにともなし)』
作:阿部修英 / 演出:東憲司

出演:佐々木蔵之介、中村蒼
奥田達士、石原由宇、河内大和

【東京公演】
2021年7月17日(土)~25日(日)
東京芸術劇場 シアターウエスト

【京都公演】
2021年8月17日(火)~29日(日)
京都府立文化芸術会館
ほか 仙台、石川、広島、福岡、長野、新潟公演

フォトギャラリー(15件)

すべて見る